社会教育情報紙「コラボ」令和5年度第1号 令和5年7月10日発行 調布市教育委員会 コラボは、青少年教育に関するイベント情報や家庭教育のヒントを掲載しています。 【1頁】 ご存知ですか「こどもの家」地域で子どもたちの安全をサポートしています 「こどもの家」とは、子どもが登下校中や外で遊んでいる時に、不審者に声をかけられたり、犯罪行為に巻き込まれそうになった際の緊急避難場所です。 小学校通学路を中心に地域の協力者の家、商店、事業所などに登録いただいており、現在市内では通学路周辺を中心とする約1,985件の家庭と、約592件の商店や事業所が登録しています。また、郵便局やクリーニング店、新聞販売所、ヤクルト販売センターは、配達の際にパトロールを行っています。 登録場所には目印として、道路などから見えやすい位置に黄色のプレートやステッカーが設置されています。ご家庭では、子どもと一緒に自宅周辺や通学路上の、特に大人がいそうな商店などの「こどもの家」の場所を確認していただくとともに、知らない人から声をかけられたり、危険を感じたら、「こどもの家」に駆け込んで助けを求めるよう、日ごろから声掛けをお願いします。 「こどもの家」の場所を確認しておこう 商店や公共施設など 黄色のプレートが目印です 「こどもの家」に登録するには 主に、次の2つの条件を基準にご登録をお願いしています。 (1)児童の登下校の時間帯を中心に在宅していること (2)オートロックマンションの方の場合、いざという時に駆け込みができないことがあるため、児童の登下校の時間帯を中心に比較的、管理人の方が常駐していること 商店や医療機関などの事業所の方々にもご登録をお願いしています。 手続きは、各小学校のPTA担当者等が行っています。ご協力いただける方は、学区域の小学校へお問い合わせください。 なお、ご登録いただくと、保険に加入することになります(保険料の負担や個別の手続きは必要ありません)。 また、子どもが駆け込んで来た場合の対処法や、警察への連絡方法などをまとめた「緊急時対応マニュアル」を配付します。    (社会教育課 電話042-481-7490) 【2頁】 家庭教育セミナーのご紹介 家庭教育セミナーとは、核家族化・少子化傾向の中、保護者や子どもに関わる大人が、家庭や地域の課題・悩みを解決し、教育力を高めることを目的として実施する事業です。 企画・運営は、市内各公立小・中学校のPTAが、テーマ設定や運営を行っています。 会場は、市内の各公立小・中学校です。 費用はかかりません。無料で参加できます。 対象は、開催校の保護者、近隣住民の方、セミナーに興味のある方、どなたでも参加できます。 令和4年度に開催された家庭教育セミナーから (1)小学3年生から始める3つの睡眠習慣(会場・オンライン併用開催) 実施校/実施日:第一小学校/2023年1月27日(金曜日) 講師/遠藤 拓郎氏(スリープクリニック調布 院長・日本睡眠学会専門医) 印象に残った講師の言葉 「睡眠時間は休みの日も習慣化することが大切。」「年齢によっても睡眠が変わってくる。」「日照時間が睡眠時間、成長に関係している。」 参加者の声 「子どもや親自身の睡眠について考える良い機会になりました。」「色々な検証を元にしたお話を伺い、とても勉強になりました。」「今日のお話を子どもと共有して、毎日安定した睡眠時間を確保できるようにしたいと思いました。」 (2)コロナ時代を経て、子どもたちの未来を考える その子らしさを大切に(オンライン開催) 実施校/実施日:布田小学校/2023年2月5日(日曜日) 講師/汐見 稔幸氏(一般社団法人 家族・保育デザイン研究所代表理事) 印象に残った講師の言葉 「社会力の基礎は3歳くらいまでに完成している。」「トークアンドチョークの時代は昔。今は考える力が必要。」「孤立は子育ての最大の敵」 参加者の声 「時代に合わせた教育に、学校・保護者・地域が共通理解・連携して取り組めるといいなと思いました。」「親自身が社会変化のスピードについていけてないことや、その先の未来へのイメージが想像できなかったりすることも、少なからず子供に影響しているのだな、と感じました。」 (3)防災啓発ドキュメンタリー映画「いつか君の花明かりには」上映と講演会 実施校/実施日:柏野小学校/2023年3月5日(日曜日) 講師/山崎 光 氏(防災士、防災団体やろうよ こども防災 代表、NPO法人みたかみんなの防災 理事) 印象に残った講師の言葉 「恐怖心が強いと向き合う事から逃げたくなるのが、人間。その正常性バイアスを打ち破ることが必要。」「災害が起こった時、大切な人のところにすぐに駆け付けることはできない。だからこそ、命を守るための術(防災)を伝え、一緒に考えていく。」 参加者の声 「大切な人、そして自分自身を出来る限り災害から身を守るだけでなく、その意識や知識を皆で少しずつ共有していく輪が広がっていけば、悲しい思いをする人を減らすことが出来ると気づかせていただきました。」 令和4年度は、このほか3校が開催、合計6校のPTAが家庭教育、子どもの成長、地域での青少年育成について学びました。 (注)新型ウイルス感染拡大防止及び学校教育活動への感染リスクを避けるため、参加対象を「開催校の保護者のみ」としました。 令和5年度は、現在、10校のPTAで担当者が企画中です。 市報・市ホームページでお知らせしますので、興味のある方は、ぜひご参加ください。 開催した内容は、本紙「コラボ」次号以降でご紹介します。 【3頁】 コラム 見ようとしないと見えてこないヤングケアラーの実態 子どもが頼れる大人の必要性 一般社団法人ケアラーワークス 代表理事 田中 悠美子(たなか ゆみこ)  ヤングケアラーが注目されている背景には、家庭が抱える課題が複雑化、複合化しやすくなっていることにあります。少子高齢化が進み、一世帯当たりの人数が減少傾向にあり、共働き世帯も増加しています。また、ひとり親世帯の増加、地域とのつながりの希薄化等もあり、病気や障がいのある家族や幼いきょうだいのケアを巡って、子どもに過度な負担や生活への影響が生じてしまう事態が起きています。 ヤングケアラーという言葉が社会に広がりつつありますが、子どもたちが日常的に家族の世話や介護をしている状況は、昔から存在していると考えます。そもそも日本には、「介護は家族でなんとかしなければならない」という認識があるため、家庭内の困りごとを気軽に他者に話すことは難しいです。また、多くのヤングケアラーにとって、家族のケアをすることは当たり前のこととして受け入れられており、ケアをしていることの自覚がありません。周囲の人がケアしている子どもたちを「しっかり者のいい子」「家族のためにえらい子」という評価をしてしまうと、負担や困りごとを抱えているのかどうか確かめることができません。見ようとする意識がないと見過ごしてしまうのです。 子どもたちが家族の世話や介護を手伝うこと自体は悪いことではありません。ケアの経験から多くのことを学べる一方で、手伝いの範疇を越えて、日常的に子どもが家族のケアの役割や責任を負って逃れることができないほど、大人から介護力として当てにされてしまうことが課題であると感じます。 国が令和2年度に行った実態調査によると、家族のケアをしている人は、中学2年生の場合で17人に1人、高校2年生の場合で24人に1人であることがわかりました。ケアの対象となる人は、きょうだいや父母が多いという傾向がありますが、祖父母や他の親族等の場合もあります。 そして、子どもたちがしているケア内容は、家族の代わりに家事をする、きょうだいのお世話、保育園の送迎、外出の同行、通訳、身体的な介護、感情面のサポートなど多様です。ケアにかけている時間は、中学2年生の場合で、平日平均4時間、高校2年生の場合で、平日平均3.8時間です。頻度は、ほぼ毎日と回答した人が4割弱となっています。ケアをしている子どものうち5人に1人が自分の時間の確保が難しい状況がわかりました。 子どもたちの学業への影響としては、ケアをするために勉強や宿題をする時間がない、デイサービスの送り出しや通院の付き添いなどのために学校を欠席や遅刻せざるを得ないことがあります。 また、友人と遊ぶ時間が取れず、話題についていけない、自分の状況を打ち明けることも難しく、関係が疎遠になってしまうこともあります。 将来への影響として、ケアのために進路について考えたり、受験勉強をする時間が取れず、諦めてしまう場合もあります。 