令和4年度 調布市障害者地域自立支援協議会 第2回全体会 報告書 1 開催日   令和4年11月10日(木) 午前9時30分から12時 2 開催場所  調布市市民プラザあくろす あくろすホール 3 出席者   委員19名 事務局16名 傍聴2名 4 議題 (1) 開会の挨拶 (2) 各ワーキング等の中間報告について (3) 地域課題について (4) 次期「調布市障害者総合計画」意見具申について (5) 講演会について (6) 障害者差別解消支援地域協議会 (7) 閉会の挨拶 5 議事録要旨 (1) 開会の挨拶 〇事務局  令和4年度調布市障害者地域自立支援協議会第2回全体会を開催いたします。本日はお忙しい中,お越しいただきありがとうございます。では谷内会長,進行をお願いします。 〇谷内会長  おはようございます。本日は2時間で多くの内容を進めていく必要があります。後ほど地域課題について意見をいただいた方々から,説明いただきたいと思います。それでは,次第に基づいて進めてまいりますので,よろしくお願いします。各ワーキング等の中間報告をちょうふだぞうからお願いいたします。 (2) 各ワーキング等の中間報告について 〇事務局(ちょうふだぞう)  資料1の1を御覧ください。「福祉にフィットしない方たちの次の選択肢を考えるワーキング」になります。福祉サービスや就労が合わず居場所がない,社会的に孤立した障害のある方をイメージして,ワーキングを進めています。  第1回では,課題整理という点から,各関係機関の抱えている課題や感じていることを挙げていただき,相談・体験・居場所・自己理解という4つのキーワードを確認しました。  第2回では,ワーキングメンバーの方々が所属している社会資源の強みと弱みを共有し,ニーズを捉えるためのネットワークを想定して話し合いを進めました。  第3回では,ソーシャルファームという東京都(しごと財団)の試みで,就労が難しい方に有期限で工賃を補助的に出す取り組みがあるので,その担当の方をゲストスピーカーにお呼びしたいと考えています。そのような形で,課題の整理と新たな社会資源の創出を検討していきたいと思います。 〇谷内会長  ありがとうございます。続きまして,「医療と福祉の相互理解についてのワーキング」の報告をお願いします。 〇事務局(ドルチェ)  資料1の3を御覧ください。こちらのワーキングでは,障害のある方の医療アクセスの問題,例えば,受診のしづらさや障害特性への配慮不足,かかりつけ医の確保が難しいという現状を把握した上で,どのような改善が見いだせるかを議題にしています。  第1回では,当事者団体の皆様が抱えている課題を挙げていただき,医療側と当事者側,双方にアンケートを取ることになりました。  第2回では,当事者や家族に対するアンケートに関して皆様から御意見をいただき,具体的な内容を検討しました。  今後につきましては,12月までにアンケートの内容を確定し,今年度中に調査を実施したいと考えています。そのアンケート結果を踏まえ,来年度その阻害要因や促進要因を改めて確認し,改善案を具体的に検討したいと考えています。 〇谷内会長  ありがとうございます。では,障害理解の促進ワーキングお願いします。 〇事務局(希望ヶ丘)  第1回については,前回の全体会でお伝えしたので,第2回の報告をさせていただきます。資料1の2を御覧ください。  来年度,調布市福祉人材育成センターで事業化を進めている障害当事者講師養成研修のプログラム内容について再度意見交換しました。また,仙台市で障害当事者講師を育成し,当事者講師としても活躍されている方に仙台市の現状をお話しいただきました。  今後も,人材育成に向けた研修を検討し,研修を修了した当事者の方による障害理解の普及啓発ができる場の提供を検討していきたいと考えています。また,今後は市内の企業や学校等に対して障害理解に関するニーズのヒアリング調査も行う予定です。 〇谷内会長  ありがとうございます。では,サービスのあり方検討会の報告をお願いします。 〇事務局(障害福祉課)  サービスのあり方検討会は,市内の14事業所の相談支援専門員の方に参加していただいて開催しています。今年度は,6月,7月,9月に3回開催しました。  第1回では,各事業所での困りごとや悩みについて共有し,第2回で各事業所の意見を出していただきながら話し合いました。その中で,就労にも通所にもつながりにくい方や,福祉サービスの利用につながりにくい方についての事例が挙がり,今年度の福祉にフィットしない方たちの次の選択肢を考えるワーキングにつながる課題があるということを皆で再認識することができました。 