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ページ番号:14379

掲載開始日:2025年4月20日更新日:2025年7月5日

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令和7年度 市長コラム「手をつなぐ樹」(第461号から第466号)

長友市長の写真

コラム一覧

第466号 あの時代だからこそ

 いまだ「ミスターロス」から脱しきれない。
 「うーん、どうでしょう」「ややもすると」「いわゆる一つの」など、甲高い声で延々と読点が続き、なかなか句点に辿り着かないどこか微笑ましい「長嶋語」。
 ただ、没後に生前の姿を懐かしく拝見するとき、長嶋さんの語り口が誰に対しても極めて丁寧だったことに、今更ながらに感心させられる。笑顔を絶やさない穏やかな口調で、接する方すべてに安らぎを与えておられた。
 私は長嶋さんのプロデビュー時を覚えている。小学校に入る前年だったが、あのフルスイングと華麗な守備、加えて俊足。ファーストを川上哲治さんが守り監督は水原茂さんだった。
 長嶋さんが名選手だったことは言うまでもないが、彼が放った光の眩しさが他を圧するほどの輝きを放つのは、彼のプレーヤーとしての黄金期がちょうど日本の経済発展期に重なったことにも起因する。彼がプロ入りした戦後わずか10年余の昭和33年当時、国全体はまだ貧窮に喘いでいた。そこから高度経済成長に沸き立ち、昇り龍のごとく怒涛の快進撃を続けたわが国の明るさの象徴が長嶋さんだったと言えよう。長嶋さんの温かな人柄が私たちを包み込み、溌溂(はつらつ)としたプレーが国民の士気を鼓舞した。今後、あれほどの存在感を日本全体に与えうるヒーローが果して出現するだろうか。
 私も多くの方と同様に心からのお礼を申し上げたい。「長い間、本当にご苦労様でした。有難うございました」。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 令和7年7月5日号掲載)

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第465号 熱狂を期待しつつ

 調布市はラグビーリーグワンにおいて、府中市に本拠を置く東芝ブレイブルーパス及びサントリーサンゴリアスを府中市、三鷹市とともに応援している。
 今シーズン、2チームがリーグ戦を上位の成績で終えプレーオフに駒を進めたことは大変喜ばしく、両チームの健闘に心からの拍手を送りたい。
 特に、東芝はリーグ戦を首位で通過した後、2022年に新リーグとして発足したリーグワン史上初の連覇を達成したもので、勇猛で強靭な王者の姿を満天下に強く印象付けた。
 我々の応援を受ける両チームからは青少年の健全育成などに関する貢献を約して頂いており、今後も連携を強化していきたい。
 それにつけても、ラグビーで思い出すのは何と言っても2019年のワールドカップ。日本チームが見事にW杯史上初の決勝トーナメント進出を果たし、調布駅前広場が熱狂の渦に包まれたことを生涯忘れない。
 だが、そのW杯の余勢を駆って翌年の東京2020大会に一気に突き進もうとしたエネルギーが万人に与えた大いなる希望を「光」とするならば、その直後に発生したコロナ禍による将来展望の喪失が人々にもたらしたものは奈落に沈むがごとき深い「闇」だった(註1)。まさに、禍福は糾(あざな)える縄のごとし。
 これからも、スポーツのみならず市民が集う憩いの場を常に大事にしながら、いつ見舞われるかもしれぬ災禍に対する備えには万全を期していきたい(註2)。

(註1)2019年ラグビーワールドカップ日本大会の期間は、同年9月20日から11月2日。コロナが中国湖北省武漢市で新興感染症として初めて検出されたのは同年12月。
(註2)コロナ禍に関する市の対応をまとめた報告書については、次のリンクをご参照下さい。
調布市新型コロナウイルス感染症対応報告書

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 令和7年6月20日号掲載)

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第464号 本来ならば

 大の里あっぱれ。千秋楽に豊昇龍に敗れたとはいえ、綱とりの大きなプレッシャーの中で、あれだけ本来の地力を遺憾なく発揮して他を圧倒するのだから、今後の大横綱への成長が楽しみだ。
 ただ、恒例の優勝パレードを観ていて、瞬間的にあれっと思った。なぜなら大の里の隣で旗手を務めたのが小結高安だったから。高安はまさに3月春場所の優勝決定戦における大の里の相手であり一瞬違和感を覚えたのだ。だが考えてみれば、たとえ土俵上で賜杯をかけて雌雄を決したとはいえ、生涯、不倶戴天の敵であるわけもなし、同じ二所ノ関一門(註1)の親しい先輩後輩の間柄と納得した。
 それでとっさに少し古いことを思い出した。昔は、一門間の力士同士は本割(註2)では対戦しなかった。だから大の里-高安などの取組はあり得なかったはずだ。部屋別総当たり制度が大相撲に導入されたのは60年前の昭和40年だったとのこと。
 その大きな制度改正のおかげで多くの新たな魅力ある取組が実現し、そのことにより一層の切磋琢磨の中で各力士の技量も高まり、それが手に汗握る熱戦の増加をもたらし相撲人気に拍車をかけたと言われている。
 やはり、何事も開放的な制度のもとで自由に競い合う環境が確保されるからこそ、向上心に満ちた競争の中でさまざまな好循環が生まれてくるのだろう。
 多国間の交易もそうあるべきと、何十年にもわたり各国が協調の上で努力を続けてきたのではなかったですか。トランプさん。

