令和4年度 第3回調布市高齢者福祉推進協議会 議事要旨              令和4年11月24日(木)午後6時30分から          文化会館たづくり12階 大会議場 1 開会 2 委員・モニター員・事務局紹介 3 議題 (1) 各種調査について (2) 地域包括支援センターの機能強化について (3) 在宅医療相談等の充実について 4 その他 (1) 提出物の確認について (2) 第4回推進協議会等について 5 閉会 1 開会 2 委員・モニター員・事務局の紹介 3 議題 (1)各種調査について 【事務局説明】 ○事務局 これまでの推進協でも説明してきたとおり,今年度は,来年度の計画策定に向けた基礎資料となる各種調査を実施しています。途中経過等含め改めてご報告いたします。  まずは,「1市民福祉ニーズ調査」についてです。第1回推進協でご報告した調査となります。資料に記載のとおり,この調査の目的は,市民の生活実態や地域福祉に対する意識・意見・ニーズ等を把握し,計画策定の基礎資料とするものです。対象は,市内在住の65歳以上の方,2,000人となります。その他の対象者は記載のとおりです。調査期間は,10/13~10/31,約2週間実施いたしました。こちらは,今年度中に報告書としてまとめる予定です。また,調査票については,委員・モニター員の皆様からいただいたご意見等も踏まえ,資料3-2の内容で調査を実施しております。  ここで,皆様からいただいたご意見をまとめて紹介させていただきます。  「全体的に設問が多い」,「地域に関する項目は話す頻度や機会・きっかけを詳細に聞くべき」,「心のバリアフリーの推進に関する設問はあいまい」とのご意見に対しては,設問数を減らすことを最優先とし,より詳細な調査となる設問は今回見送らせていただき,心のバリアフリーに関する設問は削除しております。  「デジタルよりも紙媒体の発信に力をいれて欲しい」,「デジタルも重要だが高齢者向け情報誌等が必要」,「デジタルの設問は分かりにくいので見直すべき」とのご意見に対しては,今回の市民福祉ニーズ調査からデジタルに関する設問を全て削除いたしました。ただし,デジタルに関しては,高齢者でも若年層ほど年々使用率が高まっており,今後の施策を展開するうえでは欠かせないツールでもあることから,この後(2)で説明する介護予防・日常生活圏域ニーズ調査で実施させていただきます。また,紙媒体については,デジタル施策とは関係なく今後も必要なものであり,広報媒体としても効果的なものであると認識しております。当課でも高齢者向けの冊子等発行しておりますので,引き続き,紙媒体についても充実を図ってまいります。  「生活困窮に関する設問を設けて」とのご意見については,介護予防・日常生活圏域ニーズ調査で一部調査を実施する予定です。  「高齢者を年齢で分けるのではなく,その経験・知識を「有価の就労」として広げて欲しい」とのご意見については,高齢者の就労を支援する「シルバー人材支援センター」とも情報共有するとともに,その活動を支援してまいります。  「自由コメントに対する市の対応を開示して」,「課題抽出・分析結果,施策との結びつきの公開を」とのご意見については,市としても自由コメントについては全て把握しておりますが,大量で大変多岐に渡る内容ともなりますので,施策との結びつきの公開等含め,公表の方法・見せ方については今後検討し,見直しを図っていきたいと考えております。  「対象者を市民,高齢者,障害者・児に区別した理由は」とのご質問についてですが,市では子どもから高齢者まで誰もが安心して暮らせるまちづくりを推進しており,本調査はその取組の一環となります。今後のまちづくりに,どちらかと言えば弱い立場にある高齢者,また,相対的に少ない障害者・児が取り残されることがないよう,特にその方々の意見を適切に吸い上げ,計画に反映していけるよう,「市民」とは別に「高齢者」「障害者・児」の枠を設けて調査を実施するものです。  続いて,「2介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」について説明いたします。こちらの調査の目的は,要介護状態になるリスクの発生状況,各種リスクに影響を与える日常生活の状況を把握し,地域の抱える課題の特定(地域診断)に資することを目的としています。対象は,市内在住の65歳以上の要介護認定を受けていない方,4,800人を予定しています。厚労省の実施手引きに沿って,各圏域600人に設定しています。  こちらも,市民福祉ニーズ調査と同様に,3年に1回実施するもので,経年比較を行うことにより,現状把握はもちろんのこと,各種リスクや課題の変化,各地域の特性の把握・分析等に役立ててまいります。調査期間は,12月下旬に発送し,3週間程度を予定しております。本調査についても,今年度中に報告書としてまとめる予定です。また,調査項目については,資料3-3のとおりです。本調査は全国共通の調査となるため,基本的には,国が定めた質問をベースに,自治体独自の設問を付け加えていくことになります。回答者の負担や経年比較を行うことを考慮し,前回調査から大幅に調査項目を追加・修正する予定は今のところございません。  次に,「3在宅介護実態調査」についてです。「高齢者等の適切な在宅生活の継続」「家族等介護者の就労継続」の実現に向けた介護サービスの在り方を検討するため実施するものです。対象は,在宅生活する要支援・要介護認定を受けている方のうち,調査期間中に更新・区分変更に伴う認定調査を受けた方となります。調査期間は,10月から2月,約5カ月間を予定しています。こちらの調査は,国が示す調査項目に沿って聞き取りを行うもので,その内容は資料3-4のとおりです。後ほどご覧いただければと思います。  最後に,「4その他」についてです。  まずは,「(1)住民懇談会」についてです。