第2回調布市武者小路実篤記念館の指定管理者候補者選定審査委員会議事録(要旨) 開催日時 平成30年10月22日(月)午後6時~午後8時 開催場所 調布市教育会館301研修室 1 開会 ○A委員長  それでは,おそろいなので,ただいまから第2回の審査委員会を開かせていただきます。お忙しいところどうもありがとうございます。  定足数について事務局で御確認ください。 ○事務局  本日の委員会はG委員が欠席ではございますが,選定審査委員会要綱第6条第3項の規定によりまして,過半数以上の委員の出席がありますので,委員会としての成立要件を満たしておりますので,以上報告いたします。 ○A委員長  ありがとうございました。  よろしければ,事務局に申し上げます。傍聴を希望される方がおりますでしょうか。もしおりましたら,どうぞ入室させていただければと思います。 ○事務局  本日,傍聴の希望者につきましてはございません。 ○A委員長  続いて,前回,委員の皆様から御意見のありました審査表のことについて事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局  それでは,第1回の審査委員会の中で皆様から御意見がございました審査表について御説明いたします。事前に皆様方にはメール,郵送等でこちらの新しい審査表についてはお送りさせていただいているところでございます。  まず,庁内で評価について検討いたしましたところ,5段階評価で採点していただくという統一的な見解が庁内でおりましたので,今回,皆様方にお知らせさせていただきます。  なお,評価基準の審査の合格ラインというか一定の判定基準といたしましては,委員の皆様方の平均点が6割以上。ですから,委員1人の方ではなくて,皆様方の合計で6割以上の点数が集計結果で出た場合については,一応事務局といたしましては,審査基準を満たしているというところでのお示しはさせていただきますが,それ以外のところでまた御意見等ございましたら,それは皆様方の御意見を交換する場がございますので,そちらの中で皆様方の御意見を聞かせていただければと思います。よろしくお願いいたします。  それと,仕様書に一部誤字がありましたので,ここで口頭で訂正をさせていただきます。仕様書の9ページ(12)の別表1となっているのは別紙1になりますので,よろしくお願いいたします。 ○A委員長  訂正がございました。よろしいでしょうか。今の説明がございましたけれども,いかがでしょうか。何か問題点がありますでしょうか。よろしいですか。――では,そのような市としての方針の指示がありましたので,今度の新しい審査表でやっていくことにいたします。  それでは,きょうの次第に従って進めて参ります。まず,指定管理候補者の面接審査ですけれども,本日は,一般財団法人調布市武者小路実篤記念館によるプレゼンテーションがございます。その後,質疑応答を行いますけれども,そのような審査に当たっての何か疑問点,問題点が今ございましたらお伺いいたします。要領については事務局から説明がまずあるわけでしょうか。 ○事務局  プレゼンテーションにつきましてはおおむね45分。その後の質疑応答につきましてはおおむね15分。こちらはあくまで目安でございますけれども,その時間でよろしくお願いしたいと考えております。 ○A委員長  そういうスケジュールなどで何か問題点がございましたら,お出しいただければと思います。そこのところは大体方針は決まっていました。ただ,この表だけ変わるということになりました。それでは,よろしいでしょうか。  それでは,候補者の入室をお願いいたします。 2 一般財団法人 調布市武者小路実篤記念館(以下財団)のプレゼンテーション ○A委員長  それでは,候補者の入室をお願いいたします。 〔財団入室〕 ○A委員長  それでは,よろしいでしょうか。では,候補者から45分を目安にしてプレゼンテーション,御説明をいただければと思います。もう既に事業計画書,冊子体のものは委員はいただいておりますけれども,それを踏まえながら御説明をお願いいたします。  では,どうぞよろしくお願いいたします。 ○財団  これからプレゼンテーションを始めさせていただきますので,どうぞよろしくお願いいたします。  一般財団法人になりましたのは平成25年4月。翌平成26年4月から5年間の指定管理のお仕事をいただきまして,今年度がその丸5年目ということになります。次回,本日御審査いただきますのは,指定管理受託期間が5年から10年ということになります。私ども,これまでさまざまな形で皆様のお力添えをいただきながら5年間やって参りましたが,今回お示ししております計画等につきましては,10年という計画期間を見据えた中で,さまざまな施策,それから地域,教育機関を初めとする連携等について,決められた時間の中で御説明をさせていただきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。 それでは,事業計画を御説明させていただきます。あらかじめ委員の方々には冊子立てのものが届いているかと思いますが,これは非常に膨大でございますので,簡単にポイントを御説明させていただきたいと思います。 (パワーポイント)  私ども一般財団法人調布市武者小路実篤記念館は,先ほど御説明いたしましたように,平成25年に財団が始まりました。その前身である運営事業団が平成4年1月に出発して,それから財団化ということになっております。  私どもの財団でございますが,実篤記念館の設立目的でございます武者小路実篤の業績を顕彰し,広く市民の教養,文化の向上に寄与するために,顕彰をしていくということを頑張って参りました。  今回,事業目標といたしまして,5つを挙げております。武者小路実篤の顕彰,それから実篤記念館のブランド化。これは日本で唯一の実篤研究の情報発信基地であること。そして,次世代を担う子どもたちへのアプローチと利用の拡大。それから,実篤記念館と実篤公園を活用した事業展開。そして,館の外へつながる事業という5つの事業目標をもって,この10年間に取り組んでまいりたいと考えております。  次に,運営理念,組織・運営体制についての考え方でございます。これらの事業は公益性の高い事業であること,そして透明性,信頼性の確保と効率的で効果的な運営をしていくこと,これらが可能な安定した組織づくりと人材育成をしてまいります。利用者の満足度を高めるようにサービスを提供してまいりますというのが組織・運営体制の理念でございます。  この5年間,平成26年度から30年度の間の実績として御紹介させていただきます。  まず,平成27年度,市制施行60周年,開館30周年記念事業として,特別展,それから,たづくりで栗原小巻さんをお迎えしたお話の会,そして30周年記念事業として,ちょっと見にくいですが,右側下の段でございますが,桐朋学園大学音楽部の方々に御協力いただいて,コンサートをしながら実篤記念館の30周年事業を取り組みました。  また,5年間の実績として,昨年度,8月に,文豪とアルケミストとのコラボ企画を実施いたしました。民間事業者とのコラボ企画の実施としては初めてでございますが,これまで中高年と,主に夏休み期間の小・中学生の利用というのが目立っておりましたが,10代後半から20代の若い年齢層の来館,関心を高め,利用者増につなげることができました。彼女たちが非常に熱心に展示をみており,新たな若年層の利用開拓ができ,またこの企画後もリピーターとなっており,興味を持ち続けていただくための事業内容の充実が今後求められていくかと思います。  次に,5年間の実績で,夏休みの自由研究サポートがございます。子どもが楽しく,気軽で簡単にできるワークショップを準備し,夏休みに工夫して,さまざまな事業を展開してまいりました。子どもが博物館の利用のきっかけになるような事業ということで考えております。  