第3章 障害福祉サービス等の見込み量 第6期調布市障害福祉計画・第2期調布市障害児福祉計画では,障害者総合支援法に定める「障害福祉サービス」,「相談支援」及び「地域生活支援事業」並びに児童福祉法に定める「障害児通所支援」及び「障害児相談支援」について,計画期間(令和3年度から令和5年度)におけるその必要な見込み量と,それらの提供体制を確保するための方策を定めます。 ここで言う「障害福祉サービス等」とは,障害者総合支援法に基づく「障害福祉サービス」「相談支援」及び児童福祉法に基づく「障害児通所支援」「障害児相談支援」の総称として用います。 これらは,それぞれの法令にサービスの内容,基準等が示されており,全国で統一的に実施するサービスとされています。 【各サービスの実績及び見込み量の表記について】 ○ 調布市が支給決定の実施主体となっている利用者を対象としています。 ○ 「市内事業所数」は,令和2年11月時点のものです。 ○ 各サービスにおける実績及び見込み量は,利用時間数及び利用日数については各年度の全ての利用者の利用量の年間合計の数値を,利用者数については年間の実利用者数を記載しています。 ○ 令和2年度の実績については,本計画の策定中に数値が確定しないため,令和2年度の一部実績をもとに算定した推計値となります。 ○ 令和2年度の実績は,新型コロナウイルス感染拡大の影響により,サービス種別によっては大きく減少が見込まれています。これらのサービス種別における次期計画期間に必要なサービスの見込み量は,令和がん年度の実績をもとに算定しています。 ○ 【提供体制確保のための方策】における表記の意味は,以下のとおりです。 新規 ・・・・・本計画期間で新たに取り組む項目 取組強化 ・・・前期計画からの内容に加え,本計画期間で取組の強化を図る項目 継続 ・・・・・前期計画に引き続き取り組む項目   1 訪問系サービス(第6期障害福祉計画) (1) サービスの概要 ホームヘルパーが居宅を訪問して介護などの日常生活全般にわたる支援を行うサービスです。対象となるサービスは,次のとおりです。 サービス名称 居宅介護 内容 ヘルパーが利用者の自宅を訪れ,生活の支援を行います。以下の4種類のサービスがあります。 ・身体介護 … 入浴,排せつ,食事などの介護 ・家事援助 … 掃除,洗濯,食事づくりなどの家事の支援 ・通院等介助 … 病院などへの通院の介助 ・乗降介助 … 介護タクシー等の利用に伴う乗降の介助 市内事業所数 36か所 サービス名称 重度訪問介護 内容 重度の肢体不自由,知的障害,精神障害又は難病により常に介護を必要とする人に,自宅で,入浴,排せつ,食事の介護,外出時における移動支援などを総合的に行います。 市内事業所数 34か所 サービス名称 同行援護 内容 視覚障害のあるかたの移動(外出)時に,視覚的情報(代筆・代読)の支援や移動の援護,排せつ・食事等の介護を行います。一般的には「ガイドヘルパー」とも呼ばれます。 市内事業所数 8か所 サービス名称 行動援護 内容 知的障害,精神障害により行動に著しい困難のある人が行動するときに,危険を回避するために必要な支援,外出支援を行います。 市内事業所数 5か所 サービス名称 重度障害者等包括支援 内容 特に重度の障害により介護の必要性が著しく高い人に,自宅での介護や外出,作業所などでの日中の活動,居住の場など生活に関わる複数のサービスを包括的に提供します。 市内事業所数 0か所   (2) 第5期計画の評価と今後の課題 (居宅介護・重度訪問介護) ● 居宅介護では,利用時間数,利用者数とも,計画値以上の増加となっています。特に,身体障害者,精神障害者の利用が増えています。 ● 重度訪問介護では,利用者数は増加していますが,一方で第5期計画策定以降に,一部利用者の転出等による利用終了も多くあり,利用時間数は計画値を下回っています。 ● 調布市福祉人材育成センターにて実施する各種従業者養成研修により,毎年度一定数の資格取得者,新規就労者が輩出されていますが,依然として利用ニーズに対して,事業所やヘルパーの不足により,サービスが利用までなかなか至らない等の事例が見られます。特に,精神障害者,医療的ケアが必要な児童の利用希望に対応できる事業所が少ない状況です。 (同行援護) ● 平成30年度,令和がん年度は,利用時間数,利用者数とも,計画値以上の増加となっていますが,令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響から,低い利用実績となっています。 ● 調布市福祉人材育成センターにて実施する同行援護従業者養成研修により,毎年度一定数の資格取得者,新規就労者が輩出され,提供体制は改善されつつあります。 (行動援護) ● 利用時間数,利用者数とも,計画値を下回っています。市内で行動援護を提供していた事業所1か所が平成30年度末で閉鎖となった影響もあると推測されます。また,令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響から,低い利用実績となっています。 ● 利用ニーズに対して,サービスが提供できる事業所が少なく利用できないとの事例が見られます。 ● 平成29年度より調布市福祉人材育成センターにて新たに行動援護従業者養成研修を開始しました。毎年度一定数の資格取得者を輩出していますが,既に他の通所事業所で就労している従業者がスキルアップや加算取得のために受講する事例が多く,サービス提供体制の拡大には必ずしも結びついていない状況です。 ● 市が通所施設に交付している障害福祉サービス等事業者施設運営費補助金について,令和2年度からの改正で,行動援護事業を実施している法人が運営する施設について補助率を引き上げることとし,事業の間接的支援と参入促進を図っています。   居宅介護 サービス種別 単位 延べ利用時間数(時間) 区分 計画  平成30年度 20,500  令和1年度 21,000  令和2年度 21,500 区分 実績(計画比)  平成30年度 20,791(101.4%)  令和1年度 23,628.75(112.5%)  令和2年度 25,962(120.8%) 単位 実利用者数(にん) 区分 計画  平成30年度 260  令和1年度 265  令和2年度 270 区分 実績(計画比)  平成30年度 264(101.5%)  令和1年度 287(108.3%)  令和2年度 285(105.6%) 重度訪問介護 サービス種別 単位 延べ利用時間数(時間) 区分 計画  平成30年度 166,000  令和1年度 174,000  令和2年度 182,000 区分 実績(計画比)  平成30年度 154,762.5(93.2%)  令和1年度 160,194(92.1%)  令和2年度 155,448(85.4%) 単位 実利用者数(にん) 区分 計画  平成30年度 56  令和1年度 58  令和2年度 60 区分 実績(計画比)  平成30年度 57(101.8%)  令和1年度 63(108.6%)  令和2年度 60(100.0%) 同行援護 サービス種別 単位 延べ利用時間数(時間) 区分 計画  平成30年度 11,700  令和1年度 12,000  令和2年度 12,300 区分 実績(計画比)  平成30年度 12,202.5(104.3%)  令和1年度 12,930.5(107.8%)  令和2年度 8,072(65.6%) 単位 実利用者数(にん) 区分 計画  平成30年度 51  令和1年度 53  令和2年度 55 区分 実績(計画比)  平成30年度 52(102.0%)  令和1年度 61(115.1%)  令和2年度 56(101.8%) 行動援護 サービス種別 単位 延べ利用時間数(時間) 区分 計画  平成30年度 10,100  令和1年度 10,600  令和2年度 11,100 区分 実績(計画比)  平成30年度 9,787(96.9%)  令和1年度 9,343(88.1%)  令和2年度 6,409(57.7%) 単位 実利用者数(にん) 区分 計画  平成30年度 60  令和1年度 62  令和2年度 64 区分 実績(計画比)  平成30年度 59(98.3%)  令和1年度 55(88.7%)  令和2年度 47(73.4%) 重度障害者等包括支援 サービス種別 単位 延べ利用時間数(時間) 区分 計画  平成30年度 0  令和1年度 0  令和2年度 0 区分 実績  平成30年度 0  令和1年度 0  令和2年度 0 単位 実利用者数(にん) 区分 計画  平成30年度 0  令和1年度 0  令和2年度 0 区分 実績  平成30年度 0  令和1年度 0  令和2年度 0 合計 サービス種別 単位 延べ利用時間数(時間) 区分 計画  平成30年度 208,300  令和1年度 217,600   令和2年度 226,900 区分 実績(計画比)  平成30年度 197,543(94.8%)  令和1年度 206,096.25(94.7%)  令和2年度 195,891(86.3%) 単位 実利用者数(にん) 区分 計画  平成30年度 427  令和1年度 438  令和2年度 449 区分 実績(計画比)  平成30年度 432(101.2%)  令和1年度 466(106.4%)  令和2年度 448(99.8%)   (3) 第6期計画におけるサービス見込み 【基本的な考え方】 ○ 利用者一人ひとりに必要とするサービス量が保障されることを基本と考えます。 ○ 利用者数,利用時間数ともに,以下の要因から今後も増加傾向が続くと考え,提供体制の拡充を目指します。 ・地域移行によるニーズの増加 ・相談支援等を通じた潜在的ニーズの掘り起こし ・既存ニーズに対して十分な利用ができていない利用者について,提供体制の拡充による利用時間数の増加 ○ 第5期までのサービス利用の拡大傾向を踏まえ,第6期中の必要なサービス量を見込みます。 【サービス見込み量】 サービス種別 居宅介護 単位 延べ利用時間数(時間) 参考 令和1年度 23628.75 令和2年度 25,962 第6期計画 令和3年度 26,500 令和4年度 27,000 令和5年度 27,500 単位 実利用者数(にん) 参考 令和1年度 287 令和2年度 285 第6期計画 令和3年度 290 令和4年度 295 令和5年度 300 サービス種別 重度訪問介護 単位 延べ利用時間数(時間) 参考 令和1年度 160,194 令和2年度 155,448 第6期計画 令和3年度 166,000 令和4年度 174,000 令和5年度 182,000 単位 実利用者数(にん) 参考 令和1年度 63 令和2年度 60 第6期計画 令和3年度 65 令和4年度 67 令和5年度 69 サービス種別 同行援護 単位 延べ利用時間数(時間) 参考 令和1年度 12,930.5 令和2年度 8,072 第6期計画 令和3年度 13,500 令和4年度 13,800 令和5年度 14,100 単位 実利用者数(にん) 参考 令和1年度 61 令和2年度 56 第6期計画 令和3年度 65 令和4年度 67 令和5年度 69 サービス種別 行動援護 単位 延べ利用時間数(時間) 参考 令和1年度 9,343 令和2年度 6,409 第6期計画 令和3年度 10,100 令和4年度 10,600 令和5年度 11,100 単位 実利用者数(にん) 参考 令和1年度 55 令和2年度 47 第6期計画 令和3年度 60 令和4年度 62 令和5年度 64   サービス種別 重度障害者等包括支援 単位 延べ利用時間数(時間) 参考 令和1年度 0 令和2年度 0 第6期計画 令和3年度 0 令和4年度 0 令和5年度 0 単位 実利用者数(にん) 参考 令和1年度 0 令和2年度 0 第6期計画 令和3年度 0 令和4年度 0 令和5年度 0 サービス種別 合計 単位 延べ利用時間数(時間) 参考 令和1年度 206,096  令和2年度 195,891 第6期計画 令和3年度 210,600 令和4年度 225,400 令和5年度 234,700 単位 実利用者数(にん) 参考 令和1年度 466 令和2年度 448 第6期計画 令和3年度 480 令和4年度 491 令和5年度 502 ※ 「重度障害者等包括支援」については,事業所がきわめて少なく(都内1か所。令和2年11月時点),市内にも事業所がないことから,次期計画においても利用を見込んでいません。 【提供体制確保のための方策】 ◇ 調布市福祉人材育成センターにおける事業を引き続き推進し,従事者(ヘルパー)の育成を通じて量的な確保と質の向上による提供体制の整備を図ります。継続 ・資格研修 ‐介護職員初任者研修 ‐重度訪問介護従業者養成研修 ‐医療的ケア支援者養成研修(特定の者)(※) ‐同行援護従業者養成研修 ‐行動援護従業者養成研修 ・就職へのマッチング ‐福祉のしごと相談・面接会 ・専門研修・階層別研修 ◇ 調布市障害者地域自立支援協議会のワーキングや「サービスのあり方検討会」を活用しながら,事業所へのアプローチによる精神障害者の支援への理解促進と参入事業所の拡充を図ります。新規 ◇ スムーズな利用に繋げられるよう,相談支援事業者とヘルパー事業所との連携を推進します。取組強化 ※ 介護職員が特定の利用者について,喀痰吸引・経管栄養の医療的ケアを実施するために必要な研修