こちらは,調布市の福祉3計画に共通する「地域福祉」について,世代や立場に関係なく,皆でディスカッションを行い,意見や体験などを情報交換し,そこで出てきたアイデアを今後の計画づくりに生かすため,高齢者支援室,福祉総務課,障害福祉課の3課で合同開催するものです。既に終了しておりますが,先月と今月に計4回,隣り合う2圏域毎に開催しました。自分たちの圏域についてディスカッションを行うとともに,別の圏域で検討された内容を共有することで,自分の住む圏域の良さや他との違いを再認識するともに,新たなアイデアや気づきを得る機会となりました。こちらについても,市民福祉ニーズ調査と併せて報告書にまとめる予定です。  最後に,「(2)パブリック・コメント」についてです。こちらは,市が策定する計画・政策等に広く意見を募集し,計画・政策等への反映や市の考え方を公表し,もって,開かれた市政の推進,公正性・透明性の向上等に寄与する制度です。来年12月頃を目途に実施する予定です。パブコメでいただいたご意見やそれに対する市の回答は,本会議においても報告させていただきます。  ただいま挙げた調査や懇談会で得られた情報を丁寧に分析しながら,来年度の計画策定に活かしてまいります。 (2)地域包括支援センターの機能強化について 【事務局説明】 ○事務局 地域包括支援センターの概要と機能強化の取り組み内容についてご説明いたします。その後,地域包括支援センターちょうふ花園から包括での具体的な機能強化の取組についてご報告させていただきます。よろしくお願いいたします。  まず,調布市における高齢者人口と介護認定者数の将来推計がどうなっているかを確認します。上段の表が, 2040年までの高齢者人口と要介護・要支援の認定者数の推計を表したものになります。いずれの数字も右肩上がりで,2040年には,現在から1.3~1.4倍に増加する,との見込になっています。また,下段の表は,高齢者人口を65~74歳,75~84歳,85歳以上の3区分に分けた場合の推計となっています。特徴として,65~74歳は,2040年頃までに1.5倍以上増加し,2041年をピークに減少に転じる見込です。75~84歳は,2025年頃に一端ピークとなってからは,2040年頃まで横ばいに推移し,その後は大きく上昇に転じる見込です。そして,85歳以上は, 2036年頃までに約1.5倍以上増加し,その後は横ばいが続き,将来的に上昇に転じる見込みです。近く,こちらの人口推計は見直される予定となっているため,最新の数字が出たら改めて分析をしていきたいと思っております。以上が現時点での調布市の傾向となります。  団塊世代が,後期高齢者となる2025年度を目途に,国の方針としては,「地域包括ケアシステムの構築」ができるよう施策が進められています。高齢者が,可能な限り,住み慣れた地域でその方の能力に応じ,自立した日常生活を営むことができるよう,医療,介護,介護予防,住まいを切り口に,包括的に支える体制構築に向けて,各施策が進められています。この体制の中で,地域包括支援センターは,各サービスに繋ぐためのコーディネーターとしての役割を求められています。地域包括支援センターを端的に表現しますと,「地域の高齢者とご家族のための総合相談窓口」です。先ほど確認した通り,少子高齢化,要介護高齢者の増加に合わせ,単身者や高齢者のみ世帯が増加しています。これらの社会情勢の変化により,寄せられる相談内容も多様化しています。また,相談件数も右側下段にあるとおり,増加傾向にあります。  調布市では,地域包括支援センターは,お住まいの地域ごとに担当が分かれており,8つの圏域にサブセンターを含む10か所の相談窓口があります。  地域包括支援センターが担う役割は様々ですが,期待される役割として1か所で相談からサービス調整までの機能を発揮することがあります。どのようなサービスを利用してよいかわからないときに,地域包括支援センターが相談を伺い,その方に合ったサービスの提案をさせていただきます。また,気になる高齢者がいる場合,本人だけでなく,ご家族や友人,近所の方からの相談も受け付けています。高齢者の方を支えるため,社会福祉士,保健師もしくは,地域ケアの経験のある看護師,主任ケアマネの3職種を配置することが義務付けられています。また,調布市では,見守りネットワーク担当と認知症地域支援推進員が原則配置されています。これらの専門職がそれぞれの業務を担当するだけではなく,職種を越えた連携をすることにより,多様化する相談に対応しているところです。  この地域包括支援センターを取り巻く状況ですが,先ほど来挙げている,少子高齢化と世帯構成の変化や,介護サービス需要が更に増加・多様化していくこと,一方,現役世代の減少が顕著となることから,地域の高齢者を支える人的基盤の確保が大きな課題となっています。こういった地域課題に対応していくためにも地域包括支援センターはその機能の強化が求められています。国は機能強化のために,人員体制,効果的な運営の継続,業務内容の見直しの3つの視点で,取り組んでいくことを求めています。  現在の市の実施状況について,ご報告します。  まず,人員体制についてお話いたします。包括の事業運営は,地域包括支援センター運営等協議会に都度,報告しながら進めています。運営協議会は,医師,歯科医師,ケアマネジャー,介護保険サービス事業所や,利用者家族などが委員となり,年に3~4回開催されています。これまでの人員体制の見直し状況は,令和3年度の圏域変更に合わせ,見直しました。職員一人当たり,65歳以上の高齢者数が1,500人以下になるよう,人員を配置しています。運営協議会においても,概ね人員確保ができていると評価いただいているところです。引き続き,業務量や社会情勢を確認しながら,人員体制を確保・構築していく必要があると考えています。  次は,効果的な運営の継続に関する実施状況です。地域包括支援センターの運営は,PDCAサイクルで進めています。計画については,市の方針に基づき,各包括支援センターが計画を立て事業を実行しています。