令和4年度 第5回調布市文化財保護審議会会議録 (抄) 【日時】令和4年9月28日(水)午後2時から午後4時 【場所】調布市郷土博物館会議室 【出席】6人 稲葉会長,石川副会長,木下委員,八木橋委員,佐藤委員,岩澤委員 【欠席】1人 生駒委員 【議事】 事務局:「令和4年度第5回調布市文化財保護審議会」を開催します。まず「調布市文化財保護条例」第45条の規定に基づき,会議の成立を確認します。委員定数7人のうち,出席委員6人,欠席委員1人で,委員の過半数が出席していますので,この会議は成立します。 1 郷土博物館長挨拶 (早野館長)御審議よろしくお願いします。 2 事務局報告 (会長)それでは事務局報告をお願いします。御意見,御質問は報告の後に一括して伺います。 (1) 市指定有形文化財「深大寺山門」茅葺屋根修理事業について (事務局)屋根の解体が終わり,葺き替え作業を行っています。現況断面図と改修の断面図,茅屋根の負担等から薄くしています。現地視察では,稲葉先生から資料をもとに御説明いただきます。10月16日に作業終了予定で概ね順調に進んでいます。また,山門が少し捩れているので,対応については今後検討してまいります。 (2) 市内発掘調査について (事務局)若葉町遺跡第225地点の宅地造成に伴う本調査は,はじめに209地点の道路部分を試掘,その時竪穴住居跡等が確認されています。9月15日の試掘調査で住居跡が確認され,9月27日から本調査を10月中旬目途に行ってます。道路を挟んで向かい側を9月26日に試掘し,こちらでも住居跡が3・4件見つかっています。225地点と並行する形で本調査の調整をしています。 (3) 国史跡下布田遺跡史跡整備事業について (事務局)8月25日に第1回(保存活用整備)検討委員会が行われました。資料は令和9年度までの短期整備についてスケジュールにしたもの。今年度は基本設計を実施します。また市民意見を反映させるため市民ワークショップを実施しました。令和5年度は実施設計を行い,令和6年度から工事を行います。公園東側から工事をはじめ施工状況により部分開放を検討。今,分室があるガイダンスゾーンについても同様の期間工事を実施します。令和9年度には史跡全体の説明看板等の設置を行う予定です。  今年度は検討委員会を全3回実施予定で,11月の第2回では展示の方向性等ガイダンス施設の基本設計の素案,第3回では基本設計の合意形成と検討してまいります。また市民ワークショップでは,整備に当たって地域との関連,ボランティア活動の活用検討について話し合いました。 (4) 東京文化財ウィーク2022企画事業について (事務局)東京都教育委員会で毎年実施している。10月1日から11月30日の期間で,調布市では6件あります。収蔵品展「調布ゆかりの美術~市川銕琅・関野凖一郎~」「文化財見学会(深大寺と深大寺城跡を巡る)」「幕末から近現代を歩く(調布飛行場他)」「文化財講演会(下布田遺跡の時代-縄文時代晩期の人々-)」「自然観察会(下布田遺跡の樹木のはなし)」「伝統芸能実演(三匹獅子舞)」で,合わせて文化財公開事業(国宝釈迦如来他5点),特別公開事業(白百合女子大学めぐみ荘),ガイドステーション(郷土博物館,実篤記念館)の2か所となっています。 (事務局)事務局報告は以上です。 (稲葉会長)ありがとうございました。以上,御報告いただきましたが,何かありますか。 (岩澤委員)下石原八幡神社三匹獅子舞なんですが,場所については新甲州街道と旧甲州街道の斜めのところで,時間は午後2時から4時と聞いております。有形文化財の獅子頭を使って練習をしているというが。 (稲葉会長)緊張感があっていいのでは。 (木下委員)下布田の件で,狛江のところでも同じように,自然データに基づき自然地形を復元できればいいが,東岸側はきちんとしたデータがない。その辺が東京低地との違いになっている。気候変動がどう影響したかなど,そういう視点で見ていく。今後の課題になってくる。多摩川住宅などでも住居跡が出て縄文晩期の低地での生活の痕跡が出ているが,下布田遺跡関東ローム層なので漁労具(鹿角等)があまり出ていない。 (稲葉会長)山羊はどこのを使うのか。 (事務局)横浜の事業者で,これまでにもいくつか案件を行っています。廻りに電気柵を張り巡らします。 (稲葉会長)つぎに審議案件に移ります。 3 審議案件 (1) 深大寺所蔵「黄檗版大般若経」の文化財指定について (事務局)前回ご指摘いただいた所について,まだ全ては直し切れていませんが,まず収納箱については,員数の方に「及び収納箱一二箱」とし,制作年代を「江戸時代中期~明治時代」と改めます。指定理由についてもご指摘のとおり修正しております。次回までに完全な形で修正いたします。 (2) 文化財説明板の設置について (稲葉会長)「絹本着色釈迦三尊十六善神図」の文化財説明板の文案について,御確認をお願いします。 (事務局)前回ご指摘いただいた所について,まず2行目「明治時代に活躍した狩野派の画家」とし,暁斎の後に年号(一八三一~一八八九年)を入れました。14行目「寄進」とあったものを「奉納」と直しております。最後の行,「貴重な資料」となっていたものを「貴重な文化財」としました。 (稲葉会長)年表と違い「十六善神図」を先に描いてもらっている。「繊細,実直な描法」とあるものを「繊細な描法」とした方がいい。「慶応元年深大寺火災の翌年九月に」とあるものを「深大寺火災の翌年に」として,「慶応元年の大火後,」を「慶応元年(一八六五)の大火後,」に直したらいい。6行目の「左右に普賢菩薩,文殊菩薩の」を「左に普賢菩薩と右に文殊菩薩の」とした方がいい。 (事務局)分かりました。次回までに修正をし,また確認をお願いします。 (稲葉会長)以上で審議が終了です。 4 その他 (1) 次回開催日について  次回第6回の開催日は,令和4年11月10日(木)午後3時からです。それでは,これから「深大寺山門」茅葺屋根修理について,現地視察にまいります。                              以上