令和4年度第2回調布市公共交通活性化協議会議事録 開会  定刻となりましたので、只今から、令和4年度第2回調布市公共交通活性化協議会を開催いたします。  本日は、ご多忙の中、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。  本日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、オンライン方式を主としたハイブリッド方式により開催しております。  会議に先立ちまして、委員及び傍聴の皆様に新型コロナウイルス感染症の対策などについて、お願いをさせていただきます。  感染防止のため、会場にお越しのかたは、場内ではマスクの着用をお願いいたします。  会議の終了時間につきまして、15時30分を予定しておりますので、ご了承ください。  オンラインで出席されている委員向けのご案内です。  まず、カメラはオンにしていただき、ご自身が発言する場合を除きミュート設定でお願いします。  また、質問される際は、ズームの手を挙げる機能、又は、チャット機能をご利用のうえ、事務局にお知らせくださいますよう、お願いいたします。  続いて、委員の出欠等の報告になります。  O委員、P委員におかれましては、欠席の旨、ご連絡いただいております。  また、F委員の代理としてG様に、J委員の代理としてK様に、L委員の代理としてM様及びN様にご出席いただいております。  傍聴につきましては、本日、先着順に5人まで受け付けることとしております。予めご承知おきください。  それでは、会長から、一言ご挨拶をお願いいたします。 会長  Aです。本日は、北部地域の巡回公共交通の実証実験について報告があると思いますが、2分から3分いただいて私から身近な交通について少しお話したいと思います。  日本全国どこでも同じですが、コミュニティ交通、デマンド交通あるいはさまざまな交通が入り乱れていますが、その判断がやはりかなり難しくなっています。なぜ難しくなっているかということについて一言申しあげますと、日本の場合ではコミュニティバスが1980年代後半に日野市において高齢者が坂道を通るのが大変だということで循環バスを走らせたという経緯があります。そのご、1995年に武蔵野市では有識者のかたがたによってつくられたコミュニティバスが運行を開始しました。そこでは、住民の意向についてヒアリングをおこなった上で路線を設定し、バス停は200メートル間隔で1回100円というコミュニティバスです。  私は、1988年にスウェーデンのサービスルートという日本のコミュニティバスの原点のようなものを紹介し、それから7年が経ってようやく武蔵野市、そのご、全国に普及していきました。人口密度が高い地域も低い地域でも走るようになりましたが、人口密度が低い地域ではおお赤字という大変な状況にあります。このような流れの中で、現在はデマンド交通が安いから転換するということも多いですが、必ずしもそうではない。デマンド交通は路線バスでは対応できない地域のものであります。  日本では海外と違って民間が交通事業をおこなっているのに対し、海外では公的機関がおこなっています。この差が大きく、本来はコミュニティバスではなく路線バスを再編すればいいと私は思っている。この理由として、路線バスと路線バスの間にコミュニティバスを走らせるという苦肉の策は滑稽であり、路線バスのネットワークを市が構築し、運行会社はどこがおこなってもいいというのが本来のあるべき姿だが、残念ながら民間の経営が介在しているためコントロールできないという悲しい状況にある。  今、鳥取で携わっている事業では、バス会社とタクシー会社とNPO法人が運行していたものを一元化して、どこでも予約できるデマンド交通の体制にこぎつけることができた。次の段階は、3しゃが合同の経営タッグを組んでおこなっていくというものだが、これは地方だから可能であり、東京では難しい可能性がある。  このような状況にあって、調布市の北部地域巡回公共交通も路線バスと路線バスの間の補完あるいは交通が十分でない地域ではバスではなくタクシーで十分であるという議論なしに進めてきたという経緯があると思われるため、多様な選択肢があるということを頭に置きながら議論をしていただけると幸いです。 事務局  ありがとうございます。それでは、議事にはいります前に、資料の確認をお願いいたします。  本日の資料は、次第に記載しておりますとおり、資料1、委員一覧、資料2、調布市公共交通活性化協議会設置要綱、資料3、北部地域巡回公共交通、かっこ、実証実験について、新型コロナウイルス感染症の対策について、になります。