評価については,個人情報の管理や公正性の確保などの運営体制,相談体制,各事業について計142項目を包括自身が自己評価し,行政からの評価とすり合わせ,事業についての改善点などを共有し,より良い事業運営になるよう取り組んでおります。今後の方向性としては,各包括の評価方法を工夫するとともに,より効率的な運営を図るため,PDCAサイクルによる運営を継続していきます。  業務内容の見直し及び強化に取り組んでいる点をいくつかご紹介します。一つ目は,ICT化についてです。新型コロナウイルスの感染拡大時には対面での会議などが困難となったことから,令和3年度からZOOMが利用できる環境を整え,様々な会議で活用しています。市主催のオンライン会議だけでなく,市民・関係者を招いての地域包括支援センターが主催する地域ケア会議も実施しています。ZOOMに不慣れな方たち向けに,サテライト会場を複数用意し,密を避ける試みも行いました。認知症施策についても本人支援や,介護家族の支援を,認知症地域支援推進員を中心に進めています。また,令和3年度から9月を認知症サポート月間と定め,認知症の啓発活動に力を入れています。認知症サポーターの市民の協力を得て,駅前でちらしを配布しました。医師会,調布市訪問看護ステーション協議会や福祉用具企業などに協力いただき,講演会などイベントが複数行われ,月間を盛り上げました。これらの取組の中心には,地域包括支援センターに配置されている,認知症地域支援推進員の頑張りがありました。そして,コロナ禍の影響で,フレイル予防の必要性が高まっております。介護予防の取組として,以前より紹介している10の筋力トレーニングについて,自主グループの立ち上げ支援や各種講座も継続しています。自主グループの立ち上げに向けて,社会福祉協議会の地域支え合い推進員の協力も得ながら,右側下段にある通り,順調に新規グループが増加しています。  次に,地域ケア会議についてです。この会議は,地域にお住まいの方や関係者と様々なテーマで地域課題を発見する,みんなでできることを検討する会議です。令和3年度は,見守りや詐欺被害,風水害など幅広いテーマを取り上げました。どのテーマも,普段からの備えが必要で,住民同士の声かけ,つながり,孤立防止が必要であることを改めて確認する機会となりました。この会議を契機とし,地域で課題・取組を共有しながら,地域づくりに努めているところです。  また,地域包括支援センターは地域機関との様々なネットワークの構築にも努めています。包括と居宅介護支援事業所の主任ケアマネジャーを中心に,ケアマネットを開催し,ケアマネジャー同士の顔が見える関係作りや勉強の機会を提供しています。他にも,ボランティアなどのインフォーマルな社会資源をつなぐ生活支援体制整備事業と連携し,地域支え合い推進員(SC)と共に,介護予防グループや認知症カフェの立ち上げなど,地域づくりを行っています。  最後に,今後の課題についてです。1点目は,介護サービスを利用できるよう整えるまでに,時間と手間を要している現状があります。今後も高齢者の方が増え,支援を必要とする方が増加することが想定され,2025年問題に対応するためにも,包括の人員配置を検討していく必要があります。  2点目は,新型コロナウイルスの感染拡大により地域の高齢者の活動が減少し,支援を必要とする方を発見しづらい状況となってきています。「高齢者の孤立防止」にも対応していく必要があり,支援が必要な方を早期に発見できるよう,地域のゆるやかな見守り体制を皆さんと強化していくこと,また,地域包括支援センターのアウトリーチ力も強化しながら,より良い地域づくりを進めていく必要があると考えています。 ○ちょうふ花園 機能強化について,具体的に包括が力を入れている点を紹介いたします。  1点目は相談に対する対応力の向上です。様々な課題に答えを出していくためには,引き出しを多くすることが大切です。また,ワンストップ窓口を目指していくために,毎日,報告会を行っています。この報告会では,相談支援が適切であったかの振返り・確認を行います。相談業務はチームで行っているため,その方にとって一番良い支援というものがどういったものであったかをメンバーで振返ります。そして,各職員で得意・不得意がありますので,不足する分野における対応力向上のための研修・学習にも力を入れています。どの包括も,オンラインを取り入れながら研修・学習に力を入れ,実践で力を発揮できるように取り組んでいます。また,相談業務は,相手に信頼されることから始まりますので,コミュニケーション力の向上・レベルアップにも努めています。さらに,職員が仕事を続けられることも大切であります。職員の入替えがあると,新人を育てるだけでも時間を要しますし,経験者であっても調布市独自のやり方などがあったりするため,職員のモチベーションを上げていくことにも取り組んでいます。  2点目は,地域の方と一緒になって地域課題を改善することです。包括だけで解決するのではなく,地域の力を引き出すことを意識しながら取り組んでいます。10の筋力トレーニングの自主グループの立ち上げについては,複数の包括と合同で実施することも今年度から開始しています。武蔵野市場において,はなみずき,至誠,花園と合同でやり始めました。そして,認知症カフェ,脳トレ,尿失禁体操などについても,件数はまだ少ないですが合同でやり始めております。他に,地域との関係性の強化として,まずは地域に出向き,知ることから始めております。包括が地区協に参加して活動に協力すること,また,逆に地域ケア会議に参加してもらうことに取り組んでいます。さらに,災害時の課題や詐欺被害,特に調布市は被害総額において都内ワースト1・2位の位置にありますので,この点も力を入れて取り組んでいます。コロナ禍の適切な医療との繋がりのため,地域の見守りもとても大切になっています。