左側は実篤の絵をパズルにして,いろいろなお話をみんなで応答しながら鑑賞していくというパズル鑑賞のプログラム。右上が,実篤の絵を使ったモビールづくり。その下が,実篤公園の植物を利用した植物図鑑づくりというようなことをやって参りました。  次に,5年間の実績として,資料の収集でございます。整理,保存ということで含めて,平成26年度に,「白樺」の同人でもございます河野通勢の作品資料の収集をすることができました。寄贈資料としては8,000点というかなり大きなものになって,左側でございますが,たづくりの移動展ということで,寄贈のお披露目の展覧会も開催させていただきました。その後も,武者小路家の資料も含め,5年間で約1万1,000点余りの所蔵品が増になったという実績がございます。  平成28年度には,全館の空調の工事で収蔵品庫の作品や図書,フィルム,全て外部へ保管しました。1年間にわたり準備をし,搬出入作業を実施し,また4ヵ月間の休館中は,木島平やたづくり,市内の公民館3館で展覧会や出前展示,そして関連事業も実施いたしております。  ちょっとみにくいですが,利用実績として,グラフの真ん中のところが利用者数なのですが,28年度下がっておりますのは4ヵ月休館だったということですけれども,昨年度は1万2,333人という人数を登ったということで,比較的増になってきているということ。また,市の施策目標は,公園も含め3万500人でございますが,これは既に平成26年度に達成し,その後もその目標は達成しているという状況でございます。  次に,指定管理が10年になるということでございます。今回お示しいたしました事業計画の全般にわたることでございますけれども,事業全体のレベルアップは,10年間ということで,中長期的な展望をもった事業展開が可能になります。博物館施設としての継続性や知財の蓄積,継承がより安定して事業が展開できると考えております。  私ども,10年間でやるということでございますので,その年度,年度,ないし2~3年でめり張りをつけた事業展開をしていきたいと考えております。選択と集中ということで,そういった形で展示や普及,それから資料の収集,保存,そして調査研究など,2~3年で集中して,めり張りをつけて,10年後に全体のレベルアップを図るというようなことを考えております。そういったことが10年になるとできると期待して,今回事業計画を作成しました。  また,その中でも長期展望をもった博学連携事業の展開をしていけるということでございます。10年間となるということで,小学校1年生から6年生,中学生と,成長に合わせた段階的なプログラムづくりや,関係機関との連携体制づくりなど,長期的な展望をもった事業展開ができ,安定した信頼関係が構築できると考えておりまして,今回の事業計画の中では,ポイントになります博学連携事業の展開というところでは,非常にこの10年というメリットを使わせていただきたいと考えております。  また,3,施設管理の充実でございます。これは,開館から33年経過しております。施設や設備の老朽化が進んでおります。率直に申しまして,指定管理業務を始めたころより顕著に緊急や基幹設備の故障が多くなっている状況でございます。これから10年となることで,日常の施設管理を通し,現場の状況把握に基づき,より長期的な展望をもった効果的,効率的な修繕や改修工事を市に提案し,市と密接に連携を図りながら工事等を対応するということで,市民のより安全で快適な文化施設の利用が担保されると考えております。  次に,4,人材確保と育成でございます。10年になるということは,非常に安定した財団の運営が確保されるということになります。長期ビジョンをもって事業運営や財団運営に当たれるということと,人材確保と育成を一生懸命やっておりますが,その裏づけになっております指定管理業務が安定して10年間ということで,不安定要素も減らすことができ,職員が安心してスキルアップに励みながら業務に当たることになり,より安定した財団運営や事業内容の充実につながると考えております。  また,5,コストの縮減,事務量の減につなげられるということでございます。これは,施設管理などでの保守点検の契約に長期契約などを使って経費縮減,それから事務量を減らすというようなことが可能になると考えております。  また,課題となっております他団体からの補助金や助成金を得て経費削減につなげるという検討を試みておりますが,さすがに小規模でありますので,5年間の範囲では作業的になかなかおさまらないということを考えております。10年間となることで,当団体でも助成金の確保や取り込める可能性が出てきたということで,今までの考え,それから検討してきたところをうまく活用して,何らかの形で助成金を得て,経費の縮減,事業の充実を図っていくということが,10年になることで可能になっていくと考えております。  次に,事業運営に関する業務でございます。私どもの基本方針としては,武者小路実篤を核とした特色ある事業という市の施策,事業の1つを担っていると考えております。その中が基本でございますので,それに沿って,今後ご説明をさせていただきます展示,普及,資料整理,保存,情報提供のシステムの事業を組み立てて参ります。  そして,我々財団としては,幅広い年代層やさまざまな興味へのアプローチを考えております。これは基本方針,指針として事業の全体を考えておりますが,敷居は低く,気軽に参加,間口は広く,幅広いジャンル,奥行きは深く,専門的な内容にも対応していくという指針をもとに,我々は事業を展開してまいります。子どもから高齢者まで幅広い年代層が参加できるさまざまな事業の提供,そして初心者から専門家まで,さまざまな興味,関心をもつ利用者に満足していただく企画をバランスよく提供していくということが大切になると考えております。  例えば,こちら,右下の,ちょっとわかりにくいですが,これは梅ジャム講座というのをやっております。毎年,実篤記念館の中庭に,「新しき村」からいただいた3本の梅の木に,お花も楽しむときは観梅会というのをやりますが,実ができるときには,収穫をして梅ジャムをつくるという体験をしてもらう講座をこの20年近くやっております。これは,実篤に最初は興味がなくても,間口を広く,さまざまなアプローチの仕方で主婦層や子どもたちに楽しんでもらうという事業になっております。  これは4~5人でグループにさせていただいてやっているのですけれども,子どもたちと高齢者などを組み合わせて,うまく年代層の幅広いことを含めて,さまざまな新しい体験をしてもらうというような工夫などもして,非常に好評のものでございます。これで実篤のいろいろな事業を知っていただいて,子どもさんたちが夏休みの事業,高齢者の方が展覧会などに来ていただくきっかけに1つなっている事業でございます。  次に,展示事業になります。さまざまな展示事業を展開しておりますが,何度でも来たくなる,いつでも新しい発見のある展覧会と考えております。武者小路実篤は,文学,美術,「新しき村」,それだけでもさまざま。そして,実篤とかかわった方々は,文学,美術,日本を代表するような作家,画家さんたちが非常に多くございます。そういった幅広いテーマということと,さまざまなテーマをすることでターゲットを明確にするということも大切だと考えております。  豊富な作品を活用し,より多くご観覧いただく。そして,原稿や書簡という紙資料で,非常に保存に気を配るような資料を展示するための対応として,約5週間に一度の展示がえを実施しております。非常に限られたスペースでございますので,より多くの資料をみせるためには,こういった工夫をして展示事業をしております。常設展をせず,年2回の特別展と5~6回の所蔵品による企画展を開催している状況でございます。これはまた,さまざまなテーマをやっているということは,リピーターの確保ということで,開館以来,事業の運営の1つの柱となっております。  