さらに、健康面への影響としては、忙しく家事をこなしたり、常に家族のことを気にかけたり、見守りをしていると緊張が続いている状態になり、疲労や睡眠不足、ストレスから心身に不調をきたしてしまいます。 自ら「やりたいこと」「やりたくないこと」を発信してもいいのですが、家族も大変な思いを抱えているため、声を出しにくい状況があります。だからこそ周囲の人の気づきや理解、配慮が重要になります。  具体的には、地域社会の中で、ヤングケアラーの存在に気づくことができる人、子どもが頼ることができる人を増やしていくことが大切ではないかと思います。さらに、子どもがどのような気持ちで過ごしているのか、どうしたいのかに寄り添い、信頼関係を築きながら、子どもが本音で話ができる人や場所が必要です。また、必要に応じて、相談支援機関につないでいくことも重要です。 そして、「子どもの権利を守る」という視点を持ち、教育を受ける権利や休み・遊ぶ権利、意見を表す権利などが脅かされていないか確認し、権利が奪われている場合は、改善をしていく対応が求められると思います。  最後に、ヤングケアラーとその家族の地域生活を支えていくために、教育機関、公的な相談機関、介護・医療・保育サービスといった多機関が協働できる体制づくりが求められます。分野や領域を超えて、支援者や支援機関が横につながり、サポートチームができることが大切だと考えます。 たなかゆみこさんプロフィール 社会福祉学博士、社会福祉士。 ヤングケアラー・若者ケアラーのピアサポート活動の推進、研究や啓発、相談支援等を展開している。 令和4年度東京都ヤングケアラー支援検討委員会、埼玉県ヤングケアラー支援推進協議会の委員を務める。 参考 調布市のヤングケアラー支援 調布市ホームページ https://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1680498905563/index.html 【4頁】 ウェルカム 青少年交流館 青少年交流館には、多目的室・集会室という2つの部屋があり、それぞれの部屋では、卓球やボードゲーム、工作、パソコンなど様々な遊びを楽しむことができます。 また、専門員がみなさんの活動をサポートします。令和5年度から加わった新しい専門員が、夏休みもたのしいイベントを開催予定です。みなさんの来館をお待ちしています。 イベントとは 月に1回程度、専門員が企画したイベントを開催しています。 工作やスポーツなどを通して、学年や学校が違うおともだちとも仲良くなれますよ。 ぜひ、遊びにきてくださいね。 令和4年度に開催したイベント紹介 スポーツ:ダーツ 工作:プラバンキーホルダーづくり 風船スクイーズづくりなど このほかにも、読み聞かせやお楽しみ会をやったよ 青少年交流館の青少年開放時間 小学生:3月から10月まで…午後1時30分から午後5時まで 11月から2月まで…午後1時30分から午後4時30分まで 中学生・高校生:午後1時30分から午後6時まで パソコン利用時間もそれぞれ同じ 青少年交流館 所在地 調布市飛田給1-52-1  電話・ファクス 042-481-1115 休館日 年末年始(12月29日から1月3日まで)、臨時休館日 「コラボ」バックナンバーのご案内 本紙「コラボ」は、年3回・7月、11月、2月の発行を予定しています。 市内の小・中学校・市施設等に配付しています。 バックナンバーを調布市ホームページに掲載しています。 どうぞご覧ください。 社会教育情報紙「コラボ」-調布市ホームページ https://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1661821091302/index.html コラボ令和5年度第1号はいかがでしたか。ご感想・ご意見などお寄せください。お待ちしております。 発行 調布市教育委員会教育部社会教育課 郵便番号182-0026調布市小島町2-36-1 電話 042-481-7488  ファクス 042-481-7739 Eメール syakaiky@city.chofu.lg.jp 刊行物番号2023-70