お揃いでしょうか。  それでは、以降の議事の進行を会長、よろしくお願いいたします。 会長  それでは、議題にはいります。北部地域巡回公共交通、かっこ、実証実験についての説明を事務局からお願いいたします。 議題、北部地域巡回公共交通、かっこ、実証実験について 事務局  本日は、これまでの実証実験の実績を報告するとともに、運行開始から約9か月が経過する中で、他自治体や事業者へのヒアリング等を踏まえ、今後の検討の方向性等について整理いたしましたので、ご意見等を伺えればと思います。  それでは、資料3の2ページをご覧ください。  初めに、北部地域巡回公共交通、かっこ、実証実験の運行を開始した経緯を改めて説明します。  調布市ミニバス北路線は、調布駅北口バス停と、今は存在しませんが、柴崎折返じょうバス停間を結ぶ路線として平成18年10月から暫定運行を開始しました。  そのご、道路等の条件が整ったため、平成24年1月からミニバス北路線の全線運行を開始しました。調37系統もこのときに運行を開始しました。  調37系統は、新型コロナウイルス感染症拡大等による影響から、令和2年11月にダイヤ改正がおこなわれ、1にち16便から17便だった運行本数が1日2便から3便と大幅に減びんとなりました。  沿線地域の地元自治会等との意見交換などを経て、通院や買物のために、地域の公共施設やクリニック、スーパーなどを巡回する公共交通の検討を開始しました。  そのご、アンケートや沿線地域の自治会等との意見交換、関係機関協議を実施したのち、令和4年1月28日から、本実証実験を開始しました。  なお、実証実験の期間はおおむね1年間としています。  続いて、3ページをご覧ください。  実証実験の概要を説明します。実証実験は、ミニバス北路線、調37系統の減びんに伴い、影響を受けた高齢者等の移動手段として、深大寺きたまち、深大寺ひがしまちを中心とした地域の交通ニーズを把握することを目的に開始しました。  運行日時は毎週火曜日と金曜日の午前9時台から午後3時台までの計7便、運賃は無料、定員は乗務員を除き10人、運行は京王バス株式会社に委託しています。  運行事業の種類は道路運送法に定める一般貸切旅客自動車運送事業で、運行態ようは路線定期運行です。  また、運行開始じは65歳以上のかたを対象としていましたが、更なるニーズの把握のため、令和4年10月4日の運行から、年齢制限を撤廃し、65歳未満のかたも利用できるようになりました。  次に、4ページをご覧ください。前回協議会でも示していますが、運行ルートになります。  ブランチ調布の公共施設部分、ふじみ交流プラザの開業に合わせて、令和4年5月17日からブランチ調布を、令和4年7月1日からクリエイトバス停も経由しています。  これ以降、乗降場所すうの変更はなく、現在は18箇所の乗降場所があります。  続いて、5ページをお願いします。本実証実験の利用状況を説明します。  まず、ページ上段の図1をご覧ください。延べ利用者すうの日別の推移をまとめたものです。  運行開始から6月ごろをピークに、減少しています。  また、日付が赤い日は祝日を、グラフの色が青色の日は雨の日を示していますが、休みの日や天候による増減はあまり見られません。  ページ下段のグラフをご覧ください。  こちらには、1便当たりの平均利用者すうを示しています。  1便当たりの利用者すうも、6月の5.6人をピークに3人台まで減少しています。  そして、10月7日までの73にちかんの延べ利用者すうは、2004人、当該利用者すうの1にち平均は27.5人、当該利用者すうの1便平均は3.9人となっています。  続いて、6ページをご覧ください。  地域公共交通は、鉄道やバスといった既存の公共交通を補完する交通手段とされていますが、北部地域における交通の利便性向上のためには、多様な地域公共交通の検討が必要と考えています。  そこで、道路運送法に定める運送態よう、即ち、運行の仕方ごとの概要を紹介します。のちに、態ようごとの事例を紹介します。  まず、路線定期運行についてです。これは、決まった路線、かっこ、ルートを、決まったダイヤ通りに運行するもので、定時定路線型交通とも呼ばれています。身近な例は、路線バスで、現在の本実証実験もこれに該当します。  2つ目は、路線不定期運行です。路線定期運行と同様、決まった路線を通りますが、ダイヤは決められておらず、需要、即ち、予約に応じて運行するものです。  最後に、区域運行です。