次に,外に広がる展覧会ということでご紹介させていただきますし,今後も取り組んでいきたいと考えております。姉妹都市である木島平,それから休館中には市内の公民館などで事業をさせていただきました。昨年は,こちらの左側の下でございますが,宮崎県の高鍋町の美術館で武者小路実篤展を開催いたしました。これは,企画を買っていただくというパック展というような形で,私どもが全て企画し,解説なども書きというようなことをし,展覧会の受託の収益を得るということで,全体的には経費の縮減を図るようなことも試みております。こういったことを引き続き,めり張りをつけながら,館の事業と組み合わせながらやっていきたいと考えております。  次に,普及事業でございます。実篤記念館,公園の魅力を活用して新たなファンを獲得するために,非常に普及事業は大切だと考えております。また,タイムリーなその時代,時代のニーズというようなこともございますので,そういった企画などを常に内容を検討しながら提供していきたいと考えております。  また,事業ごとにさまざまな,また記念館の利用者のアンケートがございますので,そういった中で要望を把握し,事業の内容を精査していきたいと考えております。  専門的な研究ということもやはり私どもにとっては大切なことでございますので,そういった講座も開催し,新しい研究情報を広く紹介するというような講座,講演会などもやっていきたいと考えております。  ちなみに,上の写真は,今年度春に実施しました絵手紙の小池邦夫先生による講演会で,たづくりの大会議室が満室になるというような状況でございます。  下は,一昨年,日本民藝館と調査協力をしながら,いろいろ私どもの実篤記念館の実篤が所蔵した民芸資料を調査して,その成果を昨年の秋に特別展でやりましたけれども,その調査でお世話になった民藝館の杉山さんにお話をいただいて,栁と実篤というような交流も含めた講座なども開かせていただきました。  こういう形で,テーマ,それぞれのターゲットなども含めて,実篤を知らない人でも,民芸や小池先生の絵手紙を知っていらっしゃるファンの方々にも実篤記念館の展示に来ていただくというような取り組みをこの5年間して参りましたし,今後も普及事業,展示事業をそういった視点でやって参りたいと考えております。  次に,地域と連携した事業です。私どもの記念館が展開する事業で,地域の魅力向上に貢献していきたいと考えております。  右下では,とーぶフェスティバル2016ということで,東部地域の東部公民館,せんがわ劇場とか,仙川保育園とか児童館とあわせてスタンプラリーをやって,景品などを皆さんで出してやっているというようなことで,知らなかった施設も行ってみるというような企画になっております。  また,上は,神代書店さん,これは改装前の事業でございますけれども,仙川商店街にあります実篤の足跡を辿るというようなことで,仙川商店街の皆さんに御協力いただいて,ツアーを開催するなどということもしております。  こういった形で,地道ではございますけれども,地域との連携。また,若葉小学校地区協議会では,さまざまな防災も含めた連携をやっておりますし,地区協のやる講座などにも講師を派遣するようなことをしております。  また,地域に開かれたということで,2020年オリンピック・パラリンピックの商工観光の振興というところで,仙川地区の連携ということで,市と協働して私どもも何か貢献していきたいと考えております。  次に,学校教育との連携プログラムでございます。先ほども申しましたように,博学連携のプログラムは10年間にわたり,さまざまな形で力を入れていきたいと考えております。  この1つの背景といたしましては,教育指導要領の中で本物の芸術に触れる鑑賞の活動等を充実させるために,地域の博物館,図書館等の施設を積極的に活用するという文言が盛り込まれました。まさに私どもの記念館で美術鑑賞教育,また文学とのふれあい,「新しき村」,社会,歴史を知るというような企画を提供できると考えておりまして,そういった中で,何か私どもが学校教育との連携をしていけないだろうかと考えております。  また,道徳教育なども科目化になりました。実篤の言葉というのは道徳教育の中でも非常に活用できるかと考えております。そういったことも含めて博学連携のプログラムを作成し,また学校の先生たち,学務課などとも協力体制をつくるということも含めて,時間をかけて構築して,プログラムを利用してもらうような環境をつくっていきたいと考えております。  と申しますのは,私ども,実は東部地域の小学校,中学校は,そういう意味では鑑賞教育や博物館利用ということでは非常に積極的に御協力いただきまして,さまざまな形で参加し,やっております。映像のところでいいますと,上段では,若葉小学校の4年生が,まず美術作品を鑑賞するというようなことをやります。私どもの学芸員が先生と一緒にワークシートをつくって,さまざまな対話をしながら鑑賞していくというようなプログラムもつくっております。また,5年生は,実篤公園で絵を描いて,それを夏休みの期間中,私どもの記念館で展示する。そして,6年生は,さまざまなお勉強の中で,いろいろ授業で利用していただく。四中ですと,中学を卒業する段階の方々に,地域の施設,地域の偉人ということで,実篤記念館を知っていただくという講座と見学会などもやっております。  そのほかに深大寺小学校とか六中なども出前の展覧会とかというのをさせていただき,東部地域には割と身近に感じていただけますが,市の中央や西部地域にはなかなか難しいということで,今後,そういったところの取り組みがうまくできるプログラムをつくって,先生方が学校で何かできないかというようなことを考えて,利用していただく機会を増やしていくという努力をこの10年間してまいりたいと考えております。  次に,ボランティア事業です。市民の方々がガイドや普及事業,環境整備などの3つのグループで活動しております。ガイドに関しては非常に好評でございますし,今後もボランティアの充実や養成は引き続きやっていきたいと思います。  次に,普及事業の中で広報事業でございます。実篤記念館を知っていただくという努力,また私どもの事業を知っていただくということでは,広報資料やホームページ,ツイッターなどの作成ということで,常に発信をしていきたいと考えております。平成29年度から独自ツイッターを開始しました。ホームページと役割を分担し,速報性や話題性に特化した情報を提供していくことで,多くのフォロワーをいただいている状況でございます。こういったことを引き続き10年間やっていきたいと考えております。  次に,資料の収集でございます。これは昨年度購入していただきました「真理先生」の原稿でございますが,収集には専門性の高い知識や経験,長年の資料情報の蓄積などが必要であり,特に寄贈や寄託の場合は,長年の関係者との信頼関係を培っていく必要があるということで,まさに我々の事業団時代からの蓄積,経験と実績が非常に効果的に資料収集では活用できると自負しております。  次に,資料保存でございます。後世に貴重な財産を伝えるということで,3つの収蔵庫がございます。その収蔵庫の状態把握に努め,適切に整理し,良好な環境で保存していく努力をしております。  写真の下の段でございますけれども,これは紙の酸性化の対策ということで,中性紙の保存箱に入れて貴重な図書などを保存,管理していくというような努力を,毎年少しずつですが,やっているという状況でございます。  次に,閲覧・情報公開事業でございます。閲覧サービスは,一般閲覧,特別閲覧というように,一般閲覧では閲覧室で,オープンスペースで楽しんでみながら資料を知っていただく。特別閲覧については専門的な閲覧にも対応して参ります。  次に,情報公開事業の情報提供システムでございます。情報提供システムというのは,映像視聴,それからデータベース,ホームページ,情報提供閲覧システムの総称をしておりますけれども,この10年間の中では,2020年から2021年度にリニューアルの作業をしていくことがございます。