調布市長 長友貴樹

(註1)所属は、大の里が二所ノ関部屋。高安は二所ノ関一門の田子ノ浦部屋。
(註2)発表された取組表に基づいて行われる正式な取組。優勝決定戦は本割以外の取組。

(市報ちょうふ 令和7年6月5日号掲載)

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第463号 気がつけば半世紀

 昭和51(1976)年に大学を出て就職した職場の所在は虎ノ門だった。その年だったと思うが、麺類が大好物だった父が昼食どきにやってきて、虎ノ門からほど近い西新橋の蕎麦屋に誘われた。
 田舎風のごつごつとした舌触りの十割蕎麦。それに、これも腰の強いうどんを組み合わせた合い盛りが名物。加えて濃い目の出汁が絶品のけんちん汁。「合い盛りけんちん」とオーダーする客が多い店だった。
 当時父の勤め先は市ヶ谷だったが、私の職場の近くで仕事があるときなどに連絡があって、たまに昼の時間を共に過ごした。父はあまり酒を飲まなかったので居酒屋に同行した覚えは希薄だが、昼の「合い盛りけんちん」の記憶は鮮明だ。
 男二人、会話と言ってもお定まりの「仕事はどうだ」程度だったが、父の心情は奈辺にあったのか。手がかかった息子が曲がりなりにも社会人になったという安堵感だっただろうか。
 その店が再開発事業で姿を消したときには大いに落胆したが、ほどなく赤羽橋で復活してからは、毎年何回か訪れることを無上の楽しみとしていた。
 それだけに、先日久しぶりに足を向けて発見した店頭の張り紙は衝撃的だった。「設備の老朽化や店主の高齢化によりやむを得ず閉店を決定いたしました」。長年お世話になった店の方に礼を言う暇(いとま)もなく。
 社会に出て今年で50年目。長かったような、短かったような。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 令和7年5月20日号掲載)

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第462号 瞳輝く子どもたちを大切に

 昨年のわが国における出生者数は72万988人で、9年連続減少し統計開始以来最少となりました(註)。今後、労働人口の減少に伴う経済への悪影響もさることながら、もしも子ども・若者が本来日本全体にもたらした活気が失われるとすれば、極めて憂うべき事態と言わねばなりません。
 わが国がこれほど極端な少子化に陥った原因につき、現代の若者の結婚観などに関するさまざまな分析がなされていますが、ここでそれに深く言及する気はありません。ただ、新たな家庭を築き、その中でのわが子との温かな交流を思い描く方々にとって、特定の社会的および経済的制約がその思いを実現させることの阻害要因となっているのなら、当然仕組みを改善する必要があります。
 近年、国および都もそのような政策の充実には躍起となっており、出産や子育てに関する経済的負担の軽減や児童手当の拡充、高等教育費の補助、はたまた男性育休の取得奨励に至るまでさまざまな支援策を矢継ぎ早に講じています。
 市としてもその流れを加速すべく、次ページ以降に記載したように近年広範な子育ておよび教育環境整備に資する施策を積極的に展開しております。
 各事業の早期開始を可能にした大きな要因の一つは、議会による問題提起および後押しであり議員の皆様に感謝申し上げるとともに、今後とも良き連携を保たせて頂きながらさらなる施策の充実を図ってまいります。

調布市長 長友貴樹

(註)過去の最多出生者数は、1949(昭和24)年の269万6638人。

(市報ちょうふ 令和7年5月5日号掲載)

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第461号 導いて癒されて

 幼稚園の春の遠足の日、4月に入園したばかりの娘がカーテンを掴んで、激しく降りしきる雨を窓越しに恨めしそうに眺めながら、涙目で「行きたいの」と呟いた。
 その何年後だったか、小学校低学年の息子が泳ぎを習い覚えたというので、訪れたプールで「泳いでみろよ」と言ったら、ちょっとはにかんで「まだ滅茶苦茶だよ」と言いながら、全力で手足を猛烈なスピードで水にたたきつけてなんとか沈まずに水面に浮いていた。
 折に触れ、何度も何度も同じ昔の出来事を思い出す。すでにして、私にとっては遠く過ぎ去った子育ての日々。決してすべてが順調に推移したわけではない。当然ながら、喜怒哀楽さまざまなことがあった。しかし今にして思えば、こどもと触れ合い指導する過程で、なんと多くの癒し、安らぎを得ていたことだろう。
 そもそもわが子が小学生となり、日常生活における意思の疎通にあまり不自由を感じなくなったと思って以降、親子が緊密に時を過ごす期間はどれほどだろう。おおよそ10年程ではないだろうか。
 春4月、桜花爛漫の中で今年も可愛らしい小学1年生の入学式に出席する機会を得て、多少感傷的になりながら、ほのぼのとした想いに浸らせて頂いた。

調布市長 長友貴樹

(市報ちょうふ 令和7年4月20日号掲載)

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調布市行政経営部広報課 

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