これは、ルートもダイヤも定めず、予約があった際に、定めた区域内を当該予約に応じて運行するものです。  路線不定期運行と区域運行は、合わせてデマンド型交通とも呼ばれています。  なお、デマンド型交通を導入する場合は、一定の手続を経て、この協議会で協議を整える必要があります。  続いて、7ページをご覧ください。  定時定路線型交通は運行方式が1つでしたが、デマンド型交通は運行方式が4つあるとされています。  そこで、その4つの運行方式の概要を紹介します。  1番の定路線型と2番の迂回ルート、エリアデマンド型は、基本的にルートが定まっています。  他方、3番の自由経路ミーティングポイント型、4番の自由経路ドアツードア型は指定の停留所や任意の場所の間を需要に合わせて結ぶものです。  都内に着目すると、三鷹市、あきる野市で3番の自由経路ミーティングポイント型のデマンド型交通が導入されています。  続いて、8ページをご覧ください。定時定路線型の地域公共交通の事例を紹介します。  まず、ページ上段の調布市ミニバスです。平成12年から運行している定時定路線型交通に該当するコミュニティバスで、西路線、東路線及び北路線の3路線を運行し、また、定時定路線型交通の典型例になります。  次に、ページ下段の神奈川の横浜の山下地区ささえあいバスについてです。こちらも定時定路線型交通に該当します。ただし、この事例は、運行主体がバス事業者ではなく、地域のかたで、いわゆる、ボランティアバスになります。  続いて、9ページをご覧ください。次は、デマンド型の地域公共交通の事例を紹介します。  ページ上段のあきる野のチョイソコあきる野についてです。こちらは、事業主体があきる野市ではなく、民間事業者になる事例です。当該事業主体が民間事業者の基金を活用して、タクシー事業者、あきる野市内の協力事業者及びあきる野市と連携して、実証実験に取り組んでいます。  次に、ページ下段の北海道のとかちのおおぞライナーについてです。こちらは、当該地域のバス事業者が取り組むデマンド型交通で、利用者の自宅とバス停とを結ぶ形式で実施しています。そして、こちらの事例は、利用に際しての予約に対する懸念を払拭するため、地域のかた向けに説明会や体験乗車会などを開催し、地域で交通を育てるということを掲げて利用者の拡充を図った事例です。  それでは、10ページをご覧ください。これまでに調布市に寄せられた意見、要望等をまとめました。  乗降場所の充実や改善、逆回りルートの運行、運行曜日や運行時間の拡充やミニバスの増びんなどについて寄せられました。これらの意見等を踏まえ、検討を進めていきたいと考えています。  続いて、11ページをご覧ください。  定時定路線型交通と、デマンド型交通それぞれについて、これまで、おこなった他自治体や関係事業者へのヒアリング内容を踏まえて、利用者、運行事業者等の視点で、丸や三角などにより、取りまとめました。  運行ルートでは、行きたい地点間をつなぐことができるという点で、デマンド型交通が有効です。  一方、利用方法に着目すると、事前に電話やスマ-トフォンアプリで予約する必要があるため、決まった時間に乗降場所に行けばそのまま乗れる定時定路線型交通が有効です。  また、北部地域は、住宅がいで細い道路が比較的多く、定時定路線型交通を運行するためには、交通安全上の観点から、ルートの決定や乗降場所の選定等に多くの制約があります。  デマンド型交通についても制約がないわけではありませんが、乗降場所の選定、設置において、民間事業者等の協力を得て、利便性を高めることもできます。  それでは、12ページをご覧ください。  以上を踏まえ、今後の方向性を説明します。  これまで、地域のかたがたからは、行きたい場所に行けないことや増発などの要望をいただいております。  他方で、利用者が減少傾向にあること、道路の幅員が狭いなどの制約がある状況です。  増びんや逆回りルートの増設などをおこなう場合には、これらの課題に対応するための協議の調整時間のほか、運行費や工事費等の事業費の増加といった課題もあります。  参考として、現在の北部地域巡回公共交通の実証実験に掛かる大まかな運行経費をページ右下のひょうで示しています。現状の平日二日の運行でも、年間650万円、参考までに1にち当たりの運行経費に換算すると6万円以上となります。運行曜日を増やしたと仮定すると、年間の運行経費は表に示したとおりとなります。  そこで、今後は、事業費や協議の調整時間を踏まえたうえで、地域の希望にも沿うことができる柔軟な運行に対応できる手段の検討が必要であると考えています。  