映像システムでは,実篤の入門編を休憩コーナーで気楽にみることができる映像視聴のシステムとなっており,情報提供閲覧システムでは,3つのメニューの中からさまざまな,自由に鑑賞して,参加型の情報を閲覧するというようなシステム。そして,データベースは,私どもの収蔵する作品資料の情報をデータベース化して公開しております。専門性の高い要望にも応えていく内容でございます。閲覧室,展示室で利用はできますし,ホームページでも公開しております。外部のホームページでの公開は,画像などは入れずに文字情報のみということで,記念館に来てさらに多くの情報を得られるというような誘導的な内容にもなっております。  次に,調査,研究です。これは私どもの標榜しております武者小路実篤,白樺,「新しき村」に関する情報発信基地であるということで,所蔵品の調査,そして特別展にかかわることで,さまざまな外部での調査を実施して参ります。  これは,現在開かれております「新しき村」の100年の展覧会を実施するに当たって,昨年度から調査,研究いたしまして,上の段は,宮崎の「日向新しき村」のドローン撮影の映像,下は,そのとき「日向新しき村」でどのような生活をしているかというのを映像記録に撮っている状況でございます。こういった形の蓄積をすることで,調査,研究を踏まえ,展覧会や所蔵情報などをふやしていく努力をしてまいりたいと考えております。  次に,仕様ではなかなか触れられておりませんが,私どもにとっては実篤公園,旧実篤邸の活用というのは非常に大きなことだと考えております。双方が相乗効果をもって来館者の誘導ができるかと考えております。また,今年度は,旧実篤邸が有形登録文化財になっております。そういった意味での視点からの保存などには,私どもの記念館の今までの蓄積,経験も活用していけるのではないかと考えています。  ちなみに,実篤公園,旧実篤邸については,緑と公園課から日常管理については私どもの財団が受託している状況でございます。  次に,財政的な問題の縮減の1つの取り組みとして,自主的な取り組みでございますが,物販事業,ミュージアムグッズの事業でございます。現在の博物館施設のミュージアムグッズというのは人気が高くなっております。自主事業ではございますが,バレンタイン時期の限定チョコレートは人気が高く,ここ数年は早い時期の完売となっております。また,認知度を高め,来館の誘導にもつながっております。これらの収益に関しましては,自主財源で自主事業に充てるということで,事業内容の充実や経費の縮減に貢献していると考えております。  また,下段でございますけれども,今年度からショップのリニューアルの準備を進めております。これは利用者アンケートやミュージアムアドバイザーという方々の評価で,ミュージアムショップが余りにも一般的で面白味がないというような御意見が多ございましたので,そういった評価を反映した取り組みでございます。費用に関しては,これまでの物販の収益を利用して実施して参ります。  朗読会のワークショップや観梅会というような事業,また即応性のあるような充実が望まれるような講座,事業等の開催にこういった自主事業の収益を充てて,事業全体をより豊富に充実していく取り組みもさせていただいております。  次に,施設に関する業務でございます。施設運営に関しては,条例や施行規則,仕様書に従って運営してまいります。そして,高齢者,障害のある方及び子どもたちが安全で安心して快適に,また利用者が公平かつ平等に利用できるように運営して参ります。  さらに,利用料金については,大人200円,小・中学生100円で承認を得て実施していきたいと考えております。  次に,施設の管理と整備に関する業務でございます。施設の管理項目に従い,日常管理,維持,保守点検,そして指定管理の期間では,先ほども申しましたように,設備や施設の老朽化,ふぐあいが当初よりも増加しております。安全で安心で快適に過ごせること,そして実篤記念館にとっては貴重な作品資料を長く伝えていくための展示や保存環境というようなことを中心に,それらの内容を充実した形で維持管理,整備に努めていきたいと考えております。  ちなみに,上段は,私どもの地域の特有でございます水害対応で,中庭に非常に水が浸透するということで,石をとって泥を掃き出して,排水を改善するというような事業。それから,3年間にわたり,今年まででしたけれども,収蔵庫の消防設備の二酸化炭素のガス弁のとりかえ作業で,ガスボンベを1回出して調整するというような作業が必要なので,そういった作業の様子でございます。  次に,施設の管理にとって防災や事故防止というのは非常に大切なことだと考えております。日々の巡回で事故を未然に防ぐために,日常の管理や安全管理に努めてまいります。また,先ほど申しましたように,地域として浸水害は大きな問題でございます。浸水が対策の止水板などもございますが,例えばゲリラ豪雨や台風が多発する時期では,休館日の前の日には全て止水板をとりつけて対応にも当たっているというようなことをしております。未然に防げるような努力を常にやっております。また,市から引き継ぎました消防や防災計画をもとに,それを改定し,災害対応行動マニュアルを新たに作成しました。さらに,調布消防署の指導のもと,年1回に消防や防災訓練をしているほか,職員が普通救命救急の講習を受けまして,その資格,またはAEDの操作に不自由ないように努力をしております。  次に,適切な管理運営の取り組みでございます。管理運営については,市や関係機関との連絡,情報共有が大切で,これらの努力を努めてまいります。安全,衛生に資料を後世に残すための資料の保存なども使命を果たす水準を維持し,効率的,効果的な運営を図り,経費縮減に努め,また自主財源を得ることに努めて参ります。  再委託については,計画書の26ページにございますように,専門性や技術を要する業務については再委託にさせていただいて,利用者の視点や品質の確保,コストの適正化を図り,専門業者に委託していくというような考え方でおります。  次に,サービス向上のための取り組みでございます。利用者アンケートの実施。これは来館者,講座等も含めてでございますけれども,利用者アンケートを実施し,それの要望なり考え方を把握するということ。それから,第三者的な立場でチェックするミュージアムアドバイザーを既に導入しております。さらに,市が実施する第三者評価などの評価により,事業の内容の改善や工夫をして,サービスの向上に努めて参ります。  なお,アンケートで一番指摘がございました駅やバス停からの案内表示については,財団による設置調査で得られた結果をもとに,道路管理課の指導を受けながら,改修,新設を進めている状況でございます。  次に,広報活動と利用促進の取り組みです。本日お配りした,お席に置いております中に,私どもの記念館の特別展または移動展のチラシ,さらに,官報でこれまでの事業の報告などを周知しておりますが,こういったことも含めて,またマスコミへの情報提供なども積極的にすることで,なるべく実篤記念館が多くの人に目を向けていただくような,認知をしていただくような努力を引き続きしていきたいと考えております。  次に,利用促進への取り組みということで,小・中学生に向けた記念館利用の促進。先ほどの博学連携などを通してさせていただきたいと思います。また,地域との協力,昨年の文アルのように民間事業者との協力やパック展の企画などでまた認知度,利用度を促進し,ガイドボランティアのフェースツーフェースの事業は非常にお客様に効果的ですので,そういったものをふやしてリピーターになっていただくというような努力も積み重ねてまいりたいと考えております。  次に,管理運営体制の人的能力についてです。運営組織の体制については,現在,常勤,非常勤を含め15名でやっております。