この点は地域包括ケアシステムの医療の部分になりますが,今年の3月,たづくりを会場に,東山病院,北多摩病院,調布病院のソーシャルワーカーとコーディネーター(看護師),地域住民の方々でグループワークを行いました。また,民生委員と同じ視線で活動することも大切であり,民生委員に認知症カフェに参加してもらうことも始まっています。また,包括を地域に知ってもらい,見守りさん養成講座等を通じて,一人暮らしや高齢者世帯で困っている方を通報してもらい,早めの対応ができるように取り組んでいます。さらに,小中学生などの若い世代に認知症サポーター養成講座を開催しています。認知症への理解は地域にとってはとても大事なことだと考えています。声のかけ方の訓練,地域見守り訓練も行っており,今年3月,民生委員を中心に調布駅前で開催し,まわりで市民の方にもご覧いただくなど,良いイベントになったと思っています。ケアラー支援については,地域の力を借りながら,認知症カフェを8年継続しています。傾聴ボランティアのスキル向上に加え,楽しく・やりがいを持って活動できており,市報や市ホームページにもその活動を掲載いただいています。本日も猿田彦珈琲で認知症カフェを行いましたが,ご家族によっては身内から批判を受けながら介護をされている方,何度言っても分からないからお仕置きしてしまう方など,このような場だからこそお話しいただけることもあり,ケアラー支援をすることで虐待の予防にも繋がることを実感しています。信頼関係が構築され,施設入所などの提案・支援がしやすくなるというメリットもあります。ケアラーの方々が心を苦にしながらケアされていることを理解することから始めることも大切にしています。さらに,若年性認知症のケアカフェも今年から市内で始まりました。日野市にある若年性のセンターに協力いただき,ご家族の奥さまのフォローも始まっています。  3点目は,多問題のご家族を解決に近づけるための他機関・専門職の協働にも力を入れています。精神障害で生活の質が低下している方などに対し,国の重層的支援体制整備事業がありますが,8050問題や虐待,セルフネグレクトなど,解決に導いていくために包括だけでなく,市高齢者支援室,障害,生活福祉,保健所などと意見を出し合いながら取り組んでいます。また,専門職会議に参加し,重度の心の病気の方や家族の問題などに対し,柔軟性のある支援により解決に近づける・していくことを取り組んでいます。どの業務も人相手のため,不満が出ることは望ましくないため,対応は丁寧に,また適切なアドバイスができるよう質を高めたいと思っています。 ○会長 今の話について意見のある方は挙手をお願いします。地域包括支援センターは役割が増えてきています。整えても追いつかない状況です。私は医師ですが,外来をしていると「分からない,それ何ですか」と聞かれることがあります。そろそろ介護保険を申請したほうがいいのではないですかと申し上げても,まだ「どこに行けばいいですか」と言われます。役割はどんどん広がっているのに追いつかない状況です。自分が住んでいる所の地域包括支援センターがどこにあるか,ご存じですか。医療と介護との違いが分からず,ドクターにあれもこれも訴えて,「それは私たちじゃありません」と言われる人も結構いると思います。 ○委員 資料3-5の2ページに相談件数の推移が出ています。同じ人が何回も来ているものも入っていると思いますが,この程度の相談件数に対し,包括支援センターの役割としての,市の評価をお聞きします。 ○事務局 相談件数に対する人員配置は,毎年支援センターを訪問して業務にどの程度影響が出ているのか確認しながら,毎年人員配置を決めています。また,相談はそれぞれ多岐にわたり,「この相談だったら時間がかからない」「この相談は簡単に」と,それぞれ問題が違います。そのため,どの相談について時間がかかるかについては分かりかねますが,支援センターを訪問し,今のところ全体的に業務量的に人員配置に問題がないことを毎年確認しながら行っております。 ○委員 人員配置については,別の角度の問題があると思います。今,調布市の高齢者人口は7万人程度で,地域包括支援センターに相談を求めますが,1人が何件もということがあると思います。年間の相談件数はこのくらいで,地域住民の抱えている課題に応えていると評価しているのか,まだ埋もれているものが多いとの評価をしているのかについて聞きたかったのですが,よろしいでしょうか。 ○顧問 件数ではなかなか議論はできなくて,何件だったら適正かという数値は出ないと思います。そう考えるならば,どのような人が来られていないのか,多分1人で生活していて分からない人は来ていないはずです。誰かに誘われた人は行きますが,そういう人がどのくらいいるか想定するなど,具体的な事例,数を議論していくことが大事だと思います。全体の総数で,いいか悪いかは出にくいと思います。  先ほど幾つか,こういう課題があります等々といったものが深刻なのか,今後改善できるのか,虐待している事例は結構ありそうだと。もしくは,フレイルで引きこもっている高齢の方がいるように思えるというケースも出てきていましたから,今後,検討すべきことではないかと,私は思いました。 ○委員 包括支援センターは,取り組んでいる側からみれば,必死になって努力を重ねているということだと思いますが,市民の側から見ると名前自体もなじみづらいし,介護保険の中身も非常に細かく分かれていて,自分が抱えている問題はどの項目に当たるのか分からない状況です。その意味で,議論の入り口のような感じで相談件数の評価について質問してみました。  資料3-5の12ページで,介護予防・健康づくりの推進でトレーニングのグループが今年3月で44グループと,順調に進んでいるというご説明でしたが,この数で順調という評価に違和感を覚えています。包括支援センターをどのようにして市民に分かるようにしていくのか,利用しやすいようにしていくのか,その入り口になればと思いました。 ○会長 先ほどの統計・推計を見ても,これからますます高齢者,特に後期高齢者が増えていくので,充足しているとはしばらくは言えず,その数に合わせて増やしていくしかないと思います。ただ私も,この人は危ないと思って,うちの看護師から支援センターに連絡すると,以前は「分かりました」と言って,見に行ってくださっていましたが,最近は既に見守っていてくださるケースも何回か経験しています。たぶん医療提供者よりも地域住民からの声が入ったりして,感覚としては数年前よりも機能しているのではないかと私自身は感じています。  それが例えば,包括にどういうカテゴリー,団体から予防察知の情報が入るかというものも,今後メルクマールとして出していき,それが上がっているのであれば,割と地域に周知されていて,包括だけが頑張るのではなく,最終的には地域が自立していくことが大事ですから,何でも包括にというより,この部分は地域住民で担い,何かあったときにはというステップに入っていかないと,増えていく高齢者の数に応えていけない,これが地域力になると思います。感覚的にですが,包括さんは少なくとも数年前より頑張っておられると感じています。 ○顧問 たぶん地域包括支援センター自体だけでなくて,運営協議会やケア会議など,地域包括支援センターを支える仕組みがきちんとできているかを考えないと,担い手が燃え尽きてしまいます。虐待もあるなど,危険も伴います。支えるシステムがきちんとできているかということを,きちんと考えていただきたいのが1点です。  最後に「2025年問題に対応するため」と書いてあります。最近2040年など,先走っていますが,そもそも2025年問題は何だったのかということで,危機的な状況ですし,地域も今壊れています。そういう意味では,2025年を目指して何が欠けていて,今の経過として良いのか悪いのか。また,ケアマネジャーのなり手が少ないということも言われています。そういう意味では,人材確保も含めて2025年問題の総括をどこかの段階で行い,次にどうなるかという先送りではない議論ができるのでないかと思いました。 ○会長 ありがとうございました。病院も入院してくる患者さんがかなりの確率で独居の方です。しかも,若い方も独居が増えています。顧問がおっしゃったように,もう一度何のためにやっているのかに立ち返り,2040年を見ながらかじを切っていかないといけないのかもしれません。 (3)在宅医療相談等の充実について 【事務局説明】 ○事務局 資料3-6「医療と介護の連携強化について」の資料をご覧ください。この議題(3)は,市から資料3-6を用いてご説明したあとに,「医療と介護をつなぐちょうふ在宅医療相談室」の資料を用いて,ちょうふ在宅医療相談室の相談員からご報告,最後に調布市医師会地域医療部理事の会長より,「調布医師会訪問診療経年推移」の3部構成でご説明させていただければと思います。  資料3-6の資料2ページをご覧ください。第8期高齢者総合計画の重点施策として掲げている「医療と介護の連携強化」の背景についてご説明します。高齢になるにつれて,生活習慣病や筋力低下など複数の慢性疾患や傷病を抱え,医療と介護の両方を必要とする方が増加していく傾向にあります。また,先ほどの発表にもありましたように,2025年には団塊の世代が75歳を迎え高齢化がさらに進展していきます。住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けられるよう,地域の医療・介護の関係者が連携し,包括的・継続的に在宅医療と介護を一体的に提供できる支援体制が求められています。  次に3ページをご覧ください。第8期計画では,重点施策である医療と介護の連携強化に即して6つの取組を策定しました。本日は,その1つである在宅医療・介護連携推進事業についてご紹介します。調布市では,医療介護の連携体制の構築や,市民,医療・介護の関係者からの在宅医療相談の充実を図るため,調布市医師会のちょうふ在宅医療相談室に業務委託を行っています。 ○相談室1 ここから医療と介護の連携強化について,ちょうふ在宅医療相談室の取組を説明させていただきます。「医療と介護をつなぐちょうふ在宅医療相談室」という資料をご覧ください。ちょうふ在宅医療相談室は 2010年に調布市医師会に開設されました。2015年からは相談業務に加え,在宅医療・介護連携拠点として調布市の委託を受けています。社会福祉士の相談員2名と医師会の地域医療部の担当理事が4名,あと事務局1名で運営しております。  次のページをご覧ください。医療と介護をつなぐ,このようなイメージで役割を担っております。在宅医療・介護連携推進拠点が行う事業内容は,厚生労働省から示されています。この下の図,両側の周りが四角く囲んであるものがその事業になります。まず右上の在宅医療・介護連携に関する相談支援についてご説明いたします。次のページ,在宅医の紹介件数です。開設時からの推移です。訪問医の紹介件数は,平成27年度以降減少しています。これは,ケアマネジャーや地域包括支援センターが医療機関と関係ができてきて,訪問診療を直接依頼するようになったからと考えています。最近の傾向としては,先ほどもお話がありましたようにどこにもお願いできないようなケース,多くの問題を抱えているケースのご相談が多くなっています。  次に,在宅医療に関する相談件数です。件数は横ばいになっています。最近の傾向としては,意思決定支援に関する相談が増えています。例えば「胃ろうを作る話が出ているが,どうしたらいいか」「病院から転院を勧められているが,本人や家族が家に帰りたいと望んで悩んでいる」などです。また,理由ははっきりとは分かりませんが,身近な人に尋ねればすぐに解決しそうな問い合わせも増えてきたという印象があります。  次のページになります。令和3年度の実績です。左側の円グラフ,相談者の内訳になります。昨年度の相談者の内訳を見ると,一番多いのはご家族からでした。次はケアマネジャーからで,両方を足すと全体の5割強になります。