最後に、13ページをご覧ください。  現在、調布市では、利用状況の把握や他自治体のほか、関係事業者に対し、ヒアリングを実施しています。このヒアリングを踏まえて、地元住民のかたと意見交換して参ります。  また、引き続き、アンケートやヒアリング調査の実施を通じて利用実態を把握し、今後の有償化による実証実験に向けて、地域のニーズによりこたえられるように、定時定路線型交通とデマンド型交通の運送態ようを含めて、検討していきたいと考えております。  続いて、今後の方向性についてお伝えします。  現時点では、枠の中に示しているとおり、巡回公共交通の利用実態調査を今年度もおこなうとともに、他自治体や運行事業者、システム事業者等に対してヒアリングを実施し、各ヒアリング内容を整理し、地元住民のかたと意見交換します。  その後、運送態よう、かっこ、定時定路線型交通又はデマンド型交通や事業者の選定、乗降場所案の選定や地先交渉、交通管理者との協議などを予定しております。  説明は以上になります。 会長  ありがとうございます。ご意見、質問のあるかたは挙手をお願いします。 D委員  この路線ができた経緯は、ブランチ調布ができたためか、北部地域のミニバスが減びんになった分の補填なのか、地域の高齢者の通院や買い物の補填を目的とした路線なのか。  バスに乗車してから時間がかかるという意見があったのを覚えており、鉄道駅に直接行くことができないが、いかがなものか。  また、この地域のまちづくり会議のかたがたがこの会議に入っておらず、実感など地域のかたがたの声を聴いてみたいと思う。 事務局  資料2ページに実証実験の経緯を掲載しており、今回の実証実験は、令和2年11月のミニバス北路線の大幅減びんを踏まえ、これに対応するということで地域のかたがたとも協議をおこない、主に高齢者が地域の中で買い物や通院目的で地域の中を巡回できるようなものを考えられないか、ということで、昨年度から検討をおこなっています。  また、住民参加については、対象地域である深大寺きたまち及び深大寺ひがしまちの住民へのアンケート配布や地域の団体のかたと協議したうえでルートを設定し、実証実験を開始しました。今後も実証実験を続けていくに当たって、今後の方向性についても地元のかたがたと相談して決定していきたいと考えています。  駅へのルートにつきましては、この事業が目的としているのは地域の中での巡回ということであるため、また、路線バスが鉄道駅と接続しており民間事業者が運行しているため、民業圧迫とならないようにルートを設定しています。 会長  駅へのルート設定は非常に重要であり、民業圧迫になるという点について、路線を全て市が計画して民間事業者と住み分けの調整ができていれば問題なく行けるはずである。これは、日本どこでも起きているコミュニティバスの現状です。運営を民間事業者に全て委託すれば駅まで運行できる可能性はあるが、配慮が非常に困難なところではあります。  他にいかがですか。 C委員  Cです。この対象地域の代表として出席しています。  この段階までに、いくつか問題点があります。今は週2便で、地域のニーズをアンケートから現在に至っていると思うが、アンケートでは、火曜日と金曜日という答えが確かに多かった。しかしアンケートのありかた、特にどのようなつもりでアンケートに答えたのかというのが疑問である。何曜日に使いますかと尋ねたから、比較的回答の多かった火曜日と金曜日になった。しかし、そもそも毎日運行の定時定路線であると想定した上で多く使う曜日を回答した住民がほとんどであったと思う。  実証実験開始の1月から10か月が経って、当初スタートした路線からほとんど変わっておらず、比較検討のしようがない。  また、火曜、金曜の運行で地域の需要を満たし、生活に根付いているのかどうかも様々な意見がある。  駅へのアクセスについても住民側から意見は強く出ていた。なぜかと言えば、路線バスが1本増えて当該地域においては駅へのアクセス性が高まったものの深大寺ひがしまちからきたまちまでの横向きのアクセスが不便であるという意見があり、巡回という発想となったという経緯がある。ミニバス北路線はなくなったわけではなく、北部地域での利用が少ないので今のような9割減びんという形になった。このような経緯から現在の巡回公共交通になっている。  今後のありかたを踏まえて、デマンド交通について説明があったが、ここでも問題が1つある。情報を取りに行ける人が多ければ問題ないが、インターネットなど情報に疎い人が中心であるコミュニティ交通において本当に有効かどうか。  