第3回では,調布市子ども発達センターの事例提供により,事例検討を行いました。母への支援や他機関との連携等,家庭全体の支援について,各事業所から積極的な意見が出ていました。今後については,3つのテーマを掲げて開催する予定です。1つは障害福祉サービスから介護保険サービスへの移行の際の相談支援事業所の支援について考える。2つ目は,医療的ケアについて当事者から話を聞き,在宅療養の実態を知る。3つ目は,居宅介護事業所と合同での事例検討を予定しています。 〇谷内会長  ありがとうございました。続きまして,地域課題についての意見交換を行うため,障害福祉課から説明をお願いします。 (3) 地域課題について 〇事務局(障害福祉課)  地域課題について,10月に行った地域課題のアンケートにて,たくさんの御意見をお寄せ頂きありがとうございました。  希望ヶ丘を中心としているワーキンググループが,今年度で終了予定なので,来年度以降のワーキンググループを1つ検討することになります。その上で今回お寄せいただいた地域課題を整理しながら,次回のテーマを決めたいと思います。  御要望等が多くあると思いますが,調布市の地域課題として取り組みたい内容を募りたいと思います。本日の全体会の中で御意見をいただき,最終的には運営委員会で決めさせていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 〇谷内会長  ありがとうございます。当日配布の資料になっておりますので,御意見お寄せいただいた方から,直接御説明いただきたいと思います。ではA委員から順にお願いします。 ○A委員  障害のある方が大きい病院等に受診する際に同行するサービスがありません。長時間・単発の仕事なので,ヘルパーの担い手がいないという内容を出しました。  成年後見センターでは,判断能力が不十分な方の財産管理や,福祉サービスの契約,諸手続きの支援を御本人に代わって行う業務を担っており,直接介護をすることは行っていないのですが,必要に応じて職員で対応することがあるので,このような内容を書かせていただきました。 〇谷内会長  ありがとうございます。では,B委員お願いします。 〇B委員  学校で性教育を教えてはいけない風潮になってから20年近く経っており,近年性被害の相談が増えている印象があります。学校を卒業して作業所に行ってからも,コミュニケーションや人との距離感等,マナーを含めた性教育を学ぶ機会がないままの方が多いと思います。  そして,市民一人ひとりに対して,障害理解を広めることが課題だと思っています。小学校では必ず教育課程に障害理解の学習が入っているので,子ども達が障害のある人と仲間として接し,実感できるような体験ができないかと思っています。  また,サービス等利用計画を作成できる事業所がないという点ですが,知的障害の方は御家族が長期的にセルフプランで作成し,成人に移行する時に作成を希望したり,親が高齢になった際に,相談支援事業所にお願いしたいと考える場合が多くあります。その場合,児童を中心にしている事業所は選ばないわけです。また相談支援専門員が1人だけで行っている事業所の場合には,その方と相性が合わないことがあります。高齢になった御家族にとって必要な情報をたくさん持っている事業所が特に少ないという声が新たに寄せられています。 次に障害のある方の家族支援がないという点が挙げられます。調布市の基本計画や調布市教育プランにヤングケアラーについて書かれていますが,年齢が近い知的障害のある兄弟がいる,特に兄や姉であると,結果としてヤングケアラーになってしまい,兄弟が大きくなるにつれて,思春期に様々な問題が出るという事例が実際にあり,それに対して,公的な支援が必要だと思います。 〇谷内会長  ありがとうございます。続きまして,C委員お願いします。 〇C委員  商工会の代表ということで,この場に出席させていただいています。下肢が不自由な御客様が整備の相談に何回か来店されたのですが,その後,全然来店しなくなってしまったことがありました。健常者の方でも,継続的に相談に来ない方もたくさんいますが,私共の気遣いや障害理解の不足があったのであれば,反省しなくてはいけないと思います。ただ,どこが悪かったのかがわからなかったので,この会議で学ばせていただき,今後につなげたいと考えています。 〇谷内会長  ありがとうございます。D委員お願いします。 〇D委員  障害者地域活動支援センタードルチェや相談事業などで挙がったものを載せています。まず,身体障害のある方を送迎できる通所先や高次脳機能障害,介護保険第2号保険者の対応に特化した通所先が少ないという点が一番に挙げられます。  そして,災害時の不安が大きいという点も,多く挙がっている内容です。