特に博物館施設の学芸員としての専門性の高い経験や知識が求められますが,公共施設にかかわる職員としての対応も求められます。さらに,ベテラン職員から若手職員への経験と業務のノウハウの継承には力を入れている状況でございます。これらは業務分担の工夫や各職員のスキルアップにつながるような実務経験を重ねております。  さらに,昨年度は,総務担当と事業担当を交代し,幅広い視野のもと,総合的な視点で実務ができるように,そして,組織の活性化,スキルアップにつながるようなことを実施いたしました。さらに,それぞれの専門性が高まるような研修も引き続き実施して参ります。  その他留意する事項でございます。法令遵守,それから個人情報のあり方,備品の保守点検,損害賠償や管理規程,マニュアル等の作成については,事業計画の33ページから34ページにのっとってやって参ります。  最後に,収支計画でございます。10年間の収支計画ということでいろいろ検討して参りました。特に収支計画は,当財団の場合は指定管理料が単年度精算になります。このために次年度へ収益や差額を繰り越すことはできません。事業計画の35ページを御覧いただきたいと思います。この場合,期間の後半でそういったものを含めて指定管理料を徐々に抑えていくケースも,収益等の累積などができれば考えていきますが,この場合の収支計画ではそういった対応ができておりません。さらに,市の基本計画事業とリンクしておりますので,実施年度によって支出負担の差が大きくなっております。現在想定されております事業のうち,経常の事務事業費のほか,2020年度のオリ・パラに向けたホームページ等の多言語化の対応,それから情報提供システムのリニューアルと機器の入れかえ,実篤記念館の周年記念事業,博学連携プログラム,施設管理での資料保存のための収蔵庫薫蒸と環境調査の実施年に対応した収支計画になっております。  収入では,指定管理料,利用料収入,諸収入のほか,展覧会の受託収入で,毎年ではございませんが,そういった収入を得ることで経費の縮減に努めてまいりたいと思っております。  事業の支出では,普及促進事業,展覧会や普及事業,それから資料管理事業,これは資料の整理や保存にかかわる事業,修理や複製の製作といったような支出でございます。  3の情報提供システムは,情報提供システムにかかわる費用でございまして,2020年度と21年度は,リニューアルにかかわる費用でございますので,経常的に高目になっている状況でございます。  施設管理費に関しては,隔年で100万円ずつのずれがございます。これは薫蒸と環境調査の費用の差額と考えていただければと思います。  予備費,支出に関しては5万円を毎回計上し,どういった内容でこういった支出があるかということを,下段の主な事業のところでご説明させていただいております。  全体で3,500万円ぐらいから大きいときには4,800万円ぐらいの事業活動支出ということで,10年間の事業そのものの予定されている財政フレームの中で,現状では計画書として提出させていただきました。  最後の別紙でございますが,先ほどの施設の維持管理の実施項目についての内容でございます。  また,別紙2,一番最後では組織図ということで,私どもの一般財団法人の組織図を掲載させていただいております。  以上,私どもの事業計画の御説明を終わらせていただきます。 3 質疑応答 ○A委員長  ありがとうございました。時間を守っていただいて本当に恐縮です。  それでは,説明が終わりましたので,これから質疑を行いたいと思います。先ほど申しましたように,15分ぐらいの質問時間ということですけれども,状況に応じてもうちょっと時間が長くなるということもあるかなと思いますので,よろしくお願いいたします。  それでは,何か御質問がありましたら,どうぞ御発言ください。どうぞ。 ○E委員  3点ほどお聞きしたいのですが,まず,事業計画のところで,こちらの計画書の14ページのエで,映像の制作において,実篤入門編となる映像作品を制作すると記載があるのですけれども,先ほど,情報提供システムの更新に合わせて作られるというような説明があったかと思うのですけれども,実際,形となってみれる状況になるスケジュール的なものと,入門編を作って,さらにその次みたいなお考えがあるのか,その辺をお伺いできたらと思います。 ○財団  一問一答にさせていただけますか。 ○E委員  はい。 ○A委員長  どうぞ。 ○財団  それでは,映像のことについて御説明させていただきます。映像の制作に関しましては,昨年度と今年度は2ヵ年をかけて,「新しき村」100年を記録する映像をつくっておりますが,それまでは毎年1本ずつの映像作品をつくっております。既につくっているものにつきましては,実篤の生涯であるとか白樺の紹介がございますか。そのほかに,近年は,実篤作品の朗読ビデオという形で,代表作の内容を解説した上で,作品の一部を朗読する形で鑑賞ができるというようなものをつくってまいりました。基本的には年に1本程度制作できるように考えております。  そして,でき上がりました映像に関しましては,館内の映像提供システム,ビデオが観られるシステムがあるのですが,そちらに登録して,メニューを自分でタッチパネルで選んでみていただけるという状況を現在作っております。現在は本数が多くなっておりまして,全てをそこに入れることが困難になっておりますので,映像だけが観られるシステムでは8本程度を選ぶようになっておりまして,それ以外の,そちらに収録しなかったものも,情報提供システムという別のシステムに入れていて,そちらからは選んで観られるというような形でご提供するようになっております。 ○E委員  ありがとうございました。入門編の後も作るのですか。 ○財団  入門編としてですけれども,実篤についての解説とかという形で既にあるもの,それから,現在は作品に親しんでいただくという形になっておりますが,そういう形で少しずつ進化していく形で作ってまいっております。今後もニーズなどをみながらテーマを選んでビデオを制作していくというように計画しております。 ○E委員  ありがとうございました。2つ目なのですけれども,サービス向上の視点のところです。25ページの(2)運営改善のための取り組みのイ,評価制度の取り組みにおいて,第三者からの専門的な視点として,ミュージアムアドバイザーを導入しその意見を聞くとあるのですけれども,ミュージアムアドバイザーという方はどんな肩書だったり,どういう人だったりというところ。あと,その方の専門的なところで,具体的にどういうところを期待してお願いしているのかというところの御説明をお願いしたいと思います。 ○A委員長  どうぞ。 ○財団  ことしで4年目になります。これまでの3年間に関しては,1年目は博物館の事業などに専門の先生になっていただきました。2年目と3年目は大学で博物館学を教えていらっしゃる先生で学芸員経験のある方にやっていただきました。  内容的には,1年目は,とにかく実篤記念館の事業の中の展示や普及,そして施設の関係とか,動線とか,そういったもの全般で,の専門的な立場でみて,何か不具合なり問題はないかということを検証していただきました。  2年目は,展示内容と展示表現,それから展示室の設備的なものに何か問題がないかという点で検証していただきました。  3年目は,普及促進ということでさまざまな事業を展開しておりますので,そういった事業の内容について,それから今後のあるべき姿も御提案いただいたということをしております。  今年考えておりますのは,施設,設備にいろいろふぐあいが出てきていますので,施設的な立場でみることをしていただける専門的な立場の方にお願いしようかと思っております。 ○E委員  これは10年間で毎年を考えられている。例えば隔年なのか。 ○財団  今のところは毎年ですけれども,隔年でもいいかと思っております。最初のうちは様々なテーマがございます。