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ページ番号:2407
掲載開始日:2021年6月1日更新日:2021年6月1日
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ジュゼッペ・キアラ神父墓碑
概要
ジュゼッペ・キアラ神父(1602年生・1685年没)は、イタリアのシチリア島生まれのイエズス会宣教師で、遠藤周作の歴史小説「沈黙」の主人公ロドリゴ神父のモデルとして知られています。
イエズス会日本管区長代理で棄教したクリストヴァン・フェレイラ神父を救出することを目的に、江戸幕府のキリシタン弾圧が一段と厳しくなっていた寛永20年(1643)、イエズス会の神父らとともに禁教政策下の日本に潜入を試みました。しかし、上陸直後に筑前大島(現福岡県宗像市)で捕えられ、江戸小日向のキリシタン屋敷に収容された後、拷問に耐え切れず棄教し、43年間幽閉された末、84歳で病死しました。
キアラ神父は棄教したと伝えられますが、史料によれば最期まで心の中では信仰を保っていたとされます。
キアラ神父が病死した翌日、遺体はキリスト教では禁忌(きんき)である火葬にされ、戒名「入専浄真信士」が与えられ、小石川無量院に葬られました。
戒名「入専」は「ジュセン」と読み、キアラ神父の「ジュゼッペ」から取ったものと考えられます。
その後、貞享2年(1685)に、笠の形が司祭帽のような一風変わった墓碑が建立されました。
この墓碑は、小石川無量院から雑司ヶ谷霊園、練馬サレジオ神学院と所在地を変遷し、現在の調布サレジオ神学院構内へと安置されました。
キアラ神父の墓碑は、江戸時代の鎖国禁教政策という歴史と、それに関わる人物を物語る遺品として学術的価値の高いものであり、キリシタン墓碑研究の上でも重要であるとして、市文化財に指定されました。
種別 指定・登録年月日
市指定有形文化財(歴史資料)、平成28年1月29日
所在地
富士見町3-21-12 サレジオ神学院