また,家族支援が必要な方が非常に増えている印象があります。  必要なサービスや地域資源では,医療的ケアの方も対応できるグループホーム,高次脳機能障害の特性に配慮したグループホーム等多様な障害のある方が安心して暮らせる住まいの場が必要であると考えています。  また,障害のある方が集ったり話ができるような居場所が必要であると感じています。こちらは,福祉にフィットしない方の次の選択肢を考える内容とも関わってくると思います。 〇谷内会長  ありがとうございます。続きまして,E委員お願いします。 〇E委員  当事者自身が活躍・発信でき,障害理解を促進できる場が必要だと感じており,障害理解の促進ワーキングでそのような人材育成に向けて取り組んでいます。専門家が話す機会は非常に多いのですが,当事者自身が共に生きていく存在として,教育の段階で発信できるような機会が増えるといいと思います。  また,ライフステージにより必要な支援が変化するということがあるので,切れ目のない支援が充実し,全体的に支援できるような仕組みが必要であると思います。 〇谷内会長  ありがとうございました,F委員お願いします。 〇F委員  移動支援と行動援護を担える事業所が少ないことが課題であると思います。今は利用者がコロナで外出を控えているので事業運営が成立していますが,コロナ終息後,ニーズが一気に高まった際に非常に壊滅的な事業になることを心配しております。  2点目は,サービス等利用計画を作成できる事業所が不足している事が大きな課題であると感じています。精神障害の方は,希望ヶ丘とこころの健康支援センターが2本柱となり利用者が事業所を選択できますが,知的障害の計画作成を中心的に担っているのは,ちょうふだぞうのみになります。  現在,ちょうふだぞうでは約250人の計画を立てていますが,待機している方が多数いる状況です。事業所の自助努力だけでは成り立たないので,調布市全体で考えていきたい課題であると感じています。  2番の地域資源のところでは,放課後等デイサービスを利用していた方が18歳以上になった後,夕方に利用できる送迎付きの日中一時支援がほしいという点と,発達障害のみの方が利用できる宿泊系サービスがないという点です。3点目は,移動支援,行動援護,短期入所を一体的に担える事業所があればよいと思います。短期入所の後に外出する等,幅広い地域生活を展開できると思っております。 〇谷内会長  ありがとうございました。続きましてG委員お願いします。 〇G委員  避難所生活等災害時の不安が大きいので情報保証が必要という点と,24時間365日相談できる所が必要いう点を挙げました。困ったことが起きるのは,土日,夜中が多く,電話してもどこも通じないという意見が多く寄せられています。災害訓練,防災訓練を年に2~3回しているのですが,障害のある方に周知されることがないので,地域の方々に説明し,当事者も参加できる形を取れたらいいと思います。 〇谷内会長  ありがとうございました。最初に説明がありましたように,今年度で私が担当させていただいている希望ヶ丘ワーキングが終了になりますので,それに代わって新たなワーキングが来年度から立ち上がります。このワーキングのテーマを決める作業が,今年度中に必要なので,皆様方からたくさん御意見をいただきました。全て非常に大切なテーマであると思います。それと同時に,現在動いているワーキングで取り上げられるテーマもたくさん挙がっているので,現在のワーキングに盛り込みながら,進めてもらいたいと思います。それでは,他に御意見ありましたらお願いします。 〇H委員  軽度の知的障害の方で,スポーツ観戦や観劇等にヘルパー等を使わず御自身だけで行かれるケースがあります。今はチケット購入時にインターネットを使用することが増えています。FC東京の味の素スタジアムでの観戦チケットは周囲のサポートで購入できるのですが,実際にスタジアムでQRコードを複数回提示する必要があり,複雑な仕組みになっております。知的障害の方の場合には対応が難しい状況が多々あり,サポートする側としても課題に感じています。 ○谷内会長  ありがとうございます。いわゆる余暇支援であると思いますが,確かにそのように感じます。最近はコンサートでも転売防止でかなりセキュリティーが高くなっているので状況が複雑化しています。 ○I委員  障害福祉は,契約制度に変わり大きく変化しましたが,その改正の穴が出てきたと感じます。介護保険と障害福祉サービスを使っていますが,双方の連携がうまくいっているのか疑問に感じることがあります。 ケア会議を組めない障害のある方や御家族も多いと思いますので,障害福祉課が地域担当を置いて,全ての方に支援が行き届くように介添えをしてほしいと思います。 ○J委員  私からは2点ありまして,1点目は,先ほどの意見と同様,障害理解の部分に向けた当事者発信です。福祉という枠組が,サービスや相談支援を受ける方向性でとらえている方が当然多いと思うのですが,当事者の体験や経験を他者に還元するような,支援のベクトルを逆に考える必要性を感じています。体験や活動を伝えていくことが,その方のやりがいや新しい活動の機会に繋がるので,調布市福祉人材育成センターにて考えていきたいと思います。  最近こころの健康支援センターでは,発達障害の大学生からの相談が増えました。非常に優秀な方も多いのですが社会に出る際にはつまずきがあり,まずは御家族のみで相談に来所する場合が多いです。そのような方への初回相談のあり方については支援者側が,本人にフィットするように考え方を少し変えていく必要があると感じています。 ○谷内会長  ありがとうございます。この地域課題について丸山副会長からよろしいでしょうか。 ○丸山副会長  皆様の意見を聞かせていただき,私自身も非常に勉強になりました。先ほど,希望ヶ丘から年齢別等ライフステージによって困りごとが変化するという報告がありましたが,サービスは障害別・年齢別で支援内容が異なります。介護保険と福祉サービス,児童福祉と障害サービスも同様で,別々に組み立てられていますが,1人の生活はずっと続いているので,家族の中に様々な課題があった時に,複数の人が入ることに疑問を感じます。  障害と介護保険のサービスの連携のように,同じ人に入るサービスでも障害,高齢のみの場合にはそれぞれでサービス担当者会議を開催しますが,法律をまたぐとその連携は意図的に動かないとつながらないことがあると感じました。  あと,移動支援,行動援護を担える事業所がない,高次脳機能障害や介護保険2号被保険者に特化した通所先がない等,特定の対象者へのサービスや,特定のニーズに対する担い手が不足しているという話がありました。これは,ニーズのあるサービスを提供できる事業者をどのように参入,もしくは育成できるかという問題なので,評議会もしくは行政の役割だと思いました。いろいろな人材育成の担当があるので,相談支援専門員やヘルパーの育成を強化するという支援策も今後考えられると思いました。  それと,先ほど出た意見にもありましたがICTの活用が進むことで,障害を持つ人や高齢者や子どもが利用しづらく,できないことと求められていることの間を埋める支援が必要になると思います。  例えば,高齢者に対してスマホ教室をやっている事業所や団体が他の自治体にありますが,知的障害を持っている人にやり方を教えるのか,違った支援をするのかを検討することも今後必要不可欠になると思います。ICTの進歩を止めてしまうと,便利な生活そのものが不便になるので,進歩しつつそこに取り残される人がいないようにすることもSDGsの考え方から重要だと思いました。  そういう意味では,生活にお金がなくて困っている人が,就労支援や生活保護や生活困窮者自立支援というセーフティーネットの網で張られるように,障害のある人が,自分のやりたい活動を諦めないようなセーフティーネットをどうやって作るのかが新たな課題として非常に重要であると感じています。  知的障害を持つ人の性的な被害の問題が,虐待や性教育と絡めて出ていましたが,障害を理由にする性的な虐待等については,犯罪構成要件にならないという刑法上の問題があります。そのため,当事者にきちんと拒否することの重要性,正しい性の知識等を伝えていくことは基本的な人権として大事だと思いました。 ○谷内会長  ありがとうございました。では,山本副会長お願いします。 ○山本副会長  4点感じたことをお伝えします。一つ目は,総合支援法になり様々なサービスが増えてきているのは事実であると思います。そういう意味では,量的なメニューの拡大は図れていると思いますが,そのメニューがあっても売り切れ状態であることが課題であると感じています。障害福祉計画策定の際に,市でもサービスの量と確保のための方策を考えておりますので,自立支援協議会における本日の議論も反映できるようにしてもらいたいと思います。  もう一点は,意見に挙がっていたその人に応じた相談支援や初回面談は,とても大事な視点だと思いました。サービスメニューのマネジメントのあり方も含めてになりますが,人のニーズや要望は非常に多様で,時代も変わり社会背景も変わっている中で,ヤングケアラーの問題等の新たなニーズが生まれてきています。その新たなニーズや障害特性に対して,これまでのパターンで対応するのではなく,どうブラッシュアップしていくのかという課題を取り上げてもらいたいと思いました。  