施設とか,いわゆる高齢者対応とか子ども対応とか,学校との連携についてチェックとか,指導,指示をしていただくとかというのは,最初のうち。始めましたのが4年前からでございますので,ある程度のテーマができましたら,隔年とかそういうことでも大丈夫かと考えております。 ○E委員  ありがとうございました。それから,最後の質問で,人材育成の観点のところで,31ページの(3)にはベテラン職員から若手職員への知的情報等の継承とあって,これは非常に重要な視点かなと思っていて,一番最後,別紙2に組織図があって,先ほどの説明では職員の方は15名いらっしゃるということだったのですけれども,現在の年齢構成みたいなものをちょっと簡単にお聞きしたいのと,今後10年間で採用計画みたいなところのお考えがあれば,お聞かせ願いたい。 ○財団  現在,2名が市のOBでございますので,60以上ということです。私ともう1名が50代でございます。1人はもう50代後半でございます。その次に,40代,そして20代が2名の職員でございます。それ以外に,非常勤については,20代の非常勤嘱託職が2名,60代を超えているのが2名,あとは40代,50代が臨時職員でいるという状況でございます。 ○E委員  特に今後10年間で新卒の方をとるとかということは。 ○財団  基本的には退職の場合は何らかの形で新規採用していくことでやっていきたいと思いますし,やはり小規模なところでございますけれども,少なくとも10年ごとに10歳ぐらいの間隔で正職員は確保できればいいかなと考えております。私ともう1名は最初は非常勤から始まりましたけれども,開館時から勤務しておりますが,それがほぼ退職近くになってきています。その間に正職がなかなかとれませんでしたので,次の40代とは,15ぐらい差がありますので,やはりそういったところの穴埋めというのは,さまざまな仕事の内容の中で,また市とご相談しながら採用計画を考えていきたいと考えております。 ○E委員  ありがとうございました。  以上です。 ○A委員長  ほかにいかがでしょうか。それでは,どうぞ。 ○D副委員長  33ページの4に,損害賠償の保険に入っていらっしゃるということなのですけれども,およそどういうことがカバーされるものなのかということと,例えば,先ほどの事業の中で梅ジャムづくりとかがあったと思うのですが,その中で子どもがやけどしたとか,そんなことに対してはどういうカバーをされているのか教えていただければと思います。 ○財団  まず,事業に関してはレクリエーション保険という形で事業の単発ごとに保険を入れさせていただいて,参加者の事故や何かあった場合の対応をしております。  それから,施設賠償保険に入っております。これについては,指定管理業務に当たる我々が何かしら事業の運営,それから何かのことで破損したり,壊したりといったようなことも含めた形の損害賠償になっております。そのほかに役員賠償や,少額のお金をどうしても銀行などに運ぶ場合がございますので,そういったものに対する補償をつけた保険などを少額ですがやっております。 ○D副委員長  ありがとうございます。 ○A委員長  ほかにいかがでしょうか。  1つには,例えば今まで5年間取り組んでこられたその成果と,それを踏まえた次の10年間のご計画ということなのですけれども,なかなか10年間というと,どのように時代が変わるかどうかわからないという,その難しさというのはありますね。はい。 ○財団  当然,10年間ということで時代も変わりますし,世の中の財政状況も変わるかと思いますので,今10年間の計画を立てさせてはいただいておりますが,やはり中間地点で時点修正というのは当然,今までの反響だったり,改善が必要なこと,課題も含めて時点修正が必要だと考えております。 ○A委員長  いかがでしょうか。質問というよりは,例えばずっとやってこられたことを拝見して,こんなところがおもしろい,こんなところに何か課題があるとかという形で,質問でなくても,こういう点については今後どのようになるだろうかというような見通しみたいなものでもいいのかなという感じもします。  例えば私だと,実篤についてはここに行けばいいのだという定評がもうあるわけです。ただ,お考えの中に,実篤,白樺,「新しき村」というように広げていく,その難しさというのは今後10年間の中でどのように考えられるでしょうか。 ○財団  武者小路実篤についてさまざまな情報や資料を集めてまいりましたし,そういった,武者小路実篤を調査したり顕彰したりしようとすれば,例えば「白樺」の同人の方々とは必ず一緒に資料が出てまいりますし,あるいは「新しき村」の活動にも連動してくるということがございますので,実篤だけを軸足にしても必然的に広がってしまうという部分がございます。  また,ニーズといたしましても,実篤の文学活動を紹介しようとすれば,白樺での活動についての興味が,御来館の方,あるいは興味をもって記念館の情報を見てくださる方には当然そのように広がっていきますので,そういったことにやはり応えていかなければいけないと思っております。  難しさという点でいいますと,すごく簡単にいいますと,範囲が非常に広い。かかわる人の数がすごく多い。非常に近しい人だけでも10や20では済まないというところがありまして,そういった範囲を広げれば,どうしても情報量が非常に多くなるということ。それを収集することの難しさと,それを偏りなく紹介するということのバランスの難しさ。それから,非常に実務的なところで申し上げますと,武者小路実篤を初め「白樺」同人の方々は,著作権の保護期間にある方,まだ保護が続いている方が多いということでありまして,安直な利用の仕方はできない。法律的に著作権をクリアした上での御紹介ということですので,そういった部分での目配りも必要ということ。そういったことがなかなか難しいのかなと思っております。  それから,「新しき村」に関しましては,現在ちょうど100年の展覧会を行っておりますが,100年間の活動期間ということで,やはり活動自体の情報が膨大。また,それを客観的にどのように評価して説明していくかという我々側のスタンスのとり方がやはり非常に重要ではないかと思っておりまして,実篤側に寄り過ぎてもいけないし,余りにも客観的になり過ぎてしまってもいけないというようなスタンスのとり方が,この「新しき村」の活動の紹介については難しいと感じております。  今回,展覧会,100年展でこういった冊子をまとめさせていただきまして,100年間分の活動の資料をまとめるということで,こういうものを作ったということなのですけれども,こういうものをまた活用していただくことを考え,また我々も保管をしていくということを考えていきたいと考えております。  これでお返事になりましたでしょうか。 ○A委員長  はい,よくわかりました。非常に関係者が多いというのと歴史があるということ。そうすると,いわゆる関係の方々から得られる情報も多いけれども,そして,将来,場合によっては寄贈などの期待も一応あるわけです。それに対する記念館がこれだけやっているということの実績を出していく,そこのところの難しさが1つ出てくるかもしれません。  やはり関係者との調査の中で資料がわかると,こういうものが将来役立てるのではないかということの情報がどんどん集まっているだろうと思います。ありがとうございました。  そのほか,いかがでしょう。B委員は美術のほうからではどうでしょうか。実篤というと文学,美術ということになるのですけれども,実篤記念館の計画,こういうのを御覧になって。 ○B委員  今,プレゼンテーションを伺っていて,大変盛りだくさんで,とてもすばらしいなと思う反面,大丈夫かなという気持ちも半分あるのです。先ほどの説明にあったように,武者小路実篤だけではなくて,白樺だ,「新しき村」だとテーマを広げていくのは大変結構なのだけれども,本当に頑張ってくださいとしかいいようがないです。  