【2】 市報ちょうふ 令和6(2024)年1月1日 No.1754 【3】 ●未来へ向かって輝こう! 調布市出身者や、調布市の事業に参加したことをきっかけにステップアップして活動する方々の活躍を紹介します。 ◎平和への思いを私たちが伝える ちょうふピースメッセンジャー2019高校生平和大使東京都代表 涌井董子(とうこ)さん ◇プロフィール  高校2年生。令和元年度のピースメッセンジャーとして、広島市へ派遣された。高校1年生の時に、第25代高校生平和大使の東京都代表として、核兵器廃絶と世界平和の実現を訴え、国内外に発信をする活動に参加した。歴代のピースメッセンジャーが活動する「ちょうふピース部」の取り組みにも参加。 ◇ピースメッセンジャーに参加したきっかけと印象的だったことは?  祖母の家がある新潟が原爆投下候補地だったことを知り、原爆・戦争・平和を学びたいと思い、中学1年生の時にピースメッセンジャーに応募しました。  令和元年度は広島市に派遣され、その時に行った似島(にのしま)は初めて知りました。似島は原爆で負傷した人が運ばれたところで、麻酔なしで手術をした女の子のエピソードが印象に残り、高校生平和大使の活動でもこの経験を伝えています。この派遣で見聞きしたことは、唯一無二の経験で知識が一気に深まりました。派遣後、学んだことを発表し、同世代の多くの人に耳を傾けてもらえたことで、戦争・平和について積極的に発信することの大切さを感じました。 ◇高校生平和大使ではどのような活動を行いましたか?  調布市内だけでなく、もっと広く発信できるように活動の幅を広げたいと思っていたところ、高校生平和大使のことを知り挑戦しました。コロナ禍で活動に制限がありましたが、広島市・長崎市・都内での研修、小学校での平和学習、外務省や各国の大使館への訪問、全国の高校生との意見交換などを行いました。 ◇高校生平和大使の活動で印象的だったことは?  オーストリア大使館を訪問した際に、大使館の方が「成功のためには挑戦することが大事」であり、「オーストリアでは平和のために意志を持って団結して行動しようという意識がある」と力強く話していたことが印象的でした。全国の高校生との意見交換もとても刺激になりました。長崎市や広島市の高校生は、小学生の頃から戦争・平和に関する教育を受ける機会が多く、戦争・平和に対する意識が高いです。他の地域での平和学習の必要性を感じました。 ◇今後はどのような活動をしたいですか?  高校生平和大使や歴代のピースメッセンジャーとして参加するちょうふピース部での活動を継続し、今後はさらに活動の幅を広げたいです。残念ながら世界各地で戦争は起きているので、海外の人たちや同じ高校生との意見交換も増やし、学んだことを積極的に発信し、平和に対する活動を共にできる仲間を増やしたいです。高校生である今しかできないことを全力でやっていきます。 ◎色々な人に支えてもらい今の自分がある 石巻市防災士協議会防災士(調布市出身) 武井友佑(ゆうすけ)さん ◇プロフィール  2000年生まれ。調布市出身。NPO法人ちょうふこどもネット「復興の未来へ行こう!ワカモノプロジェクト」に参加後、地域おこし協力隊として、石巻市に移住。震災の伝承を中心に活動する公益社団法人「3.11みらいサポート(所属当時)」に所属した。協力隊退任後も、イベント企画やラジオ出演などを通して石巻市のまちと関わっている。また、防災士として、調布市防災教育の日では、中学校で防災講演の講師としても登壇。 ◇「復興の未来へ行こう!ワカモノプロジェクト」に参加したきっかけと、どのような活動をしていましたか?  小学4年生の時に東日本大震災を経験し、被災地の状況やボランティアに関心をもちました。高校生になり、通っていた調布市青少年ステーションCAPSで、この活動を知り、興味があったので団体に入りました。中高生のツアー企画や復興応援販売などを通して、現地の状況や語り部さんの話を聞くなどの活動をしました。 ◇調布市青少年ステーションCAPSでも活動をしたとのことですが、活動を通して得られたことは?  調布市青少年ステーションCAPSでのイベント実行委員会や、ワカモノプロジェクトとして、調布まち活フェスタにも高校3年間、参加しました。その他にも、富士見児童館での野球指導など地域に触れ合う機会が多くありました。高校時代のCAPSから始まった活動は、すべての原点になっています。小・中学生の頃は、会話が上手ではなかったのですが、イベントを通して多くの大人と関わり、会話スキルも身につけることができました。  色々な人に支えてもらい、調布で関わった皆さんに会えたからこそ今の自分があると感じています。 ◇地域おこし協力隊の活動を通して、感じたことや心境の変化などはありましたか?  まず石巻市の良さを感じました。人が優しい。自分が育った調布市富士見町のような温かさが街全体にありました。知り合いに会うと、挨拶だけでなく、「最近どう?」と会話があったり。もっと多くの人に良さを伝えたいと心境の変化がありました。それと同時に、石巻市で起こったことや防災について考えてもらいたいと思うようになり、講師などもするようになりました。 ◇現在の活動は?  現在は、協力隊時代の経験を活かせればと思い、ふるさと納税関係の仕事に携わっています。ボランティアでラジオでの朗読番組に出演したり、石巻市でコスプレのイベント企画や演劇祭など町おこしにつながる活動を続けています。 ◎尺八で新しいジャンルに挑戦! 尺八奏者(調布市出身) 風間禅寿(ぜんじ)さん ◇プロフィール  1997年生まれ。調布市出身。小学生の時に市内で地域活動や尺八を教える門傳良男さんと出会い、尺八を始める。都立狛江高校箏曲部で、第38回全国高等学校総合文化祭日本音楽部門で文化庁長官賞を受賞。東京藝術大学音楽学部邦楽科尺八専攻を卒業。現在、尺八の第一人者である藤原道山さんに師事し、プロとして活動中。 ◇尺八のことを教えてください  演奏者の個性が出やすい楽器です。尺八は音を出すのが難しいですが、演奏者のあごの骨格や唇の厚さなどの身体的特徴や、人生経験で大きく音が変わります。穴の塞ぎ方だけでなく、息の強さや、あごを上下に動かすなどでさまざまな表現ができます。 ◇演奏を始めたきっかけは?  箏・尺八を習う教室が通っていた小学校で始まり、尺八の生徒がおらず元々音楽が好きだったこともあり、母のすすめで尺八をやることになりました。あまり音が出なかったのですが、施設やお祭りなどで一生懸命に演奏する姿を喜んでもらえたことや、地域のつながりが広がったことがやりがいとなり、中学生になってもこの活動を続けていました。 ◇高校時代の活動はいかがでしたか?  都立狛江高校に進学し、箏曲部に入部しました。入部当初は箏の演奏をしていました。強豪校だったため、みっちりと練習漬けの日々を過ごしました。  高校2年生の時に尺八での進学を目指して、本格的に音作りを始めました。部活でも尺八をソロで演奏して、高校3年生の時には全国高等学校総合文化祭で文化庁長官賞を受賞しました。 ◇大学卒業後の活動は?  東京藝術大学卒業後にプロ活動をスタートしました。1年経ち少しずつ仕事も増えてきたところで、コロナ禍で演奏活動も厳しい状況になりました。その時に、師事している藤原道山が率いる尺八アンサンブル「風雅竹韻」のメンバーとの動画でパーソナリティをしたりと活動の幅を広げました。 ◇今後の展望は?  今後は、エンターテインメントにも力を入れていきたいです。演奏活動だけでなく、作曲や動画配信、邦楽以外のジャンルとのコラボなど新しい活動にもチャレンジしています。尺八に親しんでもらうために、自分を見て「尺八の人だ!」と思ってもらえるようになりたいです。 ◇1月13日(土曜日)に文化会館たづくり2階くすのきホールでの「郷(さと)の音(ね)でめぐるちょうふ八景いまむかし」に出演予定 ◎自分たちのメッセージを映像で表現! 第14回高校生フィルムコンテストin映画のまち調布優勝者 稲田美柚(みゆ)(左)・百音(もね)さん(右) ◇プロフィール  大学4年生の双子の姉妹。2018年に、映画「君は真夏のベガだった」で、第14回高校生フィルムコンテストin映画のまち調布の最優秀作品賞・演技賞を受賞。最新作の映画「たゆたのうた」は百音さんが監督、美柚さんがプロデューサーとして制作した。4月から百音さんはテレビ局、美柚さんは広告・映像制作会社に就職予定。 ◇幼少期、ふたりの様子や、映画を作ろうと思ったきっかけは?  幼少期の頃、家族旅行に行く度に、ビデオカメラとスチールカメラを二人で交替しながら、思い出を記録していました。今思えば、これが映像に興味を持ったきっかけの一つでした。  映画制作は、私たちが日頃から疑問に思っていることを映像で表現したら面白いのではないかと、二人で意気投合し、始めました。そして、「高校生フィルムコンテストin映画のまち調布」で最初の作品が上映されたことが、私たちに映像制作の道へと一歩踏み出す勇気をくれました。コンテストでの出会いや経験は映像を通じた人とのつながりを実感する貴重な機会となり、より多様な映像制作に携わりたいというモチベーションにもつながりました。 ◇どのように作品作りをしていますか?  いつも決まったチームではなく、過去に出品した映画祭での仲間や大学の同級生、プロの俳優にオファーをして、その都度作りたい作品に合った制作チームを作っています。全編を調布ロケで制作した最新作の映画「たゆたのうた」では、美柚がプロデューサーで百音が監督・脚本を務めました。 ◇印象に残っている作品への想いを教えてください。  これまで3本の中編映画を制作しましたが、最新作の映画「たゆたのうた」は私たちの映画人生の原点である調布で撮影した思い入れの強い作品です。この映画は、コロナ禍に構想を始め、「誰か」とともに自分の感情と向き合うことの大切さを実感できるような物語が作りたいという思いから制作しました。 ◇今後どのような作品を作りたいですか?  それぞれのフィールドで映像制作に携わり、お互いに作りたいものを探りながらスキルアップしていき、ゆくゆくは二人で多くの人々が希望を持てるような作品を作りたいです。 ●J:COM(地デジ11チャンネル)「テレビ広報ちょうふ」 〈新春号〉1日から19日「市長・議長・木島平村長の新年のあいさつ」など 〈20日号〉20日から翌日4日 職員インタビュー、特集など 放送内容は調布市公式YouTubeでも配信中 ●調布FM83.8メガヘルツ市政情報番組「調布市ほっとインフォメーション」 月曜日から金曜日 午前9時15分から、午後1時30分から、4時から、9時から(各15分)/5時30分から(5分) 土曜日 午後5時30分から(5分) 日曜日 午後3時30分から(5分) (注)放送が休止・時間変更になる場合あり。インターネットでも聴取可。詳細は調布FMホームページ参照