3点目は,包括的な支援体制だと思います。これまでにも多問題家族やソーシャルファミリーサポートのようなものが課題になってきているという指摘はありますが,縦割りだけでは解決しないものなのでどう横串を刺していくのかが地域の大きな課題だと思います。重層的体制整備が今言われていますが,形だけではなくトータルにサポートできるような仕組みができると非常に良いと思いますし,自立支援協議会としても一つの方向性になるのではないかと思いました。  4点目は,これまで支援というのは,本人次第であり本人の意思や自己決定に基づいた支援のあり方がクローズアップされてきましたが,あくまでも支援する側とされる側のような分け方で議論されてきました。当事者が発信することでピアサポートのような形で支援側に回る,あるいは本人自身が地域や社会を変えていく力があるということを改めて発信をしていくことも自立支援協議会の一つの役割であると感じました。 ○谷内会長  ありがとうございます。私は北区でNPOを20年ほどやっており,現在は基幹相談支援センターも運営しています。  先日,ピアサポーターの養成研修を北区で開催しました。東京都もピアサポーター研修に今年度力を入れているところですが,5名定員で,肢体不自由の方を対象に募集をかけました。「ピア」と「カウンセリング」をつけて「ピアカウンセリング」というのは,専門性を否定しながらもカウンセリングを行う点に非常に違和感があったのですが,今回「ピアサポーター」という言葉が一般的になってきたので募集しました。  定員を埋めることができたのですが,驚いたことに全員年齢層が高い中途障害の方で,横のつながりがなかったのでこういう場が欲しかったと言う意見が多く聞かれました。制度的には介護保険でも総合支援法でも使えるサービスがあるのですが,使うまでには至らない方も多く,繋がりを求めているわけです。基幹相談においては多彩な相談が多いので,非常に大事なところを見失っていたと改めて感じました。  そして,役に立ちたい,障害を持った経験を還元していきたいという強い思いを持たれていることに非常に驚かされました。来年は知的障害のピアサポーターをやるので,今回受講された方々を大事にしながらドルチェサロンのような形を北区でも展開できればいいと思います。潜在的に地域に埋まっているピアが持つ力を発掘して輝かせるような仕掛けを作ることが大切であると感じました。  その中で,やはり第2号被保険者の方々は,高齢者の方と一緒のサービスを使うことは精神的にもプログラム的にもかなり厳しいと思います。今後その層の方が増えてくると思うので,その辺りのニーズに合った受け皿,居場所をどのように作っていくかが大事であると感じています。 ○谷内会長  次に調布市障害者総合計画の意見具申について,各事業所からお願いします。 (4) 次期「調布市障害者総合計画」意見具申について ○事務局(ちょうふだぞう)  資料2の1をご覧ください。非常時のネットワーク作りワーキングからは「非常時に備えた通所系事業所と相談支援事業所の連携強化が必要」という意見が出ました。背景としては,東日本大震災以降,市全体で避難所の整備を進めていく中,障害のある方が一般の避難所に行きにくいという課題と事業所が休みの時の不安が大きいので,行政が事業所と連携した対応が必要という意見が挙がりました。非常時は,主に水害を想定して議論しています。  最初の2年間は,相談支援事業所と行政との連携を中心に議論し,安否確認リストの作成や相談支援事業所の初動について検討しました。令和2年度からは「災害時の通所系事業所との福祉ネットワークの形成と自主避難所について」にテーマを変更し,プロジェクトチームを派生して具体的な内容を話し合いました。  通所系の事業所が自主的な避難所になれるかを検討しましたが,調布市で水害時に複数の福祉避難所の開設や車両で避難できる避難所の開設,非難時の送迎バスの検討も進んでいたため,プロジェクトでは通所系事業所とのネットワーク形成と連携の仕方について話し合いました。また,災害時の避難場所や避難方法について,障害のある方への周知が不足しているため,サービス等利用計画にリンクした個別避難計画が必要であるという意見が挙がりました。今後の取り組みについては「ちょうふ災害福祉ネットワーク」において展開と拡充を図っていきます。 ○谷内会長  ありがとうございます。次のワーキングお願いします。 ○事務局(ドルチェ)  資料2の3をご覧ください。相談支援事業所と居宅介護事業所の連携についての実態把握ワーキングからは「障害福祉サービスの円滑な導入のための仕組みづくりが必要」という意見が出ました。