また、仕組みを作る側の論理ばかりが多く、利用する側の視点のとりまとめが十分ではないと感じている。  まだ途中段階ではあるが、今後どうなるかは関心があるところです。 会長  意見をいただきましたが、まず、データを見てみたいと思います。資料5ページの1にち当たりの利用人数をみると、最も多いと54人、最も少ないと10人となっている。次に、資料12ページの1にち当たりの運行経費を見ていただきたい。1にち当たりの運行経費が63107円、これを54人で割ると一人当たり1168円、10人で割ると6310円となります。一人運ぶのに6300円もかけていいのかという問題があります。  私の経験じょう、バスに乗らない人が多い田舎では、1番高額な例でも一人当たり4083円である。それと比較して、この大都市でこれだけの人数しか乗らず6310円というのはとてもひどく、普通はバスを運行しない。このような状況を見てほしいと思います。平均ちである27.5人で計算しても、一人を輸送するのに2337円である。普通のバス会社であれば、バスを運行することはない。デマンド交通にしても同じで、何を運行しても費用はかかる。何を運行しても費用がかかる地域に市が税金を使って、市民の負担がごくわずかということになったとしても、他にも同じように交通不便地域があれば調布市が破産してしまう。バス経営という視点が抜けているので、モビリティにはお金がかかるということを認識しなければ、自分が乗らなくてもバスを通して欲しいと要求することになってしまう。本来であれば、一定の負担、一人当たり2000円くらい負担しなければならないということになる。1番安い日でも一人当たり1168円なので、これは、タクシーで駅まで行けてしまう。このようなことも含めて議論をしていただきたいです。 E委員  Eです。  資料12ページに年間経費の数値があるが、これは、京王バスから提示された経費なのか、経費をつみあげて計算したものなのか教えていただきたい。つみあげたものであれば、固定費と変動費に分けられないのか。バスの購入費や人件費、ガソリン代など。 会長  一般的に、車両は2000万円くらいで、1回運行すると運転手の人件費が安くても500万円は最低かかります。ガソリン代は200万円から300万円ほどと想定されます。根拠や内訳の詳細は事務局に伺いたいと思います。 事務局  具体的な金額の内訳は、京王バスさんから補足していただければと思いますが、貸切で運行する際の基準の金額から運行日数などを勘案して算出していただいたものです。  今回、この地域で運行している10人定員の車両は、京王バス株式会社が所有する車両を活用できたので、車両の購入費は含まれていません。もし、新規で車両を購入するとなると、先ほど会長からお話しいただいたような金額がさらに見込まれることになります。 H委員  Hです。  今手元に具体的な資料はありませんが、感覚として紹介したいと思います。バス運営の経費の大半、6割から7割ほどは人件費となります。はっきりとは言えませんが、車両の金額や燃料代は会長が仰った金額と大きく変わらないと思います。  最も大きい人件費について、もう1つ考えかたを補足させていただくと、先ほど1にち当たり27.5人という数字があったと思いますが、1か月で考えると27.5人かける30日で利用者が825人となり、運賃を200円として掛けると165000円となります。これで運転士一人を雇えるかというと、毎日運行だとすると運転士一人では運用できないので最低でも2人必要です。それを2つで割ると約8万円となり、月給8万円で誰が働きますか、という話になってきます。  デマンド交通に関しては勉強中ではありますが、どんなに多く乗っても1にちに10人くらいしか乗らないので、収支はどう考えても黒字にはならない。なので、黒字にならない部分を誰がどのように補填するのかというのが課題であると思います。 会長  ありがとうございます。  路線バスで成り立たない、デマンド交通だともっと成り立たない、ではどうするのかというお話で、市役所にすべて補填させるというのはもう限界に近いのではないか。このような限界の中でも調布市は努力してきた。その結果、おお赤字を北部地域に振りまいている。これをこのまま運行すると、ずっと赤字が続くと思う。北部地域の人たちがその赤字を全市民に慣らして払ってもらっていくことを選択するかどうかもある。採算のほか、どこまで自分たちで負担するのかをきちんと考えて交通手段を選択する。