それで,きょうお話を聞いていて,ちょっと意外だったなと思ったのは,いろいろな展覧会の事業,企画展をやられていますよね。そういった展覧会に当たっての外部資金というのか,助成金みたいなものをもらったことはこれまであったのですか。 ○財団  ないです。 調布市が負担してくれています。 ○B委員  全面的に。それは調布市が優しいからでしょう。でも,これからの10年ということを考えた場合,研究助成とか,展示の助成とか,そういったことも少し考えられたほうがいいかもしれないです。  それと,もう1つよろしいですか。武者小路実篤記念館というのは地域に非常に根差していて,ボランティアさんも大勢いらっしゃるのでしょう。サポーター組織というか友の会のような地域の人たちの支援を受けるような組織というのはあるのですか。 ○財団  地域から支援を受けるという組織は今現在はないです。友の会というものはあるのですが,これは全国から会員になっていただいていて,むしろさまざまな情報を提供する形,ニュースを発行して,実篤記念館が行っている事業であるとか,あるいは武者小路実篤に関連する各地の展覧会であるとか,そういった情報を提供する形で活動している友の会はあるのです。地域から援助していただくような組織というのは今現在はございません。 ○B委員  ボランティアさんというのは何人ぐらいいらっしゃるの。 ○財団  登録している人数が今28人。ちょっと減ってしまったのですが,どうしても,特に男性は高齢の方がお仕事を終わってから入られるのですが,そういう方が活動期間が長くなって,年齢が上がられて,ここのところ2~3年でおやめになったので,今28人まで減ってしまったのですけれども,34~35人ぐらいのところで大体動いてきていました。 ○B委員  ありがとうございます。 ○A委員長  例えば今のボランティアでも,できればもっと増やしたいというお気持ちはあるわけですよね。そうすると,今度は,問題は質がどうなるだろうという,そこのところですね。28だったらバランスはまあまあという形で,もっと数の多いところはあるのですけれども,みている限り質は落ちています。数が多いからといっていいわけではない。そうすると,教育が非常に難しくなるとか,そういうさまざまなことがあって,ボランティアは数がどうだからということではないということ。  それから,ボランティアの人の中で自主的に研究会をやっているようなところもあるのですけれども,そういうのはいかがですか。 ○財団  現在の実篤記念館のボランティアは,仕事別にグループを分けているのですけれども,その中でガイドボランティアというボランティアガイドをしてくださっているグループの方々は非常に知識を得ることに熱心で,勉強会を定期的にということではないのですが,質問が個々に上がってきますので,それに対して回答をまとめて,みんなで共有してもらうというようなことをしております。また,自主的にお勉強なさる方もありますので,そういった方に対しての対応などを行っております。  それから,ボランティアについてなのですが,実篤記念館でボランティア登録していただいている方は,実はみっちり講座をやっておりまして,6回の講座を受けた上で登録していただく。ガイドボランティアについては,さらに実地でやってみていただいて,それでガイドができるかどうかという審査をした上でやっております。その上で,またステップアップ講座というのも毎年1回ずつやっているのですが,それは部門によって朗読に特化した場合,それから全体に皆さんの知識を深めてもらう場合と,いろいろではあるのですが,1回登録してしまったら終わりということではなくて,ステップアップを図るような講座を毎年1回ずつ行うようにしております。 ○A委員長  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。  私たちもいろいろな項目で評価をしなくてはいけなくて,そうすると,この点はどうだったのかと,後で評価を書くときに,あれ聞いておけばよかったというのが幾つか出てくるかもしれません。  あと,ちょっと伺いたいのは,よく関連する施設の中で,もっと海外にアピールせよというのです。そうすると,外国の人は,今度オリンピック・パラリンピックがあって,来たときに武者小路をどうアピールできるか。例えば,ホームページは英語がチェンジできましたでしょうか。 ○財団  これから,今取り組んでいるところです。 ○A委員長  例えばそういうことなども今後必要になってくるのかな。そうすると,外国から来た,特に文化に関係のある人でも,武者小路はどんな人ですか,「新しき村」はどういうところですかということが発信できるようにするためには,何かそういうものが必要かもしれません。ガイドのところで英語のコメントみたいなものはあるわけですか。 ○財団  今,印刷物で1つ,外国語での実篤記念館の紹介パンフレットを作ってありまして,英語と中国語と韓国語です。簡単な実篤記念館と武者小路実篤の紹介という程度のものではあるのですが,そういったものを一応用意しております。  先ほどと同じことになってしまいますが,ホームページはこれから多言語化ということで計画しているという状況でございます。 ○A委員長  どうぞ。 ○D副委員長  実際,そういった海外の方の御利用の状況というのはどうなのですか。 ○財団  来館者という意味で申しますと,いわゆるヨーロッパ系の方々もおみかけすることがありますし,そういう方はもともと日本文化に非常に詳しい方で,日本語をかなりお話しになる方がおいでになる。それから,研究ですと,韓国,それから中国,台湾の方が,文学関係のこと,それから「新しき村」関係の思想的なことの研究で実篤をテーマにしておられる方がありまして,そういった方から御来館であったり,あるいは御質問,御紹介であったり,レファレンスがあったりいたします。  それから,我々が四苦八苦して対応しておりますのは,近年としましては,白樺派が日本へ招来したゴッホの「向日葵」のカラー図版を今提供できるのがどうも実篤記念館だけのようで,海外から図版の提供の依頼が毎年2件ずつぐらい入っている感じで,我々,余り語学が堪能でないものですから,今現在,ほとんどそういった御連絡はメールで来る。ほぼ英語のやりとりで,今年は,今現在対応しているのが2件目ですが,ゴッホの「向日葵」の,しかも幻の,焼けてしまって現物が残っていないもののカラー図版ということで,それがずっとここ何年か,毎年外国とのやりとりという形で起こっております。 ○D副委員長  ありがとうございます。 ○A委員長  カラー図版は確かにありますよね。ですから,提供しようと思えば,あれは著作権とかそういうのがどうなっているかは難しいかもしれないのですけれども。 ○財団  ゴッホ自体のは切れてしまっていますし,「白樺」の著作権という意味ですと,もう「白樺」が存在しないので,その部分は大丈夫かなと考えております。  大正10年に発行した複製画があって,それが唯一のカラー図版ということで,あと,「白樺」本誌のカラー図版もあるわけですけれども,この2つだけがゴッホの失われてしまった「向日葵」のカラー版だということで,それについてのオファーが毎年あるという状況でございます。 ○A委員長  国際的なものをちょっと視野に入れると,もっと可能性というか,もっと発信するといろいろなことがあるのかなと思います。  そのほかいかがでしょうか。ちょっと時間がもうたってしまいましたけれども,まだお伺いしたいことはたくさんあるのと思うのですが,本当によくわかって,感動したのは,敷居は低く,間口は広く,奥行きは深く,本当にこのことを毎日,館の人たちが言い合って,それでやっておられるのだろうという,そこのところがとてもよくわかって,非常に苦心なさっているなと。  そのほかいかがでしょうか。詳しい事業計画書が出ていますので,これでも十分うかがえることはあると思いますけれども,よろしゅうございますでしょうか。      (「なし」の声あり)  それでは,ありがとうございました。それで,なければ,評価に入りますけれども,そういう段取りでよろしいでしょうか。  それでは,財団の方,どうもありがとうございました。    〔財団退室〕 4 審査表への記入及び提出 ○A委員長  それでは,事務局から段取りの説明をお願いいたします。 ○事務局  それでは,御説明いたします。A3縦長の審査表ものですけれども,皆様におおむね20分の予定で各項目の評価をしていただきたいと思います。  評価につきましては5段階評価。5,特にすぐれている,4,すぐれている,3,標準的である,2,やや劣っている,1,劣っているの評価でお願いいたします。  各項目は右側にコメント欄がありますので,御意見等がある場合につきましては,御記入いただきたいと思います。また,審査評価内容以外での御意見等もあると思います。そういった場合には,一番下の枠囲みの中に自由記入欄がございますので,そちらにお願いしたいと思います。  なお,審査表の評価をいただく欄の下に合計点と書いてある欄がありますけれども,こちらについては事務局で集計いたしますので,委員の皆様には記入されなくて結構でございます。また,審査表の右上の委員名の欄に,委員の方それぞれお名前を御記入の上,評価をいただきたいと思います。  説明は以上です。 ○A委員長  評価理由は全て書かなくてはいけないわけではないということですか。 ○事務局  ということではございません。委員の方が特にコメントを記入する必要があると考えた場合については,どういった評価の内容であっても記入いただいて結構です。 ○A委員長  ということだそうです。それでよろしいでしょうか。やはり2や1をつけるとどうしてかというのは書いておかなくてはいけないということはあるかもしれません。  それでは,20分ほどですか,どうぞよろしくお願いいたします。    〔審査表記入〕 ○A委員長  それでは,御面倒でも,どうぞとりまとめをお願いいたします。 委員の方は,集計結果が出るまで休憩ということにいたしますので,どうぞよろしくお願いいたします。    〔暫時休憩〕 5 集計結果発表及び審査 ○A委員長  それでは,集計が終わったので,委員会を再開いたします。 ○事務局  集計が終わりましたので,委員の方に集計結果を配付してよろしいでしょうか。 ○A委員長  それでは,どうぞよろしくお願いいたします。    〔集計結果配付〕 ○A委員長  では,御覧になってみて。――はい。 ○事務局  今もう一度お配りいたしました審査表と集計表についてですが,お名前の横に番号が振ってございます。こちらの番号が集計表に書かれている番号と同じものになっております。自分の評価が間違いなく反映されているかというところを一度御確認いただければと思います。もし違うところがございましたら御指摘ください。 ○A委員長  大丈夫でしょうか。自分のところだけきちんとこれに反映しているか。  さあ,この後は,この点数ということでごらんいただいてということなのですけれども,平均点は79.57ということになります。判断水準は60以上ということなので,一応妥当であるという結論になるのですが,どうでしょうか。そういう形にして,あとは,それぞれのコメントについてはどのようになるのでしたでしょうか。これはどこかで反映するわけですか。 ○事務局  事務局のほうでまとめて,教育委員会に報告を出します。先に委員長としての報告書の案をつくりますので,それを委員長に確認していただいて,その後に教育委員会に報告するという形になります。 ○A委員長  まとめについては私が一応判断する。 ○事務局  そうです。 ○A委員長  わかりました。いかがでしょうか。 ○B委員  良かったですね。 ○A委員長  もちろん,これではだめだという人はいないわけだったわけですけれども,ちょっと評価が高い方もいるし,もうちょっと頑張ってほしいという気持ちが表れていることもあるわけですけれども,特に,一番こういうのでみるのは,2と1があるかないかということなのですが,私の関係のところで2,1が出たことがあるものですから,そういうときに議論したこともあるのです。そうすると,おのずから,こういうところはもうちょっととか,そういう感じは点数でわかるのでしょうけれども,難しいと思います。  1から20のうちで点数が高いところは,おのずから取り組みがしっかりしていて,安心して任せられるということがわかるような,合計が30近い,あるいは30以上ということで,特に一番うれしいのは,9番のところが非常に皆さん評価は高かったので,安心して取り組みを提案していただけているという,これはこの中では一番大事なところが33ですから,良かったなという感じであります。  あと,点数が高いのは12番で,きちんとした資料の管理及びそれをどう公開に結びつけているか。文学館としては一番大事なので,これについて皆さんが安心して任せられるということが出ているということとか,地域との交流,あるいはほかの機関との取り組みとか,いろいろなところにおいては非常に高い評価になっていると思います。  一番低目というのは特に問題はないのかな。個人情報云々というのは,わからないですよね。何か大きな問題があったならともかくとして,一応標準的な取り組みをなさってくださっている。  それでは,よろしいでしょうか。そういう形で,今度,一般財団法人調布市武者小路実篤記念館が候補者として,一応この委員会として妥当であると結論を出したいと思います。よろしゅうございますでしょうか。      (「異議なし」の声あり)  ありがとうございます。 ○事務局  それでは,それぞれ委員の方個々で審査いただいた審査表については,いま一度こちらのほうで回収させていただきまして,お手元には委員①から⑦までの集計表だけお残しいただくような形になりますので,よろしくお願いいたします。 ○A委員長  では,それを事務局のほうでまとめていただいて,やはり評価と同時に,このような工夫がもっとあるといいですというそれぞれの委員の意見をお伝えする。それから,全体の雰囲気については,事務局がつくっていただいたのは私のほうで確認させていただいて,最終的に報告してくださるということになると思います。それは私の役目なわけですね。ちゃんと確認するという形ですね。わかりました。  それでは,そういうことで進めたいと思いますので,では,回収だけ。    〔集計結果回収〕 ○A委員長  これは公開なわけですか。 ○事務局  はい。 ○A委員長  そうすると,最終的に教育委員会なり,そういうところに報告されて,この数字も出るということですよね。ただ,委員は特定できないようになっているというのは当然のことだと思います。  それでは,このような形で終わらせていただくのでよろしゅうございますでしょうか。 ○事務局  はい。 6 今後の予定について ○事務局  議題4になりますけれども,今後の予定について御説明いたします。これからですけれども,この委員会の結果につきまして,今それぞれ各委員の皆様からいただいた御意見がたくさん記入されていると思います。そういったところを附帯意見という形であわせまして,委員長報告としてとりまとめさせていただきます。それを教育長に報告させていただきます。  教育長報告決裁後,おおむね11月中に候補者と仮基本協定書を結び,12月の第4回市議会定例会で承認を受けた後,基本協定書を締結するという流れとなってございます。  以上でございます。 ○A委員長  ありがとうございました。それでは,そういう段取りだそうですので,どうぞよろしくお願いいたします。  それでは,以上で第2回の選定審査委員会を閉会いたします。本当にどうも御協力ありがとうございました。                                  ――了――