右側の相談内容についてですが,医療機関情報についてのお問い合わせが一番多く,次いで在宅医に関する相談となっています。 ○相談室2 在宅医療介護連携の課題の抽出と対応策の検討のご説明です。今,入退院時連携に向けた取組を行っています。こちらは,4年前に地域包括支援センターに医療と介護の連携についてヒアリングを行った際,入退院時連携に関する課題が散見されたことから,会議の中で入退院時連携についての取組を進めようということで始めました。実務者レベルでの協議を始めていて,昨年度からは入退院時の連携をスムーズに進めるための手引き作成を進めています。ケアマネジャーや病院の入退院に関連する職員向けの内容で,資料にお示ししたとおりです。現在,令和5年度の完成を目指して作成を進めています。  もう1つご紹介しますと,「地域の“横のつながり”を支援」ということで,少し前のデータですが,2020年9月に市内の介護事業所に新型コロナウイルス感染症対策に係るアンケートを行いました。その際,事業継続が困難になった場合,「市内の同サービスの他事業所と支援し合う仕組みがあったら参加したいと思いますか?」という質問に,全体の8割強が「参加したい」という回答がありました。  次のページ,アンケート結果からは「支援し合う仕組みに参加したい」事業所が多いことが判明しました。市民の生活を守るために,地域の事業所間で連携する仕組みが必要と考えました。コロナ禍で訪問看護師の重要性が注目されていたこともあり,当時なかった調布市の訪問看護ステーションが横のつながりを作ろうということで,調布市訪問看護ステーション協議会設立の支援を行い,1年間,後方支援を行いました。  その下の資料が,訪問看護ステーション協議会の主な活動内容になっています。現在,後方支援からは退いているのですが,医療と介護の連携に関し,引き続き情報共有など協働しています。  最後にまた同じ図に戻り,左上の地域の医療・介護資源の把握についてご説明します。調布市医師会では,1年おきに会員を対象に在宅医療機能調査を行っています。地域の医師会の先生たちで,例えばがん末期の患者さんで麻薬を使った痛みのコントロールが必要な場合に対応できるかとか,輸血が必要な場合に対応できる医療機関があるかとか,今この先生はどのくらいの患者さんを在宅で見ていらして余力はどのくらいあるのかということなどを聞いています。今年の春に行った医療機能調査では,かかりつけ医に訪問診療とか,往診を行う医療機関が減っているということが分かってきました。訪問専門クリニックはここ1,2年で増加したので,訪問診療の利用者数自体は増えていますが,開業医の先生たちの高齢化やクリニックの増加で,訪問診療や往診を行っている先生は減っていることが分かりました。この調査結果につきましては,このあと小川先生のお話に続きます。  私たちは,医師会の中に在宅医療・介護連携拠点として委託を受けているので,病院の医療相談室のソーシャルワーカーのように,調布の開業医の先生たちには私たちを使っていただけるようになれば,ご本人が望む自分らしい療養生活の実現につないでいけるのではないのではないかと考えています。 ○事務局 資料が前後しますが,冒頭の資料3-6の4ページをご覧ください。「地域包括支援センターにおける在宅医療分野の取組①」という資料になります。まず,「ACP」という言葉に聞きなじみのない方もいらっしゃると思いますので,少し説明させていただきます。ACPとはアドバンス・ケア・プランニングの略称で,人生の最終段階における医療やケアについて,本人が家族等や医療ケアチームと繰り返し話し合う取組のことです。本人の人生観や価値観,希望に沿った将来の医療およびケアを具体化することを目的にしています。地域包括支援センター主催の地域ケア会議や出前講座等では,「ちょうふ在宅医療ガイドブック」や「調布市版エンディングノート」として発行している「じぶんノート」を用いて在宅医療やACPについての周知を行っています。  続いて5ページをご覧ください。こちらは取組の2つ目になります。ちょうふの里の地域ケア会議では,在宅療養に関わる地域の医療・介護の専門職を招き,事例を通して入退院連携・医療制度の改正についての情報交換や地域課題の発見を行っています。  次に6ページをご覧ください。地域包括支援センター・至誠しばさきの取組をご紹介します。令和3年度に地域包括支援センター・至誠しばさきの在宅療養の担当者とちょうふ在宅医療相談室の相談員が協働し,調布市内の医療機関情報を網羅した独自マップを作成しました。マップは,日々の相談対応に活用しています。地域包括支援センターは,地域に根ざした高齢者の総合相談窓口として在宅医療に関する相談支援や医療介護連携の役割も担っていますので,ぜひご活用頂ければと思います。 ○会長 資料「調布市医師会 訪問診療経年推移」をご覧ください。医療資源の把握ということで,2010年から2年ごとにデータを取っているものです。  1ページの下,「訪問診療」と「往診」は違うことをご存じの方もおられると思うのですけれども,意外とドクターも知らないのでご説明します。上の棒グラフ,「訪問診療」は左下に書いてありますが,定期的に訪問して診療を行う。つまり,利用者さんと契約して月に1回~2回,がん末期の方などが週に1回とか,必要に応じて定期的に主治医の訪問みたいな感じで行くものです。「往診」は,普通に外来通院している人でもいいのですけれども,「ちょっと具合が悪くて先生の診療所まで行けません」という方に,「ちょっと見にいこうか」と,臨時の,突発的な病気とか怪我で行くものです。基本的に,私たちは訪問診療を中心に考えています。  2010年からは,市内の医療機関に162枚アンケートを配布しています。これは市医師会の全員です。眼科も皮膚科も耳鼻科も全部に配っています。回収が157枚で,96.9%の回答で,実際,訪問診療が可能ですよとおっしゃったのはグラフ赤のところです。