例えば、自動車をやめてその分50万円を市役所に寄付し、デマンド交通を導入するなど。私も自動車をやめました。  高齢者がどうしたら地域で生活するのに公共交通やじてんしゃを使って過ごせるかを実験的に考えているところです。国際的には高齢者や障害者向けにデマンド交通などの施策をおこなっているが、なぜか日本では無視されている。  また、このような人たちこそデマンド交通が必要で、そうではない人たちは自分のお金でタクシーを使うという考えかたもある。どこまで自治体が面倒を見るかを調布市が決めていないから市民に言われるままなんとなく続けた結果、こんなにも赤字であるという結果が今日の説明でありました。  なので、北部地域では路線バスを維持するのは難しいということを前提に話しましょうというのが本日の資料と議題です。ただし、一切路線バスをやめるかという議論はもう少し先の話で、赤字だからやめる、というのではなく、市民のモビリティをどのように守るのかという視点を持って議論を進めていただきたい。 I委員  Iです。  このようなコミュニティバスやデマンド交通を実行するに当たって、議論としては黒字になるか必ず議論となります。他の地域の公共交通会議を見ていても、黒字のところはほとんどなく、どこも赤字です。ただし、そもそもなぜこのような地域公共交通をおこなうかという目的を考えると、交通空白地域の救済が1番の目的となっているので、やはり行政のほうで市民のかたがたへのサービスという覚悟を決めてやる必要があると思います。なので、損得を考えると、とくになるわけがないというのが結論だと思います。  また、資料5ページの利用者の推移をみると6月がピークとなり減っているが、この理由が分かれば教えていただきたい。 会長  市民のモビリティをどのように守るかという視点を持つ必要があることと、6月をピークにしてなぜ下がっていくのかということですね。 事務局  6月がピークになっている点については、ブランチ調布という商業施設が4月にできて、5月に公共施設が開設されました。それに合わせて地域にポスティングをした効果が大きいと考えています。利用者から実際に直接意見を聞いたところ、チラシを見て乗っていると答えた人がいらっしゃったので、チラシによる効果は一定数あったと思っています。その後の利用者が減った理由は把握しきれていません。 I委員  無料の運行であれば普通は利用者が増えていくと思われるが、そうなっていないので6月以外の利用者が通常のポテンシャルと考えられる。 事務局  行きたいところに行けないというのがあるのではないかと考えております。 会長  アンケートをおこなっても、出発地と目的地のニーズをこのバスがカバーしていないから、その結果が利用者の数字として出ている。駅へ繋がっていれば違ったかもしれない。 D委員  デマンド交通はあきる野市や三鷹市でおこなっているとのことですが、収支を考えた時に他の都市では運賃が200円でおこなっているというのはどういうことでしょうか。 会長  もちろん赤字でしょう。半分か3分の2が市からの補填となっており、これはコミュニティバスなどにおいて普通です。  バスに対して車両費なども考えると市民が6000円くらい払わないと黒字にはなり得ません。つまり、赤字をすべて税金で補填するか、交通事業者が賃金を下げて対応しているというのが日本のバスの現状です。三鷹市でも本来であれば800円は必要で、あきる野市ではボランティアの労力もひっくるめて赤字分をできるだけ少なくしようと努力しています。  副会長、ご意見ありますか。 副会長  Bです。  全般的に調布市は努力していると思います。一方で、不足しているのは、先ほどから議論されている中でもありましたが、一言で申しあげるとノーニーズ、ノープレゼンテーション、ニーズのないところで商売しないほうが良いということです。もう一つは、まちづくりの発想が不足しており、エスディージーズの中でも作る責任、使う責任というものがありまして、使う側の責任の重要性について交通分野では不足しています。利用者側がサービスをどのように受け取っているのかということを見つめ直すいい機会だと思います。  資料でも紹介されていたとかちバスのおおぞライナーでは、バスに乗ったことのない人に対して乗車体験で乗りかたを教えています。乗ったことがなくて遠慮している人たちに乗りかたから教えていく、つまり、教育をおこなっており、それも上から教えるのではなく一緒に学んでいくという姿勢で、交通を育てるという気概を持っている。それを市民のかたがたが受け取り、乗ってみようという形に持っていったという事例です。