このワーキングの発足の背景としては,障害福祉サービスのヘルパーを探す際に,希望している曜日や時間に稼働できるヘルパーが見つからず,80件近くの事業所に断られたり,1年近くお待たせしてしまうことがありました。  また,ヘルパー派遣後も長時間の支援枠に対応ができず,障害特性の理解が難しいことから円滑なサービスが調達できない等の課題がありました。それを踏まえた上で,新規サービスを効率的に導入する方法や導入後の継続的な利用について協議する必要があり,このワーキングが発足されました。  検討内容につきましては,当事者やヘルパーの方々と議論を重ねた上で,令和元年度に233カ所の事業所にアンケートを発送し,70件近くの回答が得られました。その結果,相談支援事業所とヘルパー事業所の関係性が希薄であるという点,障害の程度や受傷から現在に至るまでの経過への理解が不足しているという点,障害分野の支援への人材育成のフォローが少ないという3点の課題が挙がりました。今後の取り組みとしては,ヘルパー事業所の方々をサービスのあり方検討会に招き,一緒に困難事例の協議をすることにより関係性を築き,障害の理解を深めていきたいと考えています。 〇谷内会長  ありがとうございます。では,最後のワーキングお願いします。 ○事務局(希望ヶ丘)  資料2の2をご覧ください。障害理解の促進ワーキングからは「障害理解の促進・普及啓発を行うための人材育成や発信する場が必要」という意見が出ました。背景としては障害者差別解消法等のキーワードが挙げられておりましたが,当事者からの発信に視点を置いています。  平成29年度から当事者を主体とした障害理解のあり方や障害理解を促進するための仕組みについて協議してきました。そこで,社会モデルの視点から発信できる当事者講師の研修の実施と当事者講師が合理的配慮の必要性を市民に向けて普及啓発できる場が必要という2点の課題が挙がりました。今後の取組としては,一般市民に向けた研修を実施し,当事者が継続的に発信力をつけられる育成プログラムや仕組み作りをしていきたいと考えています。もう一つの取組としては,調布市内の企業や学校へのヒアリング調査を行い,当事者が障害理解について発信することにより地域交流を図ることができればよいと考えております。 ○谷内会長  ありがとうございます。皆様から質問ありますか。 ○I委員  個別支援,防災計画のところで個別支援計画が非常に重要だと思いますが,具体的にはどれぐらい立てられているでしょうか。 ○事務局(ちょうふだぞう)  ちょうふだぞうの報告になりますが,現在10人前後の個別避難計画を調布市のフォーマットに沿って作成しました。御本人と避難場所や持ち出すもの等の確認しました。 ○谷内会長  ありがとうございます。事務局から意見具申の予定をお願いします。 ○事務局(障害福祉課)  福祉計画策定委員会が2年間で行なわれており,今年度中に意見具申を出す予定です。その際に新しいワーキングについても,計画に折り込んでほしい内容があれば追加することができます。 〇谷内会長  ありがとうございます。今の意見を含めて,さらにブラッシュアップして提出してもらえればと思います。その他いかがですか。 ○B委員  第一小学校の校長先生が途中退席されたのですが,託されていた意見がありますので代わりにお伝えします。第一小学校には,特別支援学級があるため,小学3年生の教育課程で障害理解の学習を入れ,調布特別支援学校と長期的に交流していると伺いました。障害者計画,総合計画の中には,教育の課題も入っているので,教育機関で積極的に交流を図ることを意見具申したらどうかという提案がありました。今年は調布市教育プランの改定の年なので,そちらに盛り込めることが望ましいという意見もいただきました。  また,性教育については,SNSの児童ポルノや写真送付の被害が多くなっており,学校でも非常に課題であると感じているとのことでした。特に,判断力の弱い軽度の知的障害の方が巻き込まれるケースもあると聞いているので,来年度の教育課程に犯罪被害を防ぐ内容の教育が入る予定になっているとのことです。 ○谷内会長  報告ありがとうございます。G委員お願いします。 ○G委員  防災についての質問があります。小学校などで開設される避難所はどなたでも受け入れると思いますが,3日後は和室のある建物に障害のある方々が移動するという指針は間違いないでしょうか。 ○事務局(障害福祉課)  水害と震災では状況が変わりますが,水害時には障害者や要配慮の方が移動できる場所としてすこやかと調布市総合福祉センターと地域福祉センターがあります。前回の水害時に,避難所を順番に開設したことにより非常に混雑しましたので,事前に開設される場所を情報提供できるように総合防災安全課の方で動いています。  