令和6年度 第1回 調布市児童発達支援事業所等連絡会 議事録 日時 令和6年7月17日(水) 午後2時30分〜午後4時 場所 調布市文化会館たづくり 出席 ・調布市内児童発達支援事業所 6か所 ・子ども発達センター(事務局) 欠席 ・調布市内児童発達支援事業所 3か所 議事次第 1 事業発達支援事業所等連絡会の目的について 2 各事業所自己紹介 3 議題 (1) 災害時の対応について (2) 今後の調布市児童発達支援事業所等連絡会について 4 その他 議事録 1 児童発達支援事業所等連絡会の目的について 〈 事務局 〉  令和2年10月に,センターが児童発達支援センターとして位置づけられたことで,地域の中核的拠点という役割を担うこととなり,この児童発達支援事業所等連絡会を開催している。令和4年6月に成立した改正の児童福祉法でも,高度な専門性に基づく発達支援や家族支援,スーパーバイズコンサルテーション機能,地域のインクルージョン推進の中核機能を求められている。連絡会を通じて地域全体として障害児の支援体制を強化できるよう,情報交換や意見交換をしていきたい。 2 各事業所あいさつ 3 議題 (1) 災害時の対応について(資料あり) 〈 事務局 〉  昨年度,児童発達支援事業所ごとにBCPの作成が義務づけられ,各事業所で防災対策をどのように行っているのか共有したいと考え議題とした。各事業所への質問はあるか。 〈 事業所A 〉  火災,地震,水害等を想定して年2回避難訓練を実施し,徒歩で避難先まで行くこともしている。保護者との伝言ダイヤルを使用した訓練も年2回実施。備蓄は医療物品等約20人分用意している。医療ケア度が高く通常の食事を摂れない方が多くいるため,その方に合ったものを家庭から預かり,日頃から使用するものと備蓄用とを回転しながら提供している。医療職が揃わないと事業の再開ができず,早ければ翌日だが,1週間以内の再開を目標に計画を立てた。保護者への連絡方法については,架電はするがつながらないことが想定されるため,伝言ダイヤルやLINEを使用する他,来所した保護者のために掲示で知らせようと考えている。  スタッフにも家庭がある中で,避難先に保護者が迎えに来るまでの人材確保         をどのように考えているかお聞きしたい。現在要支援者の避難先として福祉作業所等が指定されているが,バリアフリー化されていない施設もある。吸引や呼吸器使用者に対応できる看護師が必要となるが,避難先にいない状況も考え得るため,保育士や児童指導員も最低限のケアができるよう喀痰吸引研修を受けている。利用対象者への支援が日常の見守りや介助ではないという点で,大きな課題だと感じている。 〈 事務局 〉  実際に避難所まで行っての訓練を実施したり,避難所での対応を考えていたりする事業所があれば参考にさせていただきたい。 〈 事業所B 〉  想定のみで実際の訓練はできていないが,災害時に招集できる人員の把握のため昨年アンケートを実施した。未成年の子どもがいるため参集は難しいなど,家庭状況等を踏まえながら各々が回答した。 〈 事務局 〉  センターでは避難所へ行っての訓練は実施していない。センターでは館内の安全確認ができればセンター内に留まり,館外避難となった場合は広域避難所の調布基地跡地運動広場や大沢総合グラウンドに行く。センター自体が福祉避難所に指定されているため,基本的には館内避難になると想定している。 〈 事業所A 〉  当事業所は,向かいにある施設の駐車場に一旦避難し,その間に事業所内の安全確認を行う。避難が必要となった場合は,徒歩で車椅子を押しながら避難所へ向かうことになる。呼吸器を使用していても通れる道幅なのか等を確認するため,利用児を連れて避難場所まで行く訓練は実施しているが,避難先の内部や,医療職が配置されるかについては把握できていないため,細かな計画は立てられていない。事業所のスタッフもどの程度避難所に残れるか不明という点で課題を感じている。 〈 事業所B 〉  昨年,小学校でやっている地域の防災訓練に参加した。福祉施設利用児・者と地域の人が共に避難所を利用するため,どのようにしたらいいかということを参加者皆が感じたようだった。環境の変化や物音が苦手な子では,生活は難しいだろうというような避難所の在り方だった。家庭毎の避難スペースも十分ではないため,医療的ケアの必要な方にとっては非常に困難になるのではないかと思う。 〈 事業所A 〉  電源確保の必要性等から,医療的ケアが必要な方の避難所は,一般に開放されている避難所とは別に指定されている。2年程前多摩川に氾濫の恐れがあった際,医療的ケア児を連れて近隣小学校に避難したが,受け入れてもらえなかったという方がいた。