このような考えかたを醸成していくタームに入ったのではないか。公共交通の話題を地域の中で考えていくのであれば、ぜひ市民側へのアプローチを考えるべきだと思います。市民向けのプログラムを考えていくと良いと思います。 会長  ここまで努力するのは大変なことで、とかちバスでは社長自ら地域住民のところへ行き、一人一人にバスに乗りませんかと声をかけました。このような努力をおこなったのがとかちバスの事例です。  調布市については、住民がどこまで負担するか、誰がどれくらい利用するかというのが見えてきて、運行に必要な負担を理解していただくのがよろしい、というのが副会長の意見だと思います。調布市だけが責任を取るのではなく使う側の責任を少し取って欲しい、まちづくりではこのような考えかたがあり、交通でも同じように考えましょうというご指摘でした。  今後について、これはいつまで運行する予定ですか。 事務局  今年の1月からおおむね1年程度は無料の形態で運行していく予定です。そのごについては検討を進めております。 会長  今後は周辺住民の意見などを参考にしながら、調布市で方向性を再度考えていただきたい。 C委員  Cです。  地域公共交通活性化協議会の中に、部会のようなものを作ってほしい。住民の意見をとりまとめるような会議が必要である。この本会議はねんに数回しか開かれないため、特に新たな課題に対して、本協議会にかける前に住民部会で勉強をしながら理解を深めていき、地域の需要をまとめられると良い。 会長  北部地域で新たに交通計画を立てることになれば、ワーキンググループなどが必要な段階になったら、部会の設立はやぶさかではないと思います。必要性が高い場合には必ずやったほうが良いと思いますので、調布市の状況をみて、委員会か調布市の判断か、あるいは住民からの強い要求があれば検討する状況になると思います。 L委員代理M様  Lの代理で出席しているMです。オブザーバーのNから発言させていただければと思います。 L委員代理N様  Nです。  先ほど、この実証実験は1年間で終わるとのことでしたが、音声トラブルによりその後が聞こえなかったので、もう1度教えてほしいです。 事務局  今年の1月から無償での実証実験を開始しておりまして、当初より1年程度は無償の形態で運行するとアナウンスしております。その後は有償に切り替えていく予定ですが、その手法については検討段階にあります。 L委員代理N様  有償に切り替えるタイミングでは、あいだが空くことになるのか。それとも、1月に無料期間が終わり、そのまま有償で継続することになるのか。 事務局  その点については、様々なことを勘案しながら検討したいと考えております。 会長  有償への切り替えも地域公共交通活性化協議会のマターになると思いますので、はっきりしておきましょう。 L委員代理N様  有償に切り替えるとなると、運輸局からの許認可が必要になるため、協議をどのように調えていくのかがよく見えてこなかった。現段階での予定を教えていただきたい。 事務局  地域のかたとの話し合いも含めて、さまざまな条件がととのってからと考えております。 会長  無償での運行を継続して、その間に地域公共交通会議が開催されいつから有償となるかを決めるという段取りになると思うが、その際には国への届け出など事務的な手続きがあり、すぐには有償に切り替えられないという指摘ですよね。 L委員代理N様  具体的には、協議をととのえて申請をいただいてから審査期間が2か月程度はかかるということだけ認識していただければと思います。 会長  1月にこの委員会を開催するとしたら有償への切り替えは4月以降になるというスケジュールですね。 L委員代理N様  そうです。ありがとうございました。 会長  北部地域の今後についての懸案事項と、先ほどC委員のおっしゃったとおり、市民への説明や意見交換について重要であると思いますので、時期が来たら手厚くおこなってください。  無料から有料に切り替える際にはスケジューリングが大切なので、調布市でしっかり進めてください。 事務局  ありがとうございました。  次回の第3回協議会は、11月18日(金曜日)午後1時30分からオンライン形式を主としたハイブリッド形式で開催いたします。対面形式で出席をされる場合は、調布市文化会館たづくり12階大会議じょうが会場となります。 閉会  委員の皆様には、スムーズな進行にご協力いただきありがとうございます。  以上をもちまして、令和4年度第2回調布市公共交通活性化協議会を終了いたします。ありがとうございました。 以上