地震のときは,17か所の福祉避難所が設置されます。ツイッターやホームページで発信しますので,そちらで確認していただく形になります。直接避難できる場所と協定を結んでおり,調布市としても大学のホールや民間の所で開設できる場所を提供していただけるよう動いているところです。 ○谷内会長  ありがとうございます。意見具申については多くの意見をいただきましたので,計画策定委員会に提出していただくようにお願いします。それでは,講演会の報告をお願いいたします。 (5) 講演会について ○事務局(障害福祉課)  令和4年度の調布市障害者地域自立支援協議会の講演会の報告をさせていただきます。今年度のテーマは「罪を犯した障害のある方のその後の地域生活」で,罪を犯してしまう障害のある方の状況を市民の皆様に理解していただき,地域で温かく見守る土壌を作っていくことを目的としております。今回も,昨年に引き続きオンデマンド配信の形で2月1日から1か月間公開する予定です。 講演の内容は,第1部は武蔵野大学人間科学部社会福祉学科の木下教授の基調講演と罪を犯した障害当事者の方の現在の支援の実践についてインタビューの動画放映,第2部では木下教授と内閣官房で障害者雇用専門支援員や法務省若年受刑処遇プロジェクトアドバイザーなどをされている加藤公一様とのトークセッションを行う予定になっております。 ○谷内会長  ありがとうございました。それでは全体会は終了し,障害者差別解消支援地域協議会を行いたいと思います。事務局からお願いします。 (6) 障害者差別解消支援地域協議会 ○事務局(障害福祉課)  差別解消協議会の中では,相談事例があった時に内容を共有し,国や都からの情報を共有する場にさせていただいています。  今回の相談内容は,障害をクローズで働いていた方から,職場に感覚過敏があるということを伝えたところ,それに対して快く対応してもらえなかったという相談でした。白いものを見ていると目が疲れてしまうのでサングラスをかけさせてほしいと伝えたが,拒否された,紙の上に色付きの下敷きを置きたいと伝えたがそれも断られたという内容でした。クローズで働いている方なので障害者の合理的配慮としてどこまで踏み込んでよいのか悩みどころでした。  御本人の希望により職場の担当の方に連絡したのですが,サングラスに関しては真っ黒なものは避けてほしいが色付きの眼鏡であれば良いと伝えたとの返答でした。下敷きについては,国の委託契約にかかる業務を行っている都合上,私物を持ち込んではいけない事情を話したとのことでした。担当の方と御本人でお話してもらい,就労を継続しているという経緯がありました。それ以外の相談はありませんでした。  東京都手話言語条例にかかる資料をお配りしました。こちらには東京都の責務や都民の利用者の役割等,主な施策が詳しく記載されています。また,デフリンピックが日本開催決定ということが載っておりましたのでその案内も配布いたしました。 ○谷内会長  以上3点について報告いただきました。今回,たくさん地域課題が挙がり,口頭でも追加でお話をいただきました。非常に貴重な皆様の意見が文字化されておりますのでこれをどう形にしていくかが大切であると思います。  そのためには,次年度のワーキングの中に組み込んでいくということと,計画の中にも反映していけるところもあるのではないかと思いますので,有効に活用していただければと思います。地域課題については,事務局で次年度のワーキングテーマを選んでいただくことになると思いますので,一任いたします。 〇事務局(障害福祉課)  事務局の方から委員の皆様に御了承頂きたい案件があります。毎年東京都における自立支援協議会の動向について調査があり,各自治体が自立支援協議会の議題内容やワーキング内容等を報告しています。その内容が集約されて冊子となっているのですが,その中には自立支援協議会委員名簿もあり,他市では委員の方々の個人名を公表しています。調布市では,これまでの慣例に従って役職や所属のみを公表していましたが,今回委員の皆様の御了承を頂けましたら,来年度以降は公表していきたいと考えています。もし,個人的な理由で個人名の非公表を希望される場合は対応いたしますのでお申し出ください。よろしくお願いいたします。 (7) 閉会の挨拶 〇事務局(ドルチェ)  次回の第3回の全体会は令和5年3月16日木曜日14時半から,場所はたづくりの大会議場で行う予定となっておりますので,よろしくお願いいたします。以上をもちまして,令和4年度調布市障害者地域自立支援協議会第2回の全体会を終了させていただきます。ありがとうございました。