少し分かりにくいですけれども,2016年,2018年くらい,赤がどんどん減っています。そのあと,また少し盛り返していると。これが,先ほど相談員のお二人がおっしゃった,ずっとかかりつけの患者様が病院に行けなくなったときに,訪問診療に行かれる先生が今まではいらっしゃったのですけれども,その方々が高齢化して行けなくなってきたということで,訪問診療をやっている医療機関が減っていったということです。そのあと少しずつ盛り返しているのは,どちらかというと,最近市内で在宅専門の診療所がたくさん増えてきているということです。それから,往診は今すぐ来てほしいというので,なかなか応えるのが難しいので,それほど数が最初から増えていかない。  では実際,調布市では,訪問診療をどのくらい抱えているのかというのが次のページになります。青い折れ線グラフが訪問患者数になります。2020年が少し底を打っている感じで,これが恐らく診療所の先生たちが減ってきた結果が表れている可能性があって,在宅専門の医療機関が2つ,3つ増えてきただけで,大きく訪問患者の数が増えてきていると。それに合わせて,施設の利用者さんに行っているのが減って,むしろ一軒一軒回っていく居宅のほうが増えてきているのが特徴的になっています。では,施設にいる利用者さんは誰が行っているのだろうということですけれども,どうも調布市外の在宅をやっているところが,施設と契約して来ていただいているような結果が見えてきています。あとは,下の「層別訪問診療実態」です。先ほど,どこまでできますかという答え,まだ余力はありますか等々の質問に対しては,患者さん50人以上を診ている所,つまりは在宅専門とか,在宅を中心にやっている所は,看取りもまだ余力があります。まだ診られる患者数はこれだけありますということが分かります。  次のページです。では,例えば普通の診療所の先生が自分のかかりつけの患者さんが来られなくなった時,「在宅に行きます」と言えない,言うには高いハードルになっている理由は何かというのを聞いてみたところ,これは毎回アンケートでほぼ変わらない結果になりました。やはり,夜中も呼ばれるかもしれないとか,365日息が抜けないということです。1人1馬力と私たちは言っていますけれども,診療所の先生1人で自分の城を持って,毎日毎日患者さんを診ておられますので休む時間がない。そこに在宅の患者さんが入ってくると,学会にも旅行にも行けないと。そういうことを真面目な先生たちは考える。そういうのが阻害要因になっているということです。  では,どうやったらやりやすくなるかというのも聞いています。やはりネットワーク。お互い助け合う,替わりの医者を紹介してくれるとありがたいとか,これも毎回アンケートを採ると,ほぼ変わらない割合です。  次のページです。ここは一般論で,今までもお話がありましたけれども,上の赤ですが調布市の人口推計です。65歳以上,75歳以上の人口がどんどん増えていく。調布市は,人口は減らないけれども高齢者の人口が増えていく。それによって,右側の棒グラフですけれども,まだまだ医療需要が増えますけども,それ以上に介護需要が増えていく地域ですと。つまりは,これは家庭医療のほうでよく言われているのですけれども,ただ病気でレントゲンを撮ればいいとか,お薬をくださいということよりもすごく臨床的な問題が複雑化していて,病気と病気が影響しあったり,病気はそれほどではないのに,例えばお薬が認知症で飲めていないとか,きちんと誰かがサポートしてくれればそれほど悪くならないのに,そういう環境が整わない。つまり,complicatedあるいはcomplexな問題がこれからますます多くなってきて,そこはただドクターがお薬を出す,診察をするだけでは,地域の皆さんを守れない。なぜ介護が増えているのか,何が問題になっているのかというのは,こういうことが問題になっているということをちょっとお示しさせていただきました。  最後,こちらももう1つ大きな問題で,これは救急車,救急搬送の割合です。高齢者が増えてくると,疾病による救急搬送が増えていきます。昔は,若い人がオートバイとかの交通事故等の救急搬送がほとんどだったのですけれども,高齢者が増えてくると,今でも東京はワーストに近いが,ますます呼んでも来ないという。救急車が来ても,医療機関につながるまですごい時間がかかるといわれていますが,これからもっとそういう時代が来ますと。我々は,コロナの第5波やデルタ株の時に,皆さんも経験したと思います。デルタ株は,死ぬ病気だったのですけれども,救急車が来ない。来ても帰ってしまう。それを実感して,私たち医療者も「あ,こういうことか」ということを実感したのが,高齢者が増えるということで起きる可能性があるということです。我々は,これからそれにみんなで備えていく必要があるということで,一応締めさせていただきます。 ○顧問 個人的な意見ですが,調布の在宅医療相談室は結構優れているというか,実績があると,他の所と比較して評価しています。今後,医療相談室が向かう方向というか,特にここを強調点に持ちたいところをもう一度確認させていただけますか。訪問看護ステーションを作るなど,いろいろチャレンジをしており,開業医を紹介することも数が減りました。新たなものを作り出してきているので,医療相談室の担当の方に,今後,特にこれを軸にしながら,相互の連携を図るなどを含め,お考えのあるところがあれば教えてください。 ○事務局 基本的には,厚生労働省の示している4つの場面があります。日常の療養支援,急変時の対応,入退院時の連携,みとりの対応と,4つ示されていますが,今年度は重点的に入退院の手引きというものを作成しておりまして,入退院連携についての強化を図っているところです。手引きの作成がまだ途中なので,次年度もその活動についてはしていこうと思っているのですけれども,次の策としては急変時の対応等の事業が手薄な状態になっているので,ニーズを確認しながらそちらの充実を図っていきたいと思っています。 ○顧問 調布は,かなり早くから始めたので,多くの所で在宅医を紹介するというレベルで止まっているのが次の問題に移ってきたというところだと思います。入退院連携は,相当いろいろな人が関わらないとできないので,かなり難しい問題にチャレンジし,それを解決するレベルになっているということでございます。 ○会長 せっかくなので,相談員ご自身からも。 ○相談員1 相談室の委託を受けて7年目ですが,内藤先生にアドバイスを頂いたり,小川先生からご指導を頂いたりして,よたよたしながらも何とかPDCAを回しているところです。そういう中で,いろいろな職種の方と関わる機会が増えています。今,人員の関係もあって,私たちが取り組んでいるのがどうしても高齢者医療に寄っていると思っています。在宅医療は,小児や精神障害の方たちも必要としていることですので,そちらへのアプローチも考えていかなければいけないということを,地域に出るようになって実感しているところです。 ○会長 ありがとうございます。2人は本当に優秀で,一番素晴らしいと思うのが,場をきちんと作ることができることだと思います。場を作るので,いろいろな情報が入ってきて,いろいろ人をつないでいます。在宅医療連携推進事業にぴったりな役を担っていただいていると思います。その場があるので,そこで拾ってきた課題を解決していて,先ほどの訪問看護協議会も最初だけ事務局を一生懸命やっていただき,訪問看護協議会が自立して自分たちで運営できるように育てることもしています。  コロナのワクチンを打つのも,医療従事者は情報がどんどん入ってきて自分たちで打てるのですが,介護従事者にも早くワクチンを届けないといけないと医師会もはらはらしていました。普段から介護の皆さんと連携が取れている彼女たちが,行政の力も借りて,本当に早い時期に,調布市内の介護従事者の方々,ケアマネジャーも一人一人仕事をしているので情報が入りにくいところを,皆さんがつないでくれてワクチンが打てました。  最近は,医師会の委員会で,先生たちの困りごととして,病院にはソーシャルワーカーがいるので,医療以外のことで困るとそちらで相談することができますが,1馬力の診療所の先生たちでそういった話が出たときに,相談室に相談してくださいとおっしゃってくれています。本当にすごいことだと思います。  確かに,国から下りてくるいろいろなものがあるのですが,オーダーメードで,地域に必要なもの,足りないものをうまくつないでくれていると思います。これからもそういう場を作り,いろいろ人をつなぎ,動いていただけることを期待しています。よろしくお願いします。 ○モニター員 私の父は102歳で,訪問診療を受けています。非常に良いのですが,地域の方というより専門業者が手配する主治医がいます。その主治医に不都合がある場合は,他の医師に代わってもらうなどしています。内科を受けていますが,皮膚科や整形科で問題がある場合は先生を紹介していただき大変感謝しています。先生の説明の中で,1ページでは,在宅専門の医療が増えているからこの赤の部分が増えているとのことでした。2ページの上の表では,施設は調布以外の専門業者が来ているようだと。3ページ目では,訪問診療の阻害要因について説明いただき,非常に分かりやすかったのですが,先生も休む時間が欲しい,学会にも旅行にも行きたいということで,非常によく分かるので,やはり専門の機関の対応が非常に有効ではないかと思っています。  ここで質問です。専門の業者が調布以外から来ることで,調布にある医療機関にとって専門の訪問医療機関が競争相手になっているということなのか,もしくは,専門診療を受けるときに料金が非常に高く,利用者に負担があるのか,また悪徳の訪問診療機関があるのかなど,今日の説明ではあまり触れてなかったのですが,そういう不満やデメリットがあるのであれば教えていただきたいと思います。 ○会長 1点修正させていただきます。医師会に所属する在宅専門の診療所の先生方もいらっしゃいます。一方で,最近医師会に所属しない在宅専門のクリニックも増えてきています。ケアマネジャーからの情報である程度把握しています。これは私たちの課題でもあり,医師会の委託事業なので医師会所属の医師にしかデータをとっていないので,連携推進事業として医師会以外にもデータを取って,本当の姿を見たほうがいいのではないかという議論は常にありますが,まだそこに至っていないので,本当の意味で在宅医療がどうなっているかについて把握しきれていないのが現状です。  悪徳がいるかどうかは,私たちには分からないです。クレーム等はたぶん市にいくと思います。それが医師会等々の事業に脅威になっているかどうかは,まだ需要が多く,新しく来たクリニックさんたちがほかを食いつぶしているかどうかはまだよく分かりません。在宅医療の需要と供給のバランスでは,需要が多くて供給が少なかったのですが,診療の性といいますか,調布はどんどん集まってきていて,昨年くらいからブルーオーシャンからレッドオーシャンになっている感覚は持っています。「もっと足りないところに行ってよ」と思うのですけれども,隣に在宅医療があるのに,その隣に居を構えるのです。在宅専門のクリニックは,レントゲンとか機材が必要ないので設備投資をしなくて済み,部屋を1つ借りればできてしまうという点では,仁義なき戦いが始まりつつあるとは思っています。しかし,ニーズがどんどん増えていくので,今,評価の結論を出すのは早急と思っています。  この辺りの地域全体の情報をキャッチするのは,ケアマネジャーさんや市の方が早いと思うので,その辺りもデータとして我々が出すべきなのか,行政が出すべきなのかも含めて考えていきたいと思っています。 ○モニター員 とてもよく分かりました。参考になりました。ありがとうございました。 ○会長 ほかに質問はありますでしょうか。それでは,これで今日の全ての項目が終わりになります。ありがとうございました。 4 その他   事務局より事務連絡 5 閉会 - 1 -