当時は医療的ケア児の避難先というのが知られていなかった。 〈 事業所B 〉  昨年,初めて伝言ダイヤルを使用しての引取り訓練を実施し,公共交通機関を使用しない場合のセンターまでの所要時間を保護者に確認してもらった。保護者に引き渡すまでの時間も想定はしているか。 〈 事業所A 〉  家族が被災されていないという想定で,引き渡すまでの時間は把握しており,プラスアルファした時間に必要な物品を家庭から預かっている。 〈 事務局 〉  親子で通所している場合,帰宅させるタイミングはどのように考えているか。 〈 事業所D 〉  建物の状況や余震の程度等によって判断する。家庭の状況によっても柔軟に対応したいと考えている。2,3日分程度であれば備蓄があるため対応できる。 〈 事業所F 〉  徒歩2,3分の距離にある小学校へ行くという訓練を実施している。災害時はそこに避難するため,事業所としての備蓄は最低限になる。帰宅のタイミングは交通手段があるか等にもよるが,建物崩壊の恐れもあるため,保護者の判断に任せることもあるかと思う。 〈 事業所E 〉  放課後等デイサービスもやっているため,1人で通所している子も増えており,親子でいない場合は待機させるかと思う。伝言ダイヤルを使用した訓練を実施したことがないため,検討したい。 〈 事業所B 〉  基本的には保護者が待合室にいるため,保護者との連絡手段の確保については心配がない。グループ指導では利用児が最大4人で,きょうだいや両親と来ている家庭もあると想定し,備蓄は11人分程度用意している。帰宅のタイミングは保護者に判断してもらう。備蓄が1日分のため避難が2日以上になる場合は避難所に移動を依頼する。 〈 事務局 〉  センターの備蓄は100人分を3日分で,食料以外に毛布等も用意している。今年は非常用電源購入に際し補助が出ることになっている。医療的ケア児が通園事業を利用することもあり,既に持っている,購入を検討している等があれば参考にしたい。 〈 事業所A 〉  呼吸器を使用しており加温加湿器をつけたまま外出する方がいるため,日常的にポータブル電源は利用している。送迎車から電源確保できるよう,毎日の車両点検と併せて,ガソリンは必ず半分以上ある状態にしている。体温調整の苦手な子もおり,停電時の状況によっては,車内が避難所となるようにと考えている。ソーラーパネルはよほどのサイズでないと供給が追い付かず,医療機器は正弦波でないと故障する可能性があると聞いたことがある。 〈 事業所C 〉  避難訓練時の地域住民との協力に関する文言があり,都に問い合わせた。利用児と地域住民とが協力した避難訓練とはと質問したところ,避難先の管理者と定期的にやりとりしたり,地域の方に避難訓練に参加してもらったりするという回答だった。地域の方と協力している事業所があれば聞きたい。 〈 事業所A 〉  地域住民との連携はほぼないが,向かいの施設に依頼することはあると思う。 〈 事業所F 〉  事業所が入っているビルのオーナーとは,避難訓練や消火訓練を実施している。地域の店舗や交番,駅などとのつながりは,日頃の活動を通じて大切にしている。 〈 事務局 〉  調布市では4月に防災の日があり,市立の全小学校で訓練を行っている。誰でも参加できるため,近隣の避難所を知る機会とされるとよい。利用児の特性を伝えながら,受けられる支援についても質問できるかと思う。また,近くの福祉避難所についても調べておくとよいかと思う。 〈 事業所F 〉  近隣の学校に避難することが想定される中で,事業所としての最低限の備蓄とはどの程度か。 〈 事務局 〉  3日分は用意しておくとよいと聞いたことがある。味気のない食べ物が続くなか,カレーライスのように皆が好きで食べることを楽しみにできる物も用意できるとよいとも聞いたことがある。 〈 事業所B 〉  非常食を提供しても利用児が食べられるかどうかわからない。事業所Aが家庭から預かっているというのはよいアイデアだと感じた。 〈 事業所A 〉  利用児それぞれに箱を用意し,着替えや予備の医療物品,本人が飲める飲料,ラコール等の医療的栄養剤等必要な物を常に入れておき,残り少なくなったら保護者に補充を依頼している。事業所に水は用意しているが,飲めないという子もいる。  預かる食料は,臭わず常温保管できるものでお願いしている。使用期限や賞味期限があるものは,事業所で毎月確認したり,前もって保護者に入れ替えを依頼したりしている。 〈 事務局 〉  毎月の確認というのは負担があるかと思うが,事業所立ち上げ当初からのルールなのか。 〈 事業所A 〉  立ち上げ時にはなかった。個人的に都と市での災害対策を検討するチームに参加した経緯があり,自身が当事業所で勤め始めてから通所の安全性について見直しはじめ,4年程前から毎月の確認を行うようになった。 〈 事務局 〉  親子通所なのか子どものみの通所なのかや,療育時間の長さによっても備蓄内容や対応,避難時に持ち出す物が異なるのかと思う。センターでは個人情報ファイルやAED,救急バック等を持ち出すことになっている。 〈 事業所E 〉  個人情報の内容を知りたい。持ち出し用のリストは作成しているか。 〈 事業所B 〉  通園では名前,生年月日,住所,電話番号,診断名,を一覧にしたもの持ち出す。 〈 事務局 〉  保護者と通所していない子は,保護者の連絡先,既往,服用している薬名等が記入された票があり,それを持ち出す。 〈 事業所A 〉  子どもによって歌絵本があると落ち着くからそれを持ち出す,というような準備はしているのか。体調の安定を優先して荷物を準備しているため,精神的な安定を図る準備のために参考にしたい。 〈 事業所B 〉  物がなくても楽しめるような遊びを日常的にしているため,避難先ではそうした遊びをするかと思う。一目でわかるようにビブスを着用させる等,アレルギー対策は必要だと聞く。着ることが苦手な子もいるため,それに代わる目印を用意することも検討したいと考えている。 〈 事業所A 〉  アレルギー児対策だけでなく,子どもとはぐれた時に連絡をもらう先がわかるようにしておく,ということを考えても目印があるとよい。 〈 事業所C 〉  一般的な防災リュックを用意している。避難所で周囲の方に子どもを理解してもらえるよう,ヘルプマークのような目印を用意しておくとよいかと感じた。 〈 事業所A 〉  在宅の医療的ケアの子どもは,冷蔵庫に個人情報が入った筒が入っており,それを見ながら対応してもらえるようになっている。要支援であることがわかるよう目印のため玄関にはシールが貼られている。避難所でも,年齢に関わらず要支援であることが一目でわかるようなシールがあるとよいのではないか。 〈 事務局 〉  障害福祉課と高齢者支援室では要配慮者がリスト化されているが,具体的にどのように活用されるかは決まっていないかと思う。要配慮であることが一目でわかるツールがあるとよいという意見は障害福祉課や防災安全課にも伝える。 (2)  今後の調布市児童発達支援事業所等連絡会について < 事務局 >  今後連絡会で議事にしたいことや,要望があればお聞きしたい。児童発達支援事業所も対象とした研修を年2回開催しており,先月今年度第1回を実施したところではあるが,研修についての要望もあれば伺いたい。 〈 事業所C 〉  報酬改定の中で,事業所間の連携をするようにという項目があったが,どこの事業所が中心となって連携していくのか等,どのように対応していけばよいかがわからない。調布市は月25日で支給決定されることが多く,併用している子が非常に多い現状がある。かつ,ほぼセルフプランに基づいて受給者証が交付されている。 〈 事務局 〉  これについては以前から,事業所を併用している子が多くいる一方で,どの事業所も利用できずに待機している子もいるという現状もあり,センターで調整できないのかという意見をいただいていた。月25日支給決定された上で希望により併用している方に対し,適量利用についての助言を行うことは非常に難しい。相談担当が障害児支援計画を立てるときに,保護者にどのように説明するかは課題だと認識している。 〈 事業所C 〉  連携加算というものがある。セルフプランで複数の事業所を利用している場合はセンターが中心になって連携をとっていけばよいのか。 〈 事業所A 〉  放課後等デイサービスとして市に確認した際は,上限額管理事業所がやるのが一番よいという回答だった。 〈 事業所F 〉  どこが中心となって連携をしていくかは課題である。複数の事業所を利用することで,在籍園での生活に支障が出る可能性もあり,在籍園を含めての連携は必要だと考えている。 〈 事務局 〉  これについては時間をかけて検討していきたい。他に今後話していきたいことはあるか。 〈 事業所C 〉  7月にガイドラインが新しくなり,地域連携と,移行支援が大きく取り上げられている。移行支援はどのように取組もうと考えているか。事業所退所を促すわけではないが,徐々に支援をフェードアウトしていくべきと捉えた。在籍園とは別に相談先があることが保護者の安心につながっていることもあり,その中で支援をフェードアウトしていくことは難しく,在籍園との密な連携も必要になっていくかと思う。他の事業所の考えや計画を参考にしたい。 〈 事務局 〉  移行支援の意義目的も考えていきながら,意見交換していけるとよい。 ――了――