陳情文書表 (平成29年2月20日受理) 受理番号 陳情第73号 件名 外環道沿線住民の緊急時避難計画策定について国への意見書提出を求める陳情 付託委員会 広域交通問題等対策特別委員会 (陳情の趣旨) 「東京外かく環状道路」(以下「外環道」「外環」という)本線トンネルのシールド機掘進開始に当たり、万一の陥没事故、地盤沈下事故に対応した、実効性を伴う避難計画を事業者が策定するよう、国に対して意見書を提出していただきたく、陳情いたします。 (理由) 福岡市博多駅前で昨年11月8日未明に発生した大規模陥没事故では、作業員が気づいて避難したわずか15分後に、歩道や信号機、さらには道路が地中に吸い込まれ、瞬く間に30メートル四方にも及ぶ巨大な陥没となりました。博多の場合は、道路下の工事であり、交通規制ができたため、事故による死傷者がいなかったのが、不幸中の幸いです。住宅街直下で起きたらどうなるでしょう。 現在も博多の事故原因は調査中ですが、2月10日付西日本新聞朝刊では、「事故前日から、トンネル上部岩盤の圧力が、現場点検と市への報告が義務づけられた管理値レベル1を超過していたにもかかわらず見過ごされ、事故を未然に防止できる機会を逃した可能性がある(要旨)」ことを伝えています。 外環の工事は24時間体制です。多摩の水源地帯を抱える軟弱な地盤の外環予定地の中でも、調布市緑ケ丘1丁目付近は、浅深度(地下8メートル~40メートル)にランプトンネル2本、大深度(40メートル以深)に本線トンネル2本の計4本のトンネルが通る、特にリスクの高い地域です。さらに京王線から甲州街道の間には、世界最大級の難工事と言われ、いまだ工法も決定していない地中拡幅工事が予定されています。私たちは、眠っている最中にも住宅が地中に引きずり込まれるのではと恐怖にさいなまれています。 2017年2月2日から7日にかけて、世田谷、三鷹、武蔵野、調布の各区市で、東京外環本線トンネル掘進工事説明会が開催されました。そこで繰り返し住民から出された質問は「博多駅前のような陥没が起こった場合、外環の上に住む住民はどのように緊急連絡を受け、避難すればよいのか。計画は立ててあるのか」ということでした。ところがシールド機発進を間近に控えた時点であったにもかかわらず、事業者側に具体的計画がないことがわかり、その後の説明会で、異常時の連絡方法を掘進開始後10カ月間で検討するとの回答がありました。 調布市議会として、外環沿線に暮らす住民の安全確保と不安軽減のために、シールド機掘進開始に当たり、事業者が実効性を伴う緊急時住民避難計画を速やかに立案して、住民に説明するよう